僕とシークレットボーイ

夏目きょん

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1章:難易度★1クエスト編

9話:謎

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「アマトリス?お姉さんその人はどこら辺にいるんですか?」
そう陽向が聞いた時にはもういなかった。
そこにいたのは、陽向・敬太・街の人々だけだった。
「陽向、受付の人は転送するだけだ。ヒントなんてくれやしないよ。」
敬太の口ぶりは、初見の人の口ぶりではなかった。
「そうなのかぁ…。あんなに綺麗なのにもったいない!優しければもっとモテると思うんだけどなぁ~♪」
陽向は悲しさが入り混じった様な声で言うと。衝撃的な言葉が返ってきた。
「いや、違う。あそこにいた人は全員造り物だ。人格なんてものは存在しない。」

「え、だって…だってさっきああ言う事言ってた…じゃん。」
思わず、今さっきの楽しかった出来事を思い出した。
「あれもこれも全てプログラミング的なことがされてるんだよ。ああ言うとこう言う。こう言うとああ言うと。というプログラムを。ただしかなり複雑かつバリエーション豊富だから気づかれることはまず無いね。」
陽向は造られたもののということに絶望した。
「そんな…。俺達がさっき楽しんだあの時間も造られたもの…。」

「あぁ」

「あのお姉さん自体も…。」

「あぁ。」

「ここの村人達も。」

「あぁ!そうだ。わかったらさっさと切り替えて探すぞ。」
分かった。と返事をしたいところだが、この謎だけは解かなくてはいけない気がした。
「なんで、お前は全部知ってんだよ。」
すると敬太が初めて困った顔をした。
「俺は…」
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