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ナンシーだったから良かったねってお話
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『申し訳ない…今日も妹の具合が悪くて、デートには行けそうにない』
彼の使い魔が寄越してくれた手紙。まあそうだよなぁと思う。だって、妹さんは生まれた時から病弱で。歳の離れた可愛い妹を、彼はなにより大切にしている。
『今はレイチェル様を優先して差し上げてください。お大事になさってくださいね』
彼の使い魔に手紙を託した。
正直、最初は私より妹を優先する彼が嫌だった。けれどこれは政略結婚。嫌だとか、そんなことは言ってられない。
置かれた環境に、どう適応していくか。適応しきれないのなら、せめて妥協点は見出さなくては。それが貴族の娘である私の務め。大好きな両親や兄の役に立つために。この婚約は、破棄することなど出来ないのだ。
「だから、決めたのです。私は、貴方を愛さないことにしようと」
愛さなければ、期待しなければ。
がっかりすることはないし、嫌いになることもない。
お互いに、その方がいいと思う。
「けれど…普通に、恋愛もしてみたかったな」
一応、貴族としての務めはわかっているつもり。運命の恋、なんて難しいのはわかっている。でも、恋を知らないまま枯れていく人生は寂しいと思った。…それでも、逃げられないのもわかっているけれど。
「…さて、寝ますか」
予定が潰れてしまったので、お昼寝することにした。我ながら怠惰だなぁと思うけれど、惰眠をむさぼるのは幸せなのだ。
「んん…」
目が覚めた。と思ったら知らない場所にいた。
「…これは夢?」
幻想的な湖。妖精たちが飛び交う美しい光景。まるで、聖域にでも迷い込んでしまったような…。
「やあ、こんにちは」
「え、あ、こんにちは」
王子様みたいな素敵な人に話しかけられる。
「いきなりで驚いたかな。ごめんね?君があまりにも愉快な思考回路をしていたから、見ていて面白くて。つい精神だけを呼び出してしまった」
「…はぁ」
よくわからない。
「ねえ。…君は、もしなんでも願いを叶えてあげると言ったら何を願う?」
「願い?」
「そう」
…特に、何もない。両親や兄には愛されて、生活に困ることもなく順風満帆。領民達も穏やかな生活を送っているし、今のところ不満の声は聞こえない。
…あ、でも。
「婚約者がいるんです」
「うん」
「その妹が病弱で。治してあげたいです」
「それは何故?」
別に、彼女が治れば彼がこちらを見てくれるなんてお花畑な考えはない。彼が私を見ないのは妹の心配で余裕がないからというのもあるけれど、私の魅力が無いのもあるだろうから。でも。
「可哀想だから」
「…ただの同情?それだけでなんでも願いが叶うチャンスを捨てるの?」
「…だって、持てるものこそ与えなくては」
「ノブレスオブリージュって奴?理解できないな…」
まあ、理解して欲しいとは思わない。
「でも、すごく面白い」
「そうですか」
「だから、叶えてあげるよ」
「え?」
「目が覚めたら、きっと驚くよ」
そこでふと、意識が飛んだ。
目が覚めたら、いつもの部屋。やっぱり夢かと思ったら、彼が突然部屋に入ってきた。…いや、なんで?
「ナンシー!レイチェルの病気が治った!」
「開口一番になにを…え、本当に?」
「そうだ!君のおかげだ!」
「はい?」
「ナンシーが精霊王様に頼み込んでくれたと我が領地の神殿にお告げがあった!ありがとう、本当にありがとう!」
ああー…普通の夢じゃなかったかぁ…。まあ、人助けになったならいいか。
「それは良かったです」
「なにかお礼は出来ないか?して欲しいこととか、欲しい物とか」
「じゃあ…精霊王様を祀る神殿に、貴方の領地の特産品をわんさかとお供えして欲しいです」
「それはもちろんもうしたとも!」
「はやっ」
行動力の化身だ。
「そうじゃなくて、君がして欲しいことは?」
「…うーん?」
そう言われて気づく。私って、特に好き嫌いとか望みとかがあんまりないよなと。自分を持っていないよなと。
生まれた時から公爵家に生まれ、何不自由なく育ち、全てを手に入れてきた。愛情もたっぷりもらったし、不足を感じたことがない。
だからこそ、私自身には中身がないのだ。
そんな私が唯一嫌だったこと。この人が、私より妹を優先したこと。
この人は、空っぽの私に変わるきっかけをくれたと言えるかもしれない。
「じゃあ…」
「うん」
「カーティス様なら、自分を形作りたい時どうしますか?」
「自分を形作る?自分探しってこと?」
「んー…多分?」
自分でもちょっと、何を言ってるかわからない。でも、カーティス様なら答えをくれる気がした。
「…なら、やっぱり旅かなぁ」
「旅」
「ああでも、ナンシーは女性なんだから一人旅はダメだよ。もし旅に出るなら護衛と侍女は必須。あと、危ない場所には行っちゃダメ。それと、国内旅行にしておこうね」
「なるほど」
旅かぁ…じゃあ…。
「なら、私…ちょっとだけ、精霊王様の聖域のある神殿に行きたいです」
精霊王様を祀る神殿は、国内の各地にある。カーティス様の領地やうちの領地にも。でも、聖域のある神殿は聖都にだけしかない。
「なるほど。聖都までなら、治安も安全だね。けれどもし不安なら僕も付き添おうか?もう妹も完治したし」
「いえ、レイチェル様の快気祝いもありますから」
「ああそうか…」
「私は旅に出る気満々なので、快気祝いのパーティーには出られなくて申し訳ないのですが」
「そもそもレイチェルが完治したのは君のおかげだ。なにも文句はないよ」
カーティス様の私を見る目が優しくて困る。こんな人だったっけ。
「…旅費とか、出せるものは僕が出そうか?」
「いえ、私費で行きます」
「…じゃあ」
カーティス様は、私を真っ直ぐに見つめる。
「帰ってきたら、今までの分たくさんデートに行こう。あと、今まで以上にたくさんプレゼントも贈る」
「いや、これ以上プレゼントを増やされると困るので今まで通りでいいです」
カーティス様は、かなりたくさんプレゼントをくれるマメな人だから。
「…でも、デートはたくさん行きたいです」
「…っ!ありがとう、嬉しいよ」
本当に嬉しそうな顔をするから、私まで嬉しくなる。
「ふふ、はい。楽しみにしていますね」
「うん!」
そして私は家に帰るカーティス様を見送って、両親と兄に相談して精霊王様の神殿に向かった。
何日かかけて聖都について、神殿に入ると神官に出迎えられた。
「お待ちしておりました」
「え?」
「精霊王様がお待ちです。聖域にお入りください」
そして聖域に繋がる扉に半ば強引に連れてこられた。仕方がないので中に入る。夢で見たのと同じ光景が広がった。
「やあ」
「…こんにちは」
「こんにちは」
「願いを叶えてくださってありがとうございました」
お礼は伝える。
「君の両親や婚約者からたくさん貢物ももらえたし、なんてことないよ」
「それなら良かった」
両親もいつのまにか貢物をしていたらしい。
「それで、どうだった?」
「え?」
「君は満たされた?」
…満たされたかと言われたら。
「いいえ」
「そう」
「でも」
「うん?」
「自分を満たすためのきっかけはもらいました。自分が空っぽだと、気付きました」
精霊王様は目を丸くする。そして笑った。
「あはははは!そう!それは良かった!」
「笑うところじゃないです」
「いやいや、十分面白いよ。…ところで」
精霊王様は、私の左手をとってキスをする。
「私の妻にならない?」
「…」
「永遠に続く幸せを誓えるけど?」
「…申し訳ありません。多分、私を満たしてくれるのは貴方ではなくカーティス様です」
「それは何故?」
試すような目。案外わかりやすい人だと思う。
「嫌だったから」
「え?」
「あの人が私より妹を優先するの、嫌だったんです」
「…だったら余計に私を選べば?」
「違うんです。嫌だったのが大事なんです」
そう。だってそれは。
「私多分、無意識で嫉妬してたんです。無意識で彼を好きだった」
「…ああー。なるほど」
「全てを手に入れて、全てに満たされて。故に空っぽだった私が、嫉妬という感情を初めて知った。だから…多分、彼じゃないとダメだと思うんです」
「…そっか。面白い子だから、そばに置いときたかったんだけどな」
「申し訳ございません」
私が謝れば、精霊王様はウィンクを飛ばしてきた。
「謝る必要はないよ。まあ、これからも暇な時は見守っているから。何かあったら頼っておいで、精霊王の愛し子さん」
「え」
「もう左手に愛し子の紋章入れたから逃げられないけど、まあ頑張って!」
「ああー…」
強引な人だなと思ったけど、でもやっぱり優しい人だとも思うから。
「たまに遊びに来ていいですか?」
「次はお茶会の準備をして待つことにするよ」
「ありがとうございます」
そして私は、カーティス様の元へ戻った。
結局のところ、私はカーティス様に嫁いだ。精霊王の愛し子として色々騒がれたけど、煩わしいものからはカーティス様が守ってくれた。カーティス様にそれで惚れ直してしまって、今ではラブラブカップルとして評判になってしまっている。
レイチェル様も健康になったので素敵な方のところに嫁入りして、カーティス様はその時は引くほど泣いてた。多分、子供達が巣立つ時も泣くんだろう。
私とカーティス様の子供は現在男一人女二人。みんな可愛らしさ抜群だ。たまに精霊王様にも会わせていて、こっそり加護も貰ったりしている。
「でさあ、ナンシー」
「はい、カーティス様」
「結局、自分は見つかった?」
そう聞かれて、どうかなと思う。けど。
「足りなかったものは、半分くらいはカーティス様と子供達が埋めてくれたように思います」
「残りの半分は?」
「これからカーティス様と子供達に埋めてもらう予定です」
私の言葉に、きょとんとした後ケラケラ笑って、そして私を抱きしめるカーティス様。
「埋めるどころか、溢れさせてあげる」
「それは困りました。今でも幸せ過ぎるのに」
「もっと困らせてあげる」
運命の恋って、もしかしたら意外と近くにあるのかもしれません。
彼の使い魔が寄越してくれた手紙。まあそうだよなぁと思う。だって、妹さんは生まれた時から病弱で。歳の離れた可愛い妹を、彼はなにより大切にしている。
『今はレイチェル様を優先して差し上げてください。お大事になさってくださいね』
彼の使い魔に手紙を託した。
正直、最初は私より妹を優先する彼が嫌だった。けれどこれは政略結婚。嫌だとか、そんなことは言ってられない。
置かれた環境に、どう適応していくか。適応しきれないのなら、せめて妥協点は見出さなくては。それが貴族の娘である私の務め。大好きな両親や兄の役に立つために。この婚約は、破棄することなど出来ないのだ。
「だから、決めたのです。私は、貴方を愛さないことにしようと」
愛さなければ、期待しなければ。
がっかりすることはないし、嫌いになることもない。
お互いに、その方がいいと思う。
「けれど…普通に、恋愛もしてみたかったな」
一応、貴族としての務めはわかっているつもり。運命の恋、なんて難しいのはわかっている。でも、恋を知らないまま枯れていく人生は寂しいと思った。…それでも、逃げられないのもわかっているけれど。
「…さて、寝ますか」
予定が潰れてしまったので、お昼寝することにした。我ながら怠惰だなぁと思うけれど、惰眠をむさぼるのは幸せなのだ。
「んん…」
目が覚めた。と思ったら知らない場所にいた。
「…これは夢?」
幻想的な湖。妖精たちが飛び交う美しい光景。まるで、聖域にでも迷い込んでしまったような…。
「やあ、こんにちは」
「え、あ、こんにちは」
王子様みたいな素敵な人に話しかけられる。
「いきなりで驚いたかな。ごめんね?君があまりにも愉快な思考回路をしていたから、見ていて面白くて。つい精神だけを呼び出してしまった」
「…はぁ」
よくわからない。
「ねえ。…君は、もしなんでも願いを叶えてあげると言ったら何を願う?」
「願い?」
「そう」
…特に、何もない。両親や兄には愛されて、生活に困ることもなく順風満帆。領民達も穏やかな生活を送っているし、今のところ不満の声は聞こえない。
…あ、でも。
「婚約者がいるんです」
「うん」
「その妹が病弱で。治してあげたいです」
「それは何故?」
別に、彼女が治れば彼がこちらを見てくれるなんてお花畑な考えはない。彼が私を見ないのは妹の心配で余裕がないからというのもあるけれど、私の魅力が無いのもあるだろうから。でも。
「可哀想だから」
「…ただの同情?それだけでなんでも願いが叶うチャンスを捨てるの?」
「…だって、持てるものこそ与えなくては」
「ノブレスオブリージュって奴?理解できないな…」
まあ、理解して欲しいとは思わない。
「でも、すごく面白い」
「そうですか」
「だから、叶えてあげるよ」
「え?」
「目が覚めたら、きっと驚くよ」
そこでふと、意識が飛んだ。
目が覚めたら、いつもの部屋。やっぱり夢かと思ったら、彼が突然部屋に入ってきた。…いや、なんで?
「ナンシー!レイチェルの病気が治った!」
「開口一番になにを…え、本当に?」
「そうだ!君のおかげだ!」
「はい?」
「ナンシーが精霊王様に頼み込んでくれたと我が領地の神殿にお告げがあった!ありがとう、本当にありがとう!」
ああー…普通の夢じゃなかったかぁ…。まあ、人助けになったならいいか。
「それは良かったです」
「なにかお礼は出来ないか?して欲しいこととか、欲しい物とか」
「じゃあ…精霊王様を祀る神殿に、貴方の領地の特産品をわんさかとお供えして欲しいです」
「それはもちろんもうしたとも!」
「はやっ」
行動力の化身だ。
「そうじゃなくて、君がして欲しいことは?」
「…うーん?」
そう言われて気づく。私って、特に好き嫌いとか望みとかがあんまりないよなと。自分を持っていないよなと。
生まれた時から公爵家に生まれ、何不自由なく育ち、全てを手に入れてきた。愛情もたっぷりもらったし、不足を感じたことがない。
だからこそ、私自身には中身がないのだ。
そんな私が唯一嫌だったこと。この人が、私より妹を優先したこと。
この人は、空っぽの私に変わるきっかけをくれたと言えるかもしれない。
「じゃあ…」
「うん」
「カーティス様なら、自分を形作りたい時どうしますか?」
「自分を形作る?自分探しってこと?」
「んー…多分?」
自分でもちょっと、何を言ってるかわからない。でも、カーティス様なら答えをくれる気がした。
「…なら、やっぱり旅かなぁ」
「旅」
「ああでも、ナンシーは女性なんだから一人旅はダメだよ。もし旅に出るなら護衛と侍女は必須。あと、危ない場所には行っちゃダメ。それと、国内旅行にしておこうね」
「なるほど」
旅かぁ…じゃあ…。
「なら、私…ちょっとだけ、精霊王様の聖域のある神殿に行きたいです」
精霊王様を祀る神殿は、国内の各地にある。カーティス様の領地やうちの領地にも。でも、聖域のある神殿は聖都にだけしかない。
「なるほど。聖都までなら、治安も安全だね。けれどもし不安なら僕も付き添おうか?もう妹も完治したし」
「いえ、レイチェル様の快気祝いもありますから」
「ああそうか…」
「私は旅に出る気満々なので、快気祝いのパーティーには出られなくて申し訳ないのですが」
「そもそもレイチェルが完治したのは君のおかげだ。なにも文句はないよ」
カーティス様の私を見る目が優しくて困る。こんな人だったっけ。
「…旅費とか、出せるものは僕が出そうか?」
「いえ、私費で行きます」
「…じゃあ」
カーティス様は、私を真っ直ぐに見つめる。
「帰ってきたら、今までの分たくさんデートに行こう。あと、今まで以上にたくさんプレゼントも贈る」
「いや、これ以上プレゼントを増やされると困るので今まで通りでいいです」
カーティス様は、かなりたくさんプレゼントをくれるマメな人だから。
「…でも、デートはたくさん行きたいです」
「…っ!ありがとう、嬉しいよ」
本当に嬉しそうな顔をするから、私まで嬉しくなる。
「ふふ、はい。楽しみにしていますね」
「うん!」
そして私は家に帰るカーティス様を見送って、両親と兄に相談して精霊王様の神殿に向かった。
何日かかけて聖都について、神殿に入ると神官に出迎えられた。
「お待ちしておりました」
「え?」
「精霊王様がお待ちです。聖域にお入りください」
そして聖域に繋がる扉に半ば強引に連れてこられた。仕方がないので中に入る。夢で見たのと同じ光景が広がった。
「やあ」
「…こんにちは」
「こんにちは」
「願いを叶えてくださってありがとうございました」
お礼は伝える。
「君の両親や婚約者からたくさん貢物ももらえたし、なんてことないよ」
「それなら良かった」
両親もいつのまにか貢物をしていたらしい。
「それで、どうだった?」
「え?」
「君は満たされた?」
…満たされたかと言われたら。
「いいえ」
「そう」
「でも」
「うん?」
「自分を満たすためのきっかけはもらいました。自分が空っぽだと、気付きました」
精霊王様は目を丸くする。そして笑った。
「あはははは!そう!それは良かった!」
「笑うところじゃないです」
「いやいや、十分面白いよ。…ところで」
精霊王様は、私の左手をとってキスをする。
「私の妻にならない?」
「…」
「永遠に続く幸せを誓えるけど?」
「…申し訳ありません。多分、私を満たしてくれるのは貴方ではなくカーティス様です」
「それは何故?」
試すような目。案外わかりやすい人だと思う。
「嫌だったから」
「え?」
「あの人が私より妹を優先するの、嫌だったんです」
「…だったら余計に私を選べば?」
「違うんです。嫌だったのが大事なんです」
そう。だってそれは。
「私多分、無意識で嫉妬してたんです。無意識で彼を好きだった」
「…ああー。なるほど」
「全てを手に入れて、全てに満たされて。故に空っぽだった私が、嫉妬という感情を初めて知った。だから…多分、彼じゃないとダメだと思うんです」
「…そっか。面白い子だから、そばに置いときたかったんだけどな」
「申し訳ございません」
私が謝れば、精霊王様はウィンクを飛ばしてきた。
「謝る必要はないよ。まあ、これからも暇な時は見守っているから。何かあったら頼っておいで、精霊王の愛し子さん」
「え」
「もう左手に愛し子の紋章入れたから逃げられないけど、まあ頑張って!」
「ああー…」
強引な人だなと思ったけど、でもやっぱり優しい人だとも思うから。
「たまに遊びに来ていいですか?」
「次はお茶会の準備をして待つことにするよ」
「ありがとうございます」
そして私は、カーティス様の元へ戻った。
結局のところ、私はカーティス様に嫁いだ。精霊王の愛し子として色々騒がれたけど、煩わしいものからはカーティス様が守ってくれた。カーティス様にそれで惚れ直してしまって、今ではラブラブカップルとして評判になってしまっている。
レイチェル様も健康になったので素敵な方のところに嫁入りして、カーティス様はその時は引くほど泣いてた。多分、子供達が巣立つ時も泣くんだろう。
私とカーティス様の子供は現在男一人女二人。みんな可愛らしさ抜群だ。たまに精霊王様にも会わせていて、こっそり加護も貰ったりしている。
「でさあ、ナンシー」
「はい、カーティス様」
「結局、自分は見つかった?」
そう聞かれて、どうかなと思う。けど。
「足りなかったものは、半分くらいはカーティス様と子供達が埋めてくれたように思います」
「残りの半分は?」
「これからカーティス様と子供達に埋めてもらう予定です」
私の言葉に、きょとんとした後ケラケラ笑って、そして私を抱きしめるカーティス様。
「埋めるどころか、溢れさせてあげる」
「それは困りました。今でも幸せ過ぎるのに」
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