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コゼットと人形
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私はあの日、全てを失った。
私はコゼット。お父様とお母様と三人で仲良く暮らしていた。…つもりだった。
ある日お母様が病に侵された。誠心誠意看病するお父様。しかしお母様はどんどん弱っていった。
それでもお母様は、私のことばかり気にかけていた。
「コゼット。どうか泣かないで。お母様はいつだってコゼットを見守っているわ」
「お母様…」
そしてお母様は、病気が発覚して数ヶ月後には天国へ旅立った。お母様を亡くして失意の底にいた時に、さらに追い討ちをかけられた。
「コゼット、新しいお母様と妹だよ。仲良くしなさい」
お父様が、愛人と腹違いの妹を家に招いた。そして、結婚して家族に迎え入れてしまった。
「お父様…どうして?お母様を愛していたのではないの?」
「…もちろん愛してる。けど、新しいお母様もとても素敵な人なんだよ。仲良くしなさい」
私は、人間不信に陥った。さらに不幸は続く。
「ねえ、お姉様。その人形、私にちょうだい?」
「え、これはお母様の形見だから」
「コゼット、お姉さんなんだから我慢しなさい」
「あっ」
お父様に無理矢理人形を奪われて、妹に渡された。
「お姉様、ありがとう!」
「…酷い」
でも、さらに酷いのはここからだった。
「お姉様、やっぱりこの人形返すわ」
そう言われて渡されたのは、ぼろぼろのお人形。
「な、なんてことするの…?なんでこんな…」
「返したんだからいいでしょ。あ、そのネックレスもいいなぁ。ちょうだい?」
こうして私は、妹の所業で何度も何度も傷つけられた。
ある日、お友達のドロテから聖女殿下に会ってみないかと誘われた。断る理由もないのでついていく。
「お初にお目にかかります、コゼットと申します」
表情筋が固まりすぎて、にこりともしない私。そんな私にも、聖女殿下は笑顔で挨拶してくれた。
「はじめまして、アストリアです!これからよろしくね!」
握手した後、聖女殿下に聞かれる。
「コゼットちゃん。そのお人形さん、ぼろぼろになっちゃってるけどどうしたの?」
「…亡き母の形見です。後妻の子である妹にぼろぼろにされました」
「えっ酷い!」
「お気になさらず」
同情してくれるのはありがたいけど、それで何か変わるわけではない。
「…コゼットちゃん!」
「はい」
「私が聖魔力で直してもいい!?」
「…出来るのですか?」
驚いた。聖魔力はそこまですごいのか。それに、ものすごいお人好しさんだなとも思った。
「わからないけどやってみたいの!お願い!」
「…ドロテから聞いていた通り、お人好しなんですね」
「コゼット、その言い方は…」
「事実。…でも、そういう聖女殿下は個人的にはとても好き」
「…!」
私が誰かにこんな好意を持つなんて、久しぶりかもしれない。
「じゃあ、直してみるね」
「…お願いします」
聖女殿下は真剣に祈ってくれて、お人形さんに聖魔力を注ぐ。すると、聖魔力はお人形さんに作用した。
「わ、お人形さんの傷や汚れがどんどん綺麗になっていく…」
「買ってもらった時みたい…」
「えへへ、役に立ったかな?」
「…はい。とても、とても嬉しいです。ありがたいです。ありがとうございます。」
ポロポロと涙をこぼしながら、私は答えた。人形をぎゅっと抱きしめて、亡き母へ思いを馳せる。
「皇女殿下、私からもお礼を言わせてください!コゼットのために、本当にありがとうございました!」
ドロテは泣く私の背中をさすってくれる。
「お友達のためだもん!気にしなくていいよ!」
「…お友達」
聖女殿下の言葉に、私は目を丸くする。自分がそう言ってもらえるとは思っていなかった。
「そうそう。ご挨拶が遅くなったけど、もう一人お友達を紹介するね」
「え」
「私の大親友のガビーです!カピバラっていう動物だよ!」
「…大きいネズミ」
「可愛いでしょう?」
ガビーを紹介されて、私はテンションが上がる。私は動物が好きだ。
「触ってもいいよ!」
「いいの?…わあ、不思議な触り心地」
「たわしみたいだよね」
「うん」
「キュルキュル」
私は、ガビーが鳴くとさらに喜んだ。
「鳴き声面白い」
「そうだ、キャベツあげてみる?いっぱい食べるよ」
「ぜひやりたいです」
私達三人は、ガビーへの餌やりタイムに突入した。
「もしゃもしゃ食べてるの可愛いですね!皇女殿下!」
「うん、可愛い!ガビーは食べるのが好きなんだよねー?」
「食いしん坊。可愛い」
こうして打ち解けた聖女殿下と私。
そして家に帰ると、お父様と継母が揃って頭を下げてきた。私が聖女殿下とお友達になったと報告を受けたのだろう。今まですまなかったと謝られた。家の中での待遇が改善され、妹もさすがに大人しくなった。
「聖女殿下、みてください。お人形さんのための新しいドレスを手作りしてみました」
「わあ…すごい可愛い!上手だね、コゼットちゃん!」
すっかり聖女殿下と仲良くなった私とドロテ。聖女殿下の聖女のお仕事がお休みの日は欠かさず会いにきており、今日も遊びに来ている。
「それと、もう一つ」
「なになに?」
「じゃん」
じゃん、と言って私が取り出したのは四つの可愛いみための雨合羽。
「あ、雨合羽!」
「この暑い時期、水遊びする時に使うかなって」
「さすがコゼットちゃん!」
「ちなみに私の手作り」
「さすがコゼット!」
早速だと袖を通してみる聖女殿下とドロテ。私はそれをみて頷いた。
「…うん、我ながら上出来」
可愛らしさを重視しつつも機能性も高い雨合羽を作った。思い通りの仕上がりに満足。
「ガビーも着てみて!」
聖女殿下がガビーにも雨合羽を着せる。
ガビー用に作られた雨合羽も、サイズぴったりで上手に出来た。
「ガビー可愛いー!」
「コゼットちゃん、作ってくれてありがとう!」
「うん、一人一着あげる」
「わーい!」
「やったー!」
聖女殿下とドロテは喜び、ガビーも嬉しそうに私の膝にスリスリした。
「ガビー、くすぐったい」
でも、懐かれるのは嬉しい。
「せっかくなら今からプールにで遊ぼうか!」
「まだプールに入るには早い時期ですけど、雨合羽を着て水遊びするにはちょうどいいですよね!」
「水鉄砲持っていく」
「キュルキュル」
ということで、プールで遊ぶことになった私達。
「ふふ、えい!」
「やりましたね、聖女殿下」
「お返ししちゃいますよ、皇女殿下!」
プールに行くと早速、水鉄砲で私とドロテを狙う聖女殿下。私も負けじと応戦して、ドロテも楽しそうに私と聖女殿下を狙った。
ガビーはその様子を見守りつつその辺で寝転ぶ。
「…はー、楽しかったね!」
「はい、とっても!」
「少し疲れた」
その後も楽しく遊びまくった私達。しかし、私の雨合羽のお陰でドレスは無事だ。
「もう少し経ったら、今度は水着で遊ぼうね!」
「いいですね!」
「じゃあ、水着も今度作ってくる」
「いいの?楽しみにしてるね!」
「コゼットは本当に有能だよね」
ドロテに褒められて、気を良くする私。
「…お母様の真似をしてるだけ。お母様はそういうの得意だったから」
懐かしいな。
「じゃあ、お母様にますます感謝だね!」
「うん」
そう、感謝している。お母様との思い出は、今もこの胸に。そして今は、ドロテと聖女殿下との思い出をたくさん作ろうと思う。
私はコゼット。お父様とお母様と三人で仲良く暮らしていた。…つもりだった。
ある日お母様が病に侵された。誠心誠意看病するお父様。しかしお母様はどんどん弱っていった。
それでもお母様は、私のことばかり気にかけていた。
「コゼット。どうか泣かないで。お母様はいつだってコゼットを見守っているわ」
「お母様…」
そしてお母様は、病気が発覚して数ヶ月後には天国へ旅立った。お母様を亡くして失意の底にいた時に、さらに追い討ちをかけられた。
「コゼット、新しいお母様と妹だよ。仲良くしなさい」
お父様が、愛人と腹違いの妹を家に招いた。そして、結婚して家族に迎え入れてしまった。
「お父様…どうして?お母様を愛していたのではないの?」
「…もちろん愛してる。けど、新しいお母様もとても素敵な人なんだよ。仲良くしなさい」
私は、人間不信に陥った。さらに不幸は続く。
「ねえ、お姉様。その人形、私にちょうだい?」
「え、これはお母様の形見だから」
「コゼット、お姉さんなんだから我慢しなさい」
「あっ」
お父様に無理矢理人形を奪われて、妹に渡された。
「お姉様、ありがとう!」
「…酷い」
でも、さらに酷いのはここからだった。
「お姉様、やっぱりこの人形返すわ」
そう言われて渡されたのは、ぼろぼろのお人形。
「な、なんてことするの…?なんでこんな…」
「返したんだからいいでしょ。あ、そのネックレスもいいなぁ。ちょうだい?」
こうして私は、妹の所業で何度も何度も傷つけられた。
ある日、お友達のドロテから聖女殿下に会ってみないかと誘われた。断る理由もないのでついていく。
「お初にお目にかかります、コゼットと申します」
表情筋が固まりすぎて、にこりともしない私。そんな私にも、聖女殿下は笑顔で挨拶してくれた。
「はじめまして、アストリアです!これからよろしくね!」
握手した後、聖女殿下に聞かれる。
「コゼットちゃん。そのお人形さん、ぼろぼろになっちゃってるけどどうしたの?」
「…亡き母の形見です。後妻の子である妹にぼろぼろにされました」
「えっ酷い!」
「お気になさらず」
同情してくれるのはありがたいけど、それで何か変わるわけではない。
「…コゼットちゃん!」
「はい」
「私が聖魔力で直してもいい!?」
「…出来るのですか?」
驚いた。聖魔力はそこまですごいのか。それに、ものすごいお人好しさんだなとも思った。
「わからないけどやってみたいの!お願い!」
「…ドロテから聞いていた通り、お人好しなんですね」
「コゼット、その言い方は…」
「事実。…でも、そういう聖女殿下は個人的にはとても好き」
「…!」
私が誰かにこんな好意を持つなんて、久しぶりかもしれない。
「じゃあ、直してみるね」
「…お願いします」
聖女殿下は真剣に祈ってくれて、お人形さんに聖魔力を注ぐ。すると、聖魔力はお人形さんに作用した。
「わ、お人形さんの傷や汚れがどんどん綺麗になっていく…」
「買ってもらった時みたい…」
「えへへ、役に立ったかな?」
「…はい。とても、とても嬉しいです。ありがたいです。ありがとうございます。」
ポロポロと涙をこぼしながら、私は答えた。人形をぎゅっと抱きしめて、亡き母へ思いを馳せる。
「皇女殿下、私からもお礼を言わせてください!コゼットのために、本当にありがとうございました!」
ドロテは泣く私の背中をさすってくれる。
「お友達のためだもん!気にしなくていいよ!」
「…お友達」
聖女殿下の言葉に、私は目を丸くする。自分がそう言ってもらえるとは思っていなかった。
「そうそう。ご挨拶が遅くなったけど、もう一人お友達を紹介するね」
「え」
「私の大親友のガビーです!カピバラっていう動物だよ!」
「…大きいネズミ」
「可愛いでしょう?」
ガビーを紹介されて、私はテンションが上がる。私は動物が好きだ。
「触ってもいいよ!」
「いいの?…わあ、不思議な触り心地」
「たわしみたいだよね」
「うん」
「キュルキュル」
私は、ガビーが鳴くとさらに喜んだ。
「鳴き声面白い」
「そうだ、キャベツあげてみる?いっぱい食べるよ」
「ぜひやりたいです」
私達三人は、ガビーへの餌やりタイムに突入した。
「もしゃもしゃ食べてるの可愛いですね!皇女殿下!」
「うん、可愛い!ガビーは食べるのが好きなんだよねー?」
「食いしん坊。可愛い」
こうして打ち解けた聖女殿下と私。
そして家に帰ると、お父様と継母が揃って頭を下げてきた。私が聖女殿下とお友達になったと報告を受けたのだろう。今まですまなかったと謝られた。家の中での待遇が改善され、妹もさすがに大人しくなった。
「聖女殿下、みてください。お人形さんのための新しいドレスを手作りしてみました」
「わあ…すごい可愛い!上手だね、コゼットちゃん!」
すっかり聖女殿下と仲良くなった私とドロテ。聖女殿下の聖女のお仕事がお休みの日は欠かさず会いにきており、今日も遊びに来ている。
「それと、もう一つ」
「なになに?」
「じゃん」
じゃん、と言って私が取り出したのは四つの可愛いみための雨合羽。
「あ、雨合羽!」
「この暑い時期、水遊びする時に使うかなって」
「さすがコゼットちゃん!」
「ちなみに私の手作り」
「さすがコゼット!」
早速だと袖を通してみる聖女殿下とドロテ。私はそれをみて頷いた。
「…うん、我ながら上出来」
可愛らしさを重視しつつも機能性も高い雨合羽を作った。思い通りの仕上がりに満足。
「ガビーも着てみて!」
聖女殿下がガビーにも雨合羽を着せる。
ガビー用に作られた雨合羽も、サイズぴったりで上手に出来た。
「ガビー可愛いー!」
「コゼットちゃん、作ってくれてありがとう!」
「うん、一人一着あげる」
「わーい!」
「やったー!」
聖女殿下とドロテは喜び、ガビーも嬉しそうに私の膝にスリスリした。
「ガビー、くすぐったい」
でも、懐かれるのは嬉しい。
「せっかくなら今からプールにで遊ぼうか!」
「まだプールに入るには早い時期ですけど、雨合羽を着て水遊びするにはちょうどいいですよね!」
「水鉄砲持っていく」
「キュルキュル」
ということで、プールで遊ぶことになった私達。
「ふふ、えい!」
「やりましたね、聖女殿下」
「お返ししちゃいますよ、皇女殿下!」
プールに行くと早速、水鉄砲で私とドロテを狙う聖女殿下。私も負けじと応戦して、ドロテも楽しそうに私と聖女殿下を狙った。
ガビーはその様子を見守りつつその辺で寝転ぶ。
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「はい、とっても!」
「少し疲れた」
その後も楽しく遊びまくった私達。しかし、私の雨合羽のお陰でドレスは無事だ。
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「いいですね!」
「じゃあ、水着も今度作ってくる」
「いいの?楽しみにしてるね!」
「コゼットは本当に有能だよね」
ドロテに褒められて、気を良くする私。
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