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ペット
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「今日は、皇女殿下に新しいお友達を作るとのことですが」
「うん」
「なぜペットのカタログを見てるんですか?」
「人間のお友達はまだ早いだろう。ペットから始めよう」
「貴族の娘ではダメなのですか」
側近の言葉に、アタナーズは首を振る。
「カウンセリングを受けている間は、まだ早いだろう」
「…それはそうですが、あまり箱入り扱いをするのもよくないのではありませんか?」
「お前のいうことはわかるよ。けど、もう少しだけ様子見するよ。ペットと上手くいってからでも遅くはない」
「…わかりました。では、どんなペットを選びましょうか」
側近にも一緒にカタログを見せる。
「このカピバラって生き物はどうだろうか?大きなネズミらしい」
「へぇ…大きいですが可愛いですね」
「水辺でも陸でも大丈夫らしい」
「ふむふむ」
「割とどんな動物とでも仲良くできるらしい」
側近はその言葉に驚く。
「そんな動物いるんですね」
「いるらしい。…カピバラで決まりでいいか」
「そうですね、ですが結構お高いですね」
「生息地がこの国の反対側だからな。仕方がない」
「ともかく、皇女殿下がお喜びになられるといいですね」
側近の言葉に、アタナーズは笑う。
「そうだな。そうなればとても嬉しい」
側近は、アタナーズにもお友達を作ってあげたいなと密かに思った。まあ、無理なのだが。
「アストリア、この間言っていたお友達を連れてきたよ」
「わあ…!大きなネズミさん!」
「あはは。可愛らしいよね。カピバラと言うらしいよ」
「カピバラさん…んー、じゃあガビー!」
「お名前かな?ガビー、今日から君はガビーだよ」
ゲージから出されたカピバラ。ガビーという名前を、アストリアからもらった。
「ガビーはなにを食べるの?」
「お野菜が主食でいいみたいだよ」
「ガビー、早速何か食べる?」
「キュルキュル!」
「じゃあ、ご飯をもらいに厨房に行く?」
早速仲良くなりだしたガビーとアストリアに、アタナーズは嬉しそうに微笑んだ。
「さすがに動物を連れて厨房に行くのはあれだから、侍女に持って来させた方がいいよ」
「はーい!お願いしてもいい?」
「かしこまりました、皇女殿下」
侍女が野菜を取りに行く。
「楽しみだね、ガビー」
「キュルキュル」
少し時間を置いて、貴族の娘と交流させることも考え始めたアタナーズだった。
「うん」
「なぜペットのカタログを見てるんですか?」
「人間のお友達はまだ早いだろう。ペットから始めよう」
「貴族の娘ではダメなのですか」
側近の言葉に、アタナーズは首を振る。
「カウンセリングを受けている間は、まだ早いだろう」
「…それはそうですが、あまり箱入り扱いをするのもよくないのではありませんか?」
「お前のいうことはわかるよ。けど、もう少しだけ様子見するよ。ペットと上手くいってからでも遅くはない」
「…わかりました。では、どんなペットを選びましょうか」
側近にも一緒にカタログを見せる。
「このカピバラって生き物はどうだろうか?大きなネズミらしい」
「へぇ…大きいですが可愛いですね」
「水辺でも陸でも大丈夫らしい」
「ふむふむ」
「割とどんな動物とでも仲良くできるらしい」
側近はその言葉に驚く。
「そんな動物いるんですね」
「いるらしい。…カピバラで決まりでいいか」
「そうですね、ですが結構お高いですね」
「生息地がこの国の反対側だからな。仕方がない」
「ともかく、皇女殿下がお喜びになられるといいですね」
側近の言葉に、アタナーズは笑う。
「そうだな。そうなればとても嬉しい」
側近は、アタナーズにもお友達を作ってあげたいなと密かに思った。まあ、無理なのだが。
「アストリア、この間言っていたお友達を連れてきたよ」
「わあ…!大きなネズミさん!」
「あはは。可愛らしいよね。カピバラと言うらしいよ」
「カピバラさん…んー、じゃあガビー!」
「お名前かな?ガビー、今日から君はガビーだよ」
ゲージから出されたカピバラ。ガビーという名前を、アストリアからもらった。
「ガビーはなにを食べるの?」
「お野菜が主食でいいみたいだよ」
「ガビー、早速何か食べる?」
「キュルキュル!」
「じゃあ、ご飯をもらいに厨房に行く?」
早速仲良くなりだしたガビーとアストリアに、アタナーズは嬉しそうに微笑んだ。
「さすがに動物を連れて厨房に行くのはあれだから、侍女に持って来させた方がいいよ」
「はーい!お願いしてもいい?」
「かしこまりました、皇女殿下」
侍女が野菜を取りに行く。
「楽しみだね、ガビー」
「キュルキュル」
少し時間を置いて、貴族の娘と交流させることも考え始めたアタナーズだった。
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