1 / 1
めちゃくちゃ報復された
しおりを挟む
「それで、僕に話しってなに?」
「私、リリム様から虐めを受けてるんですっ…」
「…へえ、それで?」
「え?」
「なんでそんな話しを僕にするの?」
訳がわからない。普通可哀想にって心配してくれるところなのに。
「…ルシフェル様に守っていただきたいんですっ」
「なんで僕なの?」
「え?」
「先生とか、もっと適任がいると思うけど」
そこは普通僕が守ってあげるよって抱きしめるところでしょ!?
「で、でも、リリム様は公爵令嬢だから…」
「守ってもらえないかもって?」
「はい…」
「なら余計に、僕にその話するのバカじゃない?」
「え?」
その言い草に驚く。
「だって、俺は公爵家の息子。婚約者であるリリムも公爵家の娘。そして君は男爵家の末妹。しかもその出自は怪しい」
「…」
「身分差を考えてみなよ。あるいはリリムと俺の関係性と君と俺の関係性の差でもいいけど。…俺が君の言い分を信じる理由、ある?」
そんな、だって私はこんなにも可愛いのに。
お父様もお兄様たちも、可愛い可愛いって言ってくれた。
だからあの婚約者と不仲の公爵家の御令息を落として来いって言われたの。
「…で、でも、リリム様と不仲なんですよね?」
私がそう言えば、ルシフェル様の機嫌が目に見えて悪くなった。
「そうだよ」
「じゃあ!」
「お前らみたいな勘違い女のせいでね」
「え」
「俺のせいで、お前らみたいな女のせいで…リリムはたくさん傷ついた。だから俺を拒絶するようになった」
怒りに燃える目に、ぞっとする。
「覚悟してろよ」
「あ…」
その背中を追う勇気はなかった。
数日後、男爵家に強盗が押し入った。みんな殺された。生き残った私は行くあてもなく、結局マニアックな趣味のお店で働くことになった。そこでの生活は案外性に合ってるし、お金も貰えるけど家族を想うと気持ちが重くなる。
多分、あの強盗はそういうことだよね?でも、私が悪いから何も言えない。そもそも多分信じてもらえないから、やっぱり言えない。言うと今度こそ殺されそうで、どうしても言えない。…それがずっと胸につっかえてる。
また一人、犠牲者が出た。
あの人は…ルシフェル様は異常だ。私を傷つけた人を容赦なく叩き潰す。
ルシフェル様のことは…正直今でも愛してる。たとえ何人もその手にかけていても、それが私を想ってのことだと知っているから嫌いになれない。
けれど、私がそばにいるとルシフェル様はダメになる。これからも人を手にかけてしまう。
だから私は彼から離れなくてはいけない。そう思って突き放しているのに、彼は私を離してくれない。
「リリム、愛してるよ」
「私は愛しておりません」
「それでもいい。僕は君を愛してる」
好き。
どうしてもその想いが溢れてきて、彼にバレないように必死な私。
いつか、なにもかも投げ出して彼に完全に依存してしまいそうで。
それがすごく怖いのに、そうなって欲しいと夢想してしまう。
愛してるから幸せになって欲しい。でも、愛しているから私と一緒に落ちて欲しい。…ああ、私はやっぱり悪い子だ。
「ルシフェル様」
「なに?」
「いい加減婚約を解消してください」
「…それは嫌」
ああ、別れ話をするたびに見てしまうその仄暗い瞳。その全てが愛おしい。
「ねえ、愛してるよリリム。愛してるんだ」
「私は愛しておりません」
「それでも愛してるんだ!」
いつかこの必死な声に負けそうで、私は心の中で耳を塞ぐしか出来ない。
愛してる。
いっそそう言ってしまえば、楽だろうか。
「私、リリム様から虐めを受けてるんですっ…」
「…へえ、それで?」
「え?」
「なんでそんな話しを僕にするの?」
訳がわからない。普通可哀想にって心配してくれるところなのに。
「…ルシフェル様に守っていただきたいんですっ」
「なんで僕なの?」
「え?」
「先生とか、もっと適任がいると思うけど」
そこは普通僕が守ってあげるよって抱きしめるところでしょ!?
「で、でも、リリム様は公爵令嬢だから…」
「守ってもらえないかもって?」
「はい…」
「なら余計に、僕にその話するのバカじゃない?」
「え?」
その言い草に驚く。
「だって、俺は公爵家の息子。婚約者であるリリムも公爵家の娘。そして君は男爵家の末妹。しかもその出自は怪しい」
「…」
「身分差を考えてみなよ。あるいはリリムと俺の関係性と君と俺の関係性の差でもいいけど。…俺が君の言い分を信じる理由、ある?」
そんな、だって私はこんなにも可愛いのに。
お父様もお兄様たちも、可愛い可愛いって言ってくれた。
だからあの婚約者と不仲の公爵家の御令息を落として来いって言われたの。
「…で、でも、リリム様と不仲なんですよね?」
私がそう言えば、ルシフェル様の機嫌が目に見えて悪くなった。
「そうだよ」
「じゃあ!」
「お前らみたいな勘違い女のせいでね」
「え」
「俺のせいで、お前らみたいな女のせいで…リリムはたくさん傷ついた。だから俺を拒絶するようになった」
怒りに燃える目に、ぞっとする。
「覚悟してろよ」
「あ…」
その背中を追う勇気はなかった。
数日後、男爵家に強盗が押し入った。みんな殺された。生き残った私は行くあてもなく、結局マニアックな趣味のお店で働くことになった。そこでの生活は案外性に合ってるし、お金も貰えるけど家族を想うと気持ちが重くなる。
多分、あの強盗はそういうことだよね?でも、私が悪いから何も言えない。そもそも多分信じてもらえないから、やっぱり言えない。言うと今度こそ殺されそうで、どうしても言えない。…それがずっと胸につっかえてる。
また一人、犠牲者が出た。
あの人は…ルシフェル様は異常だ。私を傷つけた人を容赦なく叩き潰す。
ルシフェル様のことは…正直今でも愛してる。たとえ何人もその手にかけていても、それが私を想ってのことだと知っているから嫌いになれない。
けれど、私がそばにいるとルシフェル様はダメになる。これからも人を手にかけてしまう。
だから私は彼から離れなくてはいけない。そう思って突き放しているのに、彼は私を離してくれない。
「リリム、愛してるよ」
「私は愛しておりません」
「それでもいい。僕は君を愛してる」
好き。
どうしてもその想いが溢れてきて、彼にバレないように必死な私。
いつか、なにもかも投げ出して彼に完全に依存してしまいそうで。
それがすごく怖いのに、そうなって欲しいと夢想してしまう。
愛してるから幸せになって欲しい。でも、愛しているから私と一緒に落ちて欲しい。…ああ、私はやっぱり悪い子だ。
「ルシフェル様」
「なに?」
「いい加減婚約を解消してください」
「…それは嫌」
ああ、別れ話をするたびに見てしまうその仄暗い瞳。その全てが愛おしい。
「ねえ、愛してるよリリム。愛してるんだ」
「私は愛しておりません」
「それでも愛してるんだ!」
いつかこの必死な声に負けそうで、私は心の中で耳を塞ぐしか出来ない。
愛してる。
いっそそう言ってしまえば、楽だろうか。
115
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
奪われたものは、全て要らないものでした
編端みどり
恋愛
あげなさい、お姉様でしょ。その合言葉で、わたくしのものは妹に奪われます。ドレスやアクセサリーだけでなく、夫も妹に奪われました。
だけど、妹が奪ったものはわたくしにとっては全て要らないものなんです。
モラハラ夫と離婚して、行き倒れかけたフローライトは、遠くの国で幸せを掴みます。
【完結済み】妹の婚約者に、恋をした
鈴蘭
恋愛
妹を溺愛する母親と、仕事ばかりしている父親。
刺繍やレース編みが好きなマーガレットは、両親にプレゼントしようとするが、何時も妹に横取りされてしまう。
可愛がって貰えず、愛情に飢えていたマーガレットは、気遣ってくれた妹の婚約者に恋をしてしまった。
無事完結しました。
だが断る!
砂月ちゃん
恋愛
恋愛小説に出てくる《元平民で貴族になったばかりの下位貴族の令嬢》の面倒を王族や高位貴族の令息に任せるのって、おかしくありません?
【卒業パーティーで婚約破棄する奴って本当にいるんだ】に出てくる殿下の話。
婚約破棄イベントが壊れた!
秋月一花
恋愛
学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。
――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長かった。ヒロイン、頑張って王子様と一緒に国を持ち上げてね!
……って思ったら、これ私の知っている婚約破棄イベントじゃない!
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
おかしい、おかしい。絶対におかしい!
国外追放されて平民として生きるつもりだったのに! このままだと私が王妃になってしまう! どうしてそうなった、ヒロイン王太子狙いだったじゃん!
2021/07/04 カクヨム様にも投稿しました。
悪役令嬢の私が転校生をイジメたといわれて断罪されそうです
白雨あめ
恋愛
「君との婚約を破棄する! この学園から去れ!」
国の第一王子であるシルヴァの婚約者である伯爵令嬢アリン。彼女は転校生をイジメたという理由から、突然王子に婚約破棄を告げられてしまう。
目の前が真っ暗になり、立ち尽くす彼女の傍に歩み寄ってきたのは王子の側近、公爵令息クリスだった。
※2話完結。
不倫した妹の頭がおかしすぎて家族で呆れる「夫のせいで彼に捨てられた」妹は断絶して子供は家族で育てることに
佐藤 美奈
恋愛
ネコのように愛らしい顔立ちの妹のアメリア令嬢が突然実家に帰って来た。
赤ちゃんのようにギャーギャー泣き叫んで夫のオリバーがひどいと主張するのです。
家族でなだめて話を聞いてみると妹の頭が徐々におかしいことに気がついてくる。
アメリアとオリバーは幼馴染で1年前に結婚をして子供のミアという女の子がいます。
不倫していたアメリアとオリバーの離婚は決定したが、その子供がどちらで引き取るのか揉めたらしい。
不倫相手は夫の弟のフレディだと告白された時は家族で平常心を失って天国に行きそうになる。
夫のオリバーも不倫相手の弟フレディもミアは自分の子供だと全力で主張します。
そして検査した結果はオリバーの子供でもフレディのどちらの子供でもなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる