37 / 59
…わかっていると思うけど、私はまだ十二歳よ
「けれど…わかっていると思うけど、私はまだ十二歳よ」
「そうだね」
「貴方が私を望むとして、どうするつもりなの?」
「そうだねぇ」
「よくて愛人扱いが関の山だと思うのだけど」
フォルの言葉に首を振る。
オレはフォルを奥の玩具にするつもりもないし、他の誰かと結婚する気もない。
「フォルがオレを受け入れてくれるなら、フォル以外に妻を持つ気もないし愛人扱いなんてしないよ」
「じゃあどうするの」
「結婚しよう、フォル」
フォルもこの言葉は予想外だったみたいで、驚いた表情でしばらく固まった。
かと思えば深ーいため息をついて、それからこちらを見つめる。
「貴方の本気はわかったわ。私も…正直どういう意味かはわからないけれど、貴方を大切に思っているし貴方に執着している。一緒に居られるならそれでもいい。でも、貴方が変な目で見られるわよ」
いいの?と問われて即頷く。
他人がどうとかどうでもいい。
フォルを手放す気はないし、結婚してしまえばずっと一緒にいられるのだから結婚する。
「そう、貴方がいいならいいわ。でも、二十四歳の貴方はともかく十二歳の私はまだ制度上結婚は無理よ。十八歳まで待たないと」
「そうだね」
「それに、貴族でないどころか平民としての戸籍すら持たない私では…届けを出したところで認められないと思うけれど」
「伝手ならある。戸籍を得て、貴族の養子になって、それから婚約すればいい」
「あらまあ、私ったら破格の扱いを受けてしまうわ」
そこまでするのね、とクスクス笑ったフォルを抱きしめる。
「あら、熱烈ね」
「フォル、ごめんね」
「なに?もしかして自分のしたことをグルーミングとかだと思って罪悪感を抱えているの?」
「そんな言葉どこで知ったの?」
「もちろん書庫で」
ああ、本当にこの子は。
「まあ、もしかしたら本当にグルーミングの手口そのものかもしれないけれど…私は貴方がいないと生きていけないし、私は貴方に救われた。アルビノの私がこんなに満たされた生活を送れるのは貴方のおかげだし、私は誰になにを言われようと貴方に感謝しているの。どの種類の好きかは知らないけれど、本当に貴方が好きよ」
「それがまさにグルーミングってやつじゃないかなぁ。そんなつもりで拾ったはずじゃなかったんだけど」
「ただただ私を憐れんで助けてくれたのでしょう?なら結果こうなっただけよ」
「保護者としては失格だけどね」
「それはそうね」
クスクス笑って、それで済ますフォル。
その表情ひとつとっても可愛い。
たとえ世間的には良くないとしても、やっぱりこの子は手放せないと改めて思った。
「そうだね」
「貴方が私を望むとして、どうするつもりなの?」
「そうだねぇ」
「よくて愛人扱いが関の山だと思うのだけど」
フォルの言葉に首を振る。
オレはフォルを奥の玩具にするつもりもないし、他の誰かと結婚する気もない。
「フォルがオレを受け入れてくれるなら、フォル以外に妻を持つ気もないし愛人扱いなんてしないよ」
「じゃあどうするの」
「結婚しよう、フォル」
フォルもこの言葉は予想外だったみたいで、驚いた表情でしばらく固まった。
かと思えば深ーいため息をついて、それからこちらを見つめる。
「貴方の本気はわかったわ。私も…正直どういう意味かはわからないけれど、貴方を大切に思っているし貴方に執着している。一緒に居られるならそれでもいい。でも、貴方が変な目で見られるわよ」
いいの?と問われて即頷く。
他人がどうとかどうでもいい。
フォルを手放す気はないし、結婚してしまえばずっと一緒にいられるのだから結婚する。
「そう、貴方がいいならいいわ。でも、二十四歳の貴方はともかく十二歳の私はまだ制度上結婚は無理よ。十八歳まで待たないと」
「そうだね」
「それに、貴族でないどころか平民としての戸籍すら持たない私では…届けを出したところで認められないと思うけれど」
「伝手ならある。戸籍を得て、貴族の養子になって、それから婚約すればいい」
「あらまあ、私ったら破格の扱いを受けてしまうわ」
そこまでするのね、とクスクス笑ったフォルを抱きしめる。
「あら、熱烈ね」
「フォル、ごめんね」
「なに?もしかして自分のしたことをグルーミングとかだと思って罪悪感を抱えているの?」
「そんな言葉どこで知ったの?」
「もちろん書庫で」
ああ、本当にこの子は。
「まあ、もしかしたら本当にグルーミングの手口そのものかもしれないけれど…私は貴方がいないと生きていけないし、私は貴方に救われた。アルビノの私がこんなに満たされた生活を送れるのは貴方のおかげだし、私は誰になにを言われようと貴方に感謝しているの。どの種類の好きかは知らないけれど、本当に貴方が好きよ」
「それがまさにグルーミングってやつじゃないかなぁ。そんなつもりで拾ったはずじゃなかったんだけど」
「ただただ私を憐れんで助けてくれたのでしょう?なら結果こうなっただけよ」
「保護者としては失格だけどね」
「それはそうね」
クスクス笑って、それで済ますフォル。
その表情ひとつとっても可愛い。
たとえ世間的には良くないとしても、やっぱりこの子は手放せないと改めて思った。
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
後妻の条件を出したら……
しゃーりん
恋愛
妻と離婚した伯爵令息アークライトは、友人に聞かれて自分が後妻に望む条件をいくつか挙げた。
格上の貴族から厄介な女性を押しつけられることを危惧し、友人の勧めで伯爵令嬢マデリーンと結婚することになった。
だがこのマデリーン、アークライトの出した条件にそれほどズレてはいないが、貴族令嬢としての教育を受けていないという驚きの事実が発覚したのだ。
しかし、明るく真面目なマデリーンをアークライトはすぐに好きになるというお話です。
『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい
歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、
裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会
ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った
全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。
辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。
要らないと思ったのに人に取られると欲しくなるのはわからなくもないけれど。
しゃーりん
恋愛
フェルナンドは侯爵家の三男で騎士をしている。
同僚のアルベールが親に見合いしろと強要されたと愚痴を言い、その相手が先日、婚約が破棄になった令嬢だということを知った。
その令嬢、ミュリエルは学園での成績も首席で才媛と言われ、一部では名高い令嬢であった。
アルベールはミュリエルの顔を知らないらしく、婚約破棄されるくらいだから頭の固い不細工な女だと思い込んでいたが、ミュリエルは美人である。
ならば、アルベールが見合いをする前に、自分と見合いができないかとフェルナンドは考えた。
フェルナンドは騎士を辞めて実家の領地で働くために、妻を必要としていたからである。
フェルナンドとミュリエルの結婚を知ったアルベールは、ミュリエルを見て『返せ』と言い出す、というお話です。
必要とされなくても、私はここにいます
あう
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスのもとへ嫁ぐことになったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、理想の妻になろうとも、誰かの上に立とうともしなかった。
口出ししない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
ただ静かに、そこにいるだけ。
そんな彼女の在り方は、少しずつ屋敷の空気を変えていく。
張りつめていた人々の距離はやわらぎ、日々の営みは穏やかに整いはじめる。
何かを勝ち取る物語ではない。
誰かを打ち負かす物語でもない。
それでも確かに、彼女がいることで守られていくものがある。
これは、
声高に愛を叫ばなくても伝わる想いと、
何も奪わないからこそ育っていく信頼を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
余命僅かな大富豪を看取って、円満に未亡人になるはずでした
ぜんだ 夕里
恋愛
傾きかけた家を救うため、私が結んだのはあまりにも不謹慎な契約――余命いくばくもない大富豪の辺境伯様と結婚し、彼の最期を穏やかに看取ることで莫大な遺産を相続する、というものだった。
しかし、人の死を利用して富を得るなど不正義!
そう考えた私が立てたのは、前代未聞の計画。
「そうだ、遺産が残らないくらい贅沢の限りを尽くしてもらえば、すべて丸く収まるじゃない!」
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。