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ショタジジイとお茶の時間
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「…むう」
ずっと魔法書と向き合っていると、集中力が切れてきた。
「イザベル、少し疲れたか?」
「えっと、はい。少しだけ」
「奇遇だな。俺もだ」
そう言って笑顔を見せてくれるユルリッシュ様。やっぱり優しいんだよなぁ。
「三時のお茶の時間にしよう。美味しいお茶とお菓子を用意させる」
「いいんですか?ありがとうございます」
「俺も食べたいからな。頭が働くよう糖分補給は大事だ」
ユルリッシュ様は侍従を呼んで、お茶の準備を指示する。
「さすがに資料室では味気ないから、俺の部屋で食べようか」
「はい」
ユルリッシュ様の部屋に移動する。美味しそうなお茶を淹れてもらって、お茶菓子として桃のたくさん乗った可愛らしいパンケーキをいただく。
「わあ、美味しそう!」
「糖分補給は大事だ。遠慮なく食べてくれ」
「はい!」
まずは、桃のジャムの入ったお茶を一口。うん、美味しい!
「甘くて幸せな気分になりますね、ユルリッシュ様!」
「そうだな。この紅茶とジャムはとても美味しい。だが、パンケーキはさらに格別だぞ?」
そう言われてパンケーキも一口。…美味しい!
「甘い!優しい自然な甘みで、桃の香りがとっても良い!パンケーキはふわふわで、桃ととっても合う!」
「だろう?俺のお気に入りなんだ。リュカとかいうパティシエお手製らしい。新米の神官に、並ばせて買わせておいた」
「え、あの天才パティシエのパンケーキなんですか!?平日でも五時間並ばせるって噂の!?」
「さすがに五時間は盛りすぎだろう。三時間だ」
「それだけ待たされたら十分ですよ!?」
びっくりした。それは美味しいはずだ。
「でも、それだけ美味しいだろう?」
「それはまあ…でも新米の神官さん可哀想」
「そうか?その分お小遣いは渡してるんだがな」
きょとんとするユルリッシュ様。
「まあ、お小遣いもらえるならいい…のかな」
「いいに決まってる。俺のために役に立てるんだから嬉しいだろう」
ユルリッシュ様は相変わらず天上天下唯我独尊だ。でも、子供姿だからかあるいは神秘的な美しさからか。それすら様になる…し、可愛らしい。
「ふふ、ユルリッシュ様はすごいですね」
「ん?うん、俺はすごいぞ」
「いや、もちろんその、聖王猊下としてもすごいと思うのですが」
「なんだ?」
「愛されキャラ、というか」
私がそういうと、ユルリッシュ様は目を丸くする。
「…俺が愛されキャラ?本当にそう思うか?」
「え?はい。実際愛らしいですし」
…ユルリッシュ様に対して愛らしいなんて、ちょっと生意気かな。
「…」
「…」
「…イザベルの方が、可愛いと思うけどな」
ぷいっと視線を逸らされた。でも、嫌そうな表情ではないのでご機嫌は損ねてない…と思う。嫌われたわけではなさそう。
「まあ、イザベルにそう思われているなら…いい」
「?」
「…イザベル」
名前を呼ばれて反応すれば、ユルリッシュ様は目を逸らしたまま。
「俺にはやっぱり、お前が必要だよ」
なんの話だろうか。
「ええっと…?」
「これからも一緒にいてくれるか?」
「それはもちろんです。私達は伴侶ですし、私はユルリッシュ様のこと大好きですし」
私がそう言うと、なぜかユルリッシュ様はまた目を丸くする。
「…そうか。そう思ってくれるのか」
「…?はい、もちろんです。ユルリッシュ様には助けてもらってばかりですし、大好きなのは当たり前です」
「そうか」
ユルリッシュは、何度か私の言葉を飲み込むように頷いて、そして。
「ありがとう。愛してるぞ、イザベル」
すごく綺麗で可愛らしい笑顔で、そんな嬉しいことを言ってくれた。
子供姿のユルリッシュ様にときめくことはないと思っていたのに、その笑顔にはすごく心が惹かれてしまったのはユルリッシュ様には内緒だ。
ずっと魔法書と向き合っていると、集中力が切れてきた。
「イザベル、少し疲れたか?」
「えっと、はい。少しだけ」
「奇遇だな。俺もだ」
そう言って笑顔を見せてくれるユルリッシュ様。やっぱり優しいんだよなぁ。
「三時のお茶の時間にしよう。美味しいお茶とお菓子を用意させる」
「いいんですか?ありがとうございます」
「俺も食べたいからな。頭が働くよう糖分補給は大事だ」
ユルリッシュ様は侍従を呼んで、お茶の準備を指示する。
「さすがに資料室では味気ないから、俺の部屋で食べようか」
「はい」
ユルリッシュ様の部屋に移動する。美味しそうなお茶を淹れてもらって、お茶菓子として桃のたくさん乗った可愛らしいパンケーキをいただく。
「わあ、美味しそう!」
「糖分補給は大事だ。遠慮なく食べてくれ」
「はい!」
まずは、桃のジャムの入ったお茶を一口。うん、美味しい!
「甘くて幸せな気分になりますね、ユルリッシュ様!」
「そうだな。この紅茶とジャムはとても美味しい。だが、パンケーキはさらに格別だぞ?」
そう言われてパンケーキも一口。…美味しい!
「甘い!優しい自然な甘みで、桃の香りがとっても良い!パンケーキはふわふわで、桃ととっても合う!」
「だろう?俺のお気に入りなんだ。リュカとかいうパティシエお手製らしい。新米の神官に、並ばせて買わせておいた」
「え、あの天才パティシエのパンケーキなんですか!?平日でも五時間並ばせるって噂の!?」
「さすがに五時間は盛りすぎだろう。三時間だ」
「それだけ待たされたら十分ですよ!?」
びっくりした。それは美味しいはずだ。
「でも、それだけ美味しいだろう?」
「それはまあ…でも新米の神官さん可哀想」
「そうか?その分お小遣いは渡してるんだがな」
きょとんとするユルリッシュ様。
「まあ、お小遣いもらえるならいい…のかな」
「いいに決まってる。俺のために役に立てるんだから嬉しいだろう」
ユルリッシュ様は相変わらず天上天下唯我独尊だ。でも、子供姿だからかあるいは神秘的な美しさからか。それすら様になる…し、可愛らしい。
「ふふ、ユルリッシュ様はすごいですね」
「ん?うん、俺はすごいぞ」
「いや、もちろんその、聖王猊下としてもすごいと思うのですが」
「なんだ?」
「愛されキャラ、というか」
私がそういうと、ユルリッシュ様は目を丸くする。
「…俺が愛されキャラ?本当にそう思うか?」
「え?はい。実際愛らしいですし」
…ユルリッシュ様に対して愛らしいなんて、ちょっと生意気かな。
「…」
「…」
「…イザベルの方が、可愛いと思うけどな」
ぷいっと視線を逸らされた。でも、嫌そうな表情ではないのでご機嫌は損ねてない…と思う。嫌われたわけではなさそう。
「まあ、イザベルにそう思われているなら…いい」
「?」
「…イザベル」
名前を呼ばれて反応すれば、ユルリッシュ様は目を逸らしたまま。
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なんの話だろうか。
「ええっと…?」
「これからも一緒にいてくれるか?」
「それはもちろんです。私達は伴侶ですし、私はユルリッシュ様のこと大好きですし」
私がそう言うと、なぜかユルリッシュ様はまた目を丸くする。
「…そうか。そう思ってくれるのか」
「…?はい、もちろんです。ユルリッシュ様には助けてもらってばかりですし、大好きなのは当たり前です」
「そうか」
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「ありがとう。愛してるぞ、イザベル」
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