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妻と二回目のデート
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「そうだ、イザベル。謝らないといけないことがあるんだ」
「え、どうしたんですか?ユルリッシュ様」
「護衛に、注意されてな。…初対面の時、イザベルに『お前のような小娘に神官が務まるか!
』って言ってしまっただろう?ちゃんと謝っておこうと思ってな」
「え、いえいえそんな!」
「イザベル、すまなかった。許してくれるか…?」
そう謝るが、許してもらえるかと少し不安になった。そんな俺にイザベルは微笑む。
「いいんです。そんなの気にしないでください!ユルリッシュ様には、今日までたくさんたくさん大事にしてもらいました。だから、チャラですよ!」
「イザベル!」
イザベルが可愛すぎて、俺はイザベルのおでこと頬にキスの雨を降らせた。
「え、え、ユルリッシュ様」
「イザベル、愛してる。本当にごめんな」
「いいんです、本当に気にしてません!」
「そんな優しいところも好きだ。でも、もし嫌なことがあったら言っていいんだからな。我慢はしてくれるなよ」
「は、はい!わかりましたから!」
俺は、気が済むまでたくさんキスの雨をイザベルに降らせ続けた。落ち着いたら、そのままの勢いでデートに誘ってみる。
「イザベル。せっかくだし今日、今から二度目のデートに行かないか?」
「商店街巡りですか!?」
「ああ。行くか?」
「もちろんです!行きます!」
ということでイザベルと一緒にデートに行くことになった。
「わあ…!」
「凄く面白そうな店がたくさんだろう?」
聖都の商店街は、多くの人々が行き交いとても賑やかだ。そしてすごく個性的な外観のお店がたくさんある。
「すごい…!」
「神官達もよく利用するからな。商品の種類の多さは保証する」
「楽しみです!」
「まあただ、せっかくの初めての商店街なのだし、最初は無難なお店から行ってみるか」
そしてイザベルの手を引きお店に入る。ここの雑貨屋はぬいぐるみや食器など多様な商品が取り扱われている。
「わあ…!ユルリッシュ様、見てください!猫のぬいぐるみですよ!」
「可愛らしいな」
「はい!バステト様に似ていると思いませんか?」
「似てる似てる。お土産に買っていこうか」
「はい!」
バステトに似たぬいぐるみを購入。ぬいぐるみを大切そうに抱えるイザベルは可愛い。
「他に欲しいものはあるか?」
「大丈夫です!」
「じゃあ、次はお面屋に行くか」
「お面屋?」
イザベルの手を引き、お面屋に行く。
「え、すごい…」
「初めて入ったら驚くよな。ここのお面は、東国出身の呪術師のお手製だ。お面によって、様々な効果を得られる」
「え!?」
「なかなか、いいお店だろう?」
聖都の商店街にはぴったりの店だと思う。
「ちなみに、こっちのお面は魔力操作の能力が向上する。こっちは魔力そのものを可視化する。こっちはアミュレットみたいな身を守る効果だな」
「へぇ…!」
「顔につけなくても、持っているだけで効果は発動するから何か買っていくか?」
「…じゃあ、この身を守る効果のお面でしょうか」
「これは…狐の面か。ならば危険回避の効果だな。二人でお揃いで買おうか」
そして狐のお面を購入。さすがに外で顔に付けはしないが、そのまま持って移動。
「次は呪具屋に行ってみようか」
「呪具屋?」
「呪術師の使う道具や、呪術師が作った道具が売ってるんだ。面白いぞ」
次は呪具屋に行った。
「ちなみに、こんな不思議なグッズもあるぞ」
「わぁ、空を飛べる魔法の箒…!」
「箒なんか使わないで馬車にでも魔法をかけたらいいのにな。東国の呪術師は発想がわからない」
「でも、面白そうです!」
「…落ちたらと心配だから、買わないぞ」
イザベルが怪我なんてしたら俺は仕事が手につかなくなるからな。
「代わりに、こっちを買ってみるか?」
「え?…短剣?」
「どうも東国では、嫁入り道具でもあるらしいぞ。あと、お守り代わりの意味もあるとかなんとか」
「面白いですね!」
「ちなみにもちろん呪具だから、呪術的な効果もある。この短剣の場合、所有者に対して悪意あるものを一定の距離に近付けない効果だな」
まあ、その効果の高さから値段も段違いなのだが。
「それだけすごい効果だと高そうですね」
「ゼロの数が違うよな」
「…え、値札怖い!」
「まあ、お金はあるから心配するな。買ってやるから待ってろ」
「え!?」
遠慮しようとするイザベルを横目に、サクッと買ってプレゼントした。戸惑いつつも受け取るイザベルが可愛い。短剣はリリーとかいう侍女が荷物持ちすることになった。
「次はどのお店にしようか。お持ち帰り専門のお菓子のお店なんかもあるが」
「あれ、そっちは飲食店街じゃないんですね」
「お持ち帰り専門で、その場で食べられるタイプじゃないからな。立ち食いするにも、ぼろぼろ崩れて商店街が汚れるからご法度だし」
「ぼろぼろこぼれる」
「パリパリの薄い生地に、カスタードクリームと苺のスライスを挟んだ新手のスイーツだ。行ってみようか」
イザベルと一緒にその店に行って、お土産を購入する。帰ったら二人でそれをお茶菓子に一緒に食べることにした。
「たくさん買いましたね!」
「そうだな」
「今日はこのくらいにしておきましょうか」
楽しかったし今日はこの辺で終了か。また今度デートに誘おう。
「そうだな。今日はこのくらいにしておこうか。じゃあ、帰ろう。今度のデートでは聖都のどこを巡ろうか?」
「ユルリッシュ様と一緒に行けるなら、それだけで嬉しいです!」
「はは、謙虚だな。なら、次のデートのプランは練っておく。楽しみにしておいてくれ」
「はい、ユルリッシュ様!」
こうして楽しい二度目のデートは、無事良い思い出となって終わった。お土産もたくさんで、幸せな一日になった。
「え、どうしたんですか?ユルリッシュ様」
「護衛に、注意されてな。…初対面の時、イザベルに『お前のような小娘に神官が務まるか!
』って言ってしまっただろう?ちゃんと謝っておこうと思ってな」
「え、いえいえそんな!」
「イザベル、すまなかった。許してくれるか…?」
そう謝るが、許してもらえるかと少し不安になった。そんな俺にイザベルは微笑む。
「いいんです。そんなの気にしないでください!ユルリッシュ様には、今日までたくさんたくさん大事にしてもらいました。だから、チャラですよ!」
「イザベル!」
イザベルが可愛すぎて、俺はイザベルのおでこと頬にキスの雨を降らせた。
「え、え、ユルリッシュ様」
「イザベル、愛してる。本当にごめんな」
「いいんです、本当に気にしてません!」
「そんな優しいところも好きだ。でも、もし嫌なことがあったら言っていいんだからな。我慢はしてくれるなよ」
「は、はい!わかりましたから!」
俺は、気が済むまでたくさんキスの雨をイザベルに降らせ続けた。落ち着いたら、そのままの勢いでデートに誘ってみる。
「イザベル。せっかくだし今日、今から二度目のデートに行かないか?」
「商店街巡りですか!?」
「ああ。行くか?」
「もちろんです!行きます!」
ということでイザベルと一緒にデートに行くことになった。
「わあ…!」
「凄く面白そうな店がたくさんだろう?」
聖都の商店街は、多くの人々が行き交いとても賑やかだ。そしてすごく個性的な外観のお店がたくさんある。
「すごい…!」
「神官達もよく利用するからな。商品の種類の多さは保証する」
「楽しみです!」
「まあただ、せっかくの初めての商店街なのだし、最初は無難なお店から行ってみるか」
そしてイザベルの手を引きお店に入る。ここの雑貨屋はぬいぐるみや食器など多様な商品が取り扱われている。
「わあ…!ユルリッシュ様、見てください!猫のぬいぐるみですよ!」
「可愛らしいな」
「はい!バステト様に似ていると思いませんか?」
「似てる似てる。お土産に買っていこうか」
「はい!」
バステトに似たぬいぐるみを購入。ぬいぐるみを大切そうに抱えるイザベルは可愛い。
「他に欲しいものはあるか?」
「大丈夫です!」
「じゃあ、次はお面屋に行くか」
「お面屋?」
イザベルの手を引き、お面屋に行く。
「え、すごい…」
「初めて入ったら驚くよな。ここのお面は、東国出身の呪術師のお手製だ。お面によって、様々な効果を得られる」
「え!?」
「なかなか、いいお店だろう?」
聖都の商店街にはぴったりの店だと思う。
「ちなみに、こっちのお面は魔力操作の能力が向上する。こっちは魔力そのものを可視化する。こっちはアミュレットみたいな身を守る効果だな」
「へぇ…!」
「顔につけなくても、持っているだけで効果は発動するから何か買っていくか?」
「…じゃあ、この身を守る効果のお面でしょうか」
「これは…狐の面か。ならば危険回避の効果だな。二人でお揃いで買おうか」
そして狐のお面を購入。さすがに外で顔に付けはしないが、そのまま持って移動。
「次は呪具屋に行ってみようか」
「呪具屋?」
「呪術師の使う道具や、呪術師が作った道具が売ってるんだ。面白いぞ」
次は呪具屋に行った。
「ちなみに、こんな不思議なグッズもあるぞ」
「わぁ、空を飛べる魔法の箒…!」
「箒なんか使わないで馬車にでも魔法をかけたらいいのにな。東国の呪術師は発想がわからない」
「でも、面白そうです!」
「…落ちたらと心配だから、買わないぞ」
イザベルが怪我なんてしたら俺は仕事が手につかなくなるからな。
「代わりに、こっちを買ってみるか?」
「え?…短剣?」
「どうも東国では、嫁入り道具でもあるらしいぞ。あと、お守り代わりの意味もあるとかなんとか」
「面白いですね!」
「ちなみにもちろん呪具だから、呪術的な効果もある。この短剣の場合、所有者に対して悪意あるものを一定の距離に近付けない効果だな」
まあ、その効果の高さから値段も段違いなのだが。
「それだけすごい効果だと高そうですね」
「ゼロの数が違うよな」
「…え、値札怖い!」
「まあ、お金はあるから心配するな。買ってやるから待ってろ」
「え!?」
遠慮しようとするイザベルを横目に、サクッと買ってプレゼントした。戸惑いつつも受け取るイザベルが可愛い。短剣はリリーとかいう侍女が荷物持ちすることになった。
「次はどのお店にしようか。お持ち帰り専門のお菓子のお店なんかもあるが」
「あれ、そっちは飲食店街じゃないんですね」
「お持ち帰り専門で、その場で食べられるタイプじゃないからな。立ち食いするにも、ぼろぼろ崩れて商店街が汚れるからご法度だし」
「ぼろぼろこぼれる」
「パリパリの薄い生地に、カスタードクリームと苺のスライスを挟んだ新手のスイーツだ。行ってみようか」
イザベルと一緒にその店に行って、お土産を購入する。帰ったら二人でそれをお茶菓子に一緒に食べることにした。
「たくさん買いましたね!」
「そうだな」
「今日はこのくらいにしておきましょうか」
楽しかったし今日はこの辺で終了か。また今度デートに誘おう。
「そうだな。今日はこのくらいにしておこうか。じゃあ、帰ろう。今度のデートでは聖都のどこを巡ろうか?」
「ユルリッシュ様と一緒に行けるなら、それだけで嬉しいです!」
「はは、謙虚だな。なら、次のデートのプランは練っておく。楽しみにしておいてくれ」
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