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出産の記憶 2
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大きくなったお腹を抱えて迎えた八月。もう、いつ出てきてもおかしくない時期です。
担当の先生からは、最初のお産は予定日から遅れることが多いからね、と言われていたので、不安は抱えていましたが、わりかしのんびりのほほんと過ごしてました。
ただ、やっぱり十五キロも増えた体、その大部分はお腹についた重量な訳ですから、何をするにも重たくて動くのが辛い、うつ伏せで寝られない、仰向けに寝ればハチがお腹から眠りを邪魔する……と、なかなかにしんどい状況でした。
お産は怖い、という不安と、早く出して少しでも軽くしたい、せめぎ合う気持ち。
そう、この時点で私は、出産=ゴールと思っていたのです。愚かにも。
予定日二日前。
不定期なお腹の痛み。すわ陣痛か? と身構えます。
助産師さんからは、「五~十分感覚に痛みがきたら連絡してください」と言われていたので、痛い時と痛くない時の時間を測ります。
なんとなく十分くらい……かな? という、なんとも微妙な感覚。
お腹の異変に気を張っていると、旦那が仕事から帰宅。夕食の準備をしている間に、いつのまにかお腹の痛みはすっかり治っていました。
前駆陣痛という、陣痛のリハーサルのようなものでした。
次の日は何事もなく、とうとう迎えた予定日。八並びだから今日のうちに産まれてきてほしいな、という親の勝手な願いも虚しく、その後数日も、何事もなく過ぎたのでした。
予定日を五日ほど過ぎた朝、前の晩から不定期に続く痛みは定期的になり、ようやく入院となりました。
よく、満月新月の晩は出産が多いと聞きますが、助産師さん曰く、月齢云々よりも、大潮だと多いかな、とのことでした。
その日は、あと少しで満月だけど、大潮でもなかったので、陣痛は来てるけど初産だしまだまだかかるわね、と、診察の後はいろんな器具をつけられて陣痛室に放置でした。
世間はお盆休みの時期、助産師さんの人手もいつもより少ないみたいで、まだ陣痛が始まったばかりの私はそりゃ放置されますよね。
昼少し前に入院となりましたが、その日は結局お産に至らず。付き添ってくれていた旦那も、眠いしまだ家でやることあるから、いよいよ産まれる、となったら連絡くださいと看護師さんにお願いして一旦帰宅しました。
その間にも陣痛の感覚も痛みもだんだん強くなってきて、私は寝られるわけもなく、夜中一人で痛みと戦いながら過ごしました。
助産師さんも少ないので、たまに声掛けや様子見に来るものの、ついてくれるわけでもなく、薄暗い陣痛室で叫ぶ。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!
女性ならわかるでしょうか。月に一度訪れる、あの痛みのものすごく強いものが波を持って襲ってきます。
自分がいる陣痛室のすぐ隣が分娩室。その晩はお産が立て続けにあって、陣痛室で悶えている間に三人赤ちゃんが産まれてました。
中には「痛いもう無理、帝王切開してーーーーー!」と泣き叫ぶお母さんもおり、私の恐怖心を煽ります。
そんなこんなで陣痛に一人で立ち向かった明け方。私の下腹部に勝手に力が入ります。
体がハチを出そうと、いきみがつき始めたのです。
でもまだ分娩台はいっぱい、助産師さんは数少なく。
もうダメ産まれそうですーー! と私は半狂乱、助産師さんは「まだいきまないでーー!」と半ギレ。
いきむなと言われましてもね、初めての経験でどうやって本能に逆らえと?
半ば、いや、完全にパニック状態のまま、やっと分娩台に移動することになりました。
担当の先生からは、最初のお産は予定日から遅れることが多いからね、と言われていたので、不安は抱えていましたが、わりかしのんびりのほほんと過ごしてました。
ただ、やっぱり十五キロも増えた体、その大部分はお腹についた重量な訳ですから、何をするにも重たくて動くのが辛い、うつ伏せで寝られない、仰向けに寝ればハチがお腹から眠りを邪魔する……と、なかなかにしんどい状況でした。
お産は怖い、という不安と、早く出して少しでも軽くしたい、せめぎ合う気持ち。
そう、この時点で私は、出産=ゴールと思っていたのです。愚かにも。
予定日二日前。
不定期なお腹の痛み。すわ陣痛か? と身構えます。
助産師さんからは、「五~十分感覚に痛みがきたら連絡してください」と言われていたので、痛い時と痛くない時の時間を測ります。
なんとなく十分くらい……かな? という、なんとも微妙な感覚。
お腹の異変に気を張っていると、旦那が仕事から帰宅。夕食の準備をしている間に、いつのまにかお腹の痛みはすっかり治っていました。
前駆陣痛という、陣痛のリハーサルのようなものでした。
次の日は何事もなく、とうとう迎えた予定日。八並びだから今日のうちに産まれてきてほしいな、という親の勝手な願いも虚しく、その後数日も、何事もなく過ぎたのでした。
予定日を五日ほど過ぎた朝、前の晩から不定期に続く痛みは定期的になり、ようやく入院となりました。
よく、満月新月の晩は出産が多いと聞きますが、助産師さん曰く、月齢云々よりも、大潮だと多いかな、とのことでした。
その日は、あと少しで満月だけど、大潮でもなかったので、陣痛は来てるけど初産だしまだまだかかるわね、と、診察の後はいろんな器具をつけられて陣痛室に放置でした。
世間はお盆休みの時期、助産師さんの人手もいつもより少ないみたいで、まだ陣痛が始まったばかりの私はそりゃ放置されますよね。
昼少し前に入院となりましたが、その日は結局お産に至らず。付き添ってくれていた旦那も、眠いしまだ家でやることあるから、いよいよ産まれる、となったら連絡くださいと看護師さんにお願いして一旦帰宅しました。
その間にも陣痛の感覚も痛みもだんだん強くなってきて、私は寝られるわけもなく、夜中一人で痛みと戦いながら過ごしました。
助産師さんも少ないので、たまに声掛けや様子見に来るものの、ついてくれるわけでもなく、薄暗い陣痛室で叫ぶ。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!
女性ならわかるでしょうか。月に一度訪れる、あの痛みのものすごく強いものが波を持って襲ってきます。
自分がいる陣痛室のすぐ隣が分娩室。その晩はお産が立て続けにあって、陣痛室で悶えている間に三人赤ちゃんが産まれてました。
中には「痛いもう無理、帝王切開してーーーーー!」と泣き叫ぶお母さんもおり、私の恐怖心を煽ります。
そんなこんなで陣痛に一人で立ち向かった明け方。私の下腹部に勝手に力が入ります。
体がハチを出そうと、いきみがつき始めたのです。
でもまだ分娩台はいっぱい、助産師さんは数少なく。
もうダメ産まれそうですーー! と私は半狂乱、助産師さんは「まだいきまないでーー!」と半ギレ。
いきむなと言われましてもね、初めての経験でどうやって本能に逆らえと?
半ば、いや、完全にパニック状態のまま、やっと分娩台に移動することになりました。
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