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一章:22時10分更新

第16話:あの時。

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「ハハハハハ♪」

甲高い声が鳴り響く。

その声は、俺の心に響いたんだ。
俺がいなければ、俺がいなければエッセルさんはこんな目には合わなかった。そうして自分を憎んだ。
だけど、あの人は

「少年、自分を責めるな。男が一度見せたを無駄にする様な事はしてはいけない。」

そう言ったんだ。
正直、あの人の器のデカさにはビックリさせられたが、何よりあの人は

優しいんだ。

俺を、俺を苦しめまいと、、、自分の腕が無くなってるっていうのに、俺を心配してくれたんだ、、、。

俺は泣きすぎてなんて返事をしたかは覚えて無いが

とても嬉しかった。

って事だけは覚えてるよ。

そこからは早かった。

「なぁーにペチャクチャ喋ってるのぉ♪」

「なんでも無い。」

「お前ぇ、自分のぉ腕無くなってることにぃ気づいてるぅ♪」

「当たり前だ。腕一本でお前を、葬れると思うと、安いもんだ。」

「へぇ~♪どうやって倒すのぉ♪」

「今にわかるさ」

「ヴラフォス。」

「、、、」

「なんだぁ♪何も起こらないじゃん♪」

「上見てみろよ」

「い、岩!?ど、どこから!?ハハ、、、、俺の負けじゃねぇかよ♪」

「あぁ。お前の負けや。」

それからの事は今でも鮮明に覚えてる。

「ドン」と言う鈍い音と共に、男の叫び声が聞こえてきた。
そして数秒後に男の叫び声は止み、悪夢が終わったと初めて実感させられた。
クエストをクリアもしてないのに、俺が戦いに貢献したわけでもないのに、母さんの罪も晴らしてあげられてないのに、達成に溺れた。

「巻き込んじゃって悪かったな!これで君も安心してクエストを出来るな!」

「でも、、、う、腕が、、、な、なんで自分の事より人のとこを心配できるんだよ!」

「人、1人の命と腕だったらどっちの方が価値があると思う?」

「命、、、」

「そういう事だ」

「で、でも、、、」

「腕なら生えるさ!ティシア。ほら?ね?」

「う、うん!生えるなら良かった!!」

「じゃ、逞しく生きろよ!」

あの時の俺は気づいていなかったが、
腕を治すには多大な魔力マジックパワーを要する。
しかも
失われた腕となると何らかのが必要なんだ。
エッセルさんは自分の魔力マジックパワーの大半を、犠牲に、腕を再生させたんだ。

この間、エッセルさんと会って俺は確信した。
今のエッセルさんは6年前のエッセルの7分の1ほどの力しか出せないんだ。
俺はその事を知って、自分へのが収まらなかった。

何で、気づいて止めなかったのか。
何で、俺は喜んでいたのか。
何で、謝れなかったのか、、、

そんな悔しさ・未熟さ。で、が収まらなかった。

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「そうして俺は恐らく自分に対するを抱えてしまった。
だから陽向の魔法マジックが効いたんだと思う。」

「なるほどな、、、そんな辛い過去があったとはな。ごめんなお前を疑ったりして」

「いや。俺もその魔法マジックが効いていたら疑っていたさ。」

「け、けいた!?ひ、1人で全て抱えようとしないで!?わ、私たちがいるからね?!」

「そーだぞ、エッセルさんなら、俺のミスだ。お前のせいじゃない。って言うぞ?」

「あぁ。ありがとう、、、頼りにしてる。」

敬太の目には似合わない、涙が浮かぶ。
それは嬉し涙。
仲間がいる大切さに気づいただった。
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