やっぱり貴族なんてのはクソだった。唯一の宝物を壊された平民は、彼等の真実を公にする。

下菊みこと

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迎え

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名誉が回復され、賠償金も得た伯爵家の面々がブランシュを迎えに来た。当主様も奥様も若様も、涙ぐんで物言わぬブランシュを大切に抱きしめる。

「リオネル!なんと性悪聖女候補の罪が暴かれ、ブランシュが伯爵家に戻れることになった!」

「よかったです」

「今までブランシュを預かってくれてありがとう、リオネル」

「いえ、お気になさらないでください」

「…言っておくけど、リオネル。お前を逃がしはしないからな?」

「…え」

「ほらやっぱり!お前黙ってブランシュを伯爵家に返して自分はどこかに隠れる算段だっただろ!仮にもお前はブランシュの裸をみたんだろ!お世話の為とはいえ!絶対逃がさん、責任を取れ!」

「わ、若様?」

「つまりね、ブランシュと結婚してあげて欲しいのよ」

「奥様!?」

「もちろん、ブランシュはこの調子だから逃げ出したいならそれでも止めない」

「父上!」

「お前は黙っていなさい。…だが、ブランシュを変わらず愛してくれているなら、飛び地の領地を一つと男爵位を授けるから、ブランシュの婿になって欲しい」

「…喜んで」

ぽろっと言葉が落ちた。慌てて取り消そうとしたが、若様に泣かれて何も言えなくなった。

ブランシュ。俺の宝物。それが俺のものになる。
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