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038☆復活!目的地はズュート③
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殿下は王太子殿下だけあってスペシャル優秀でした。うむ。
大まかだけどサクッと大雨を想定して治水の方針を決め、私たちに遅れて到着した川幅や土壌などを測定する風魔法と土魔法の技術者が残るらしい。
……もしかして魔法の使える技術者集団にかかれば堤防みたいたものを作るのも早いのかしら?
そして避難する山の木の間引く以外の伐採をやめさせ、議会にかけると時間がかかる為タイムラグ分は殿下の私財から補助金みたいなものを出す形にして植林を推奨した。今回のズュートをモデルケースとして議会を通した後は全国に普及させるとの事。どうやら育つのが早い樹木があるらしく——杉じゃないわよね?この世界で花粉症とか聞いたこと無いし——それを植えるんだとか。
********************
「はっ?ドナドナっ?!」
「アリーってば何言ってんの?」
天幕を片付ける傍らでドナドナされてきたのはナタリーとエマ。可哀想なくらい顔色悪いから。……ちょっと殿下ってばなにしてくさんの?!これはその昔の友人の口癖だったりするのだがそれは今は関係ない。
「世話係が必要だからな」
「えーとね、アリー。とりあえず二人をノクス男爵の養子にしてクロレンス邸で行儀見習いをさせてどこかの伯爵家の養子にして近い内にアリー付きの侍女にするって、ウィルがさ。アリーだって知ってる二人の方が良いでしょ」
オイっ、知ってるのは過去三回のアリシアさんだっつーの!今の私と接点はあの汚点とも言える拘束事件のみ……とほほ。
確かノクス男爵はルクソール公爵の手下というか小判鮫、じゃなくて子飼いよね……伯爵家は未定って事なのかしら?ってうそぉん、フラグをクラッシュしたつもりが二人が私の侍女になるってどうよっ?!てかヤバくない?!
…………って、近い内に?今現在進行形でお世話してくれる人が必要でしょ?!
殿下とギルバート様が学園に行かれるまであと数ヶ月——……
今は侍従しか居らず——ソフィア様から申し出て下さった侍女お借りする云々なおいしい話は殿下が勝手に断ったらしい……何でやねん——その為殿下手ずから身支度をして下さっているけれど、確かに上手だけど、いっそ神業だけど。
ナタリーとエマが育つのって数ヶ月なんて目じゃないくらい時間がかかると思うのよね、うん。上級侍女舐めたらあかん。その間私はクロレンス邸に帰ってオッケーって事かしら?
あら、やだ。
そういえば殿下と私って今回の視察に行く為の婚約だったわ。
だったら家族が土砂崩れで死ななくて、且つあのアクターレンに買われたわけじゃなくナタリーとエマが私の侍女になってくれるなんて僥倖じゃない。そう、フラグは全力で折りに行くから大丈夫!最終手段は国外逃亡だし!
そんな風にお気楽に考えていた時期が私にもありました。少し前の私、もう少し考えてよ……あの殿下がそんな普通の考えなわけないじゃん!だってあの殿下よ?
ちょ、待って!
ありえないからーっ!!!
ど う し て こ う な っ た ?
大まかだけどサクッと大雨を想定して治水の方針を決め、私たちに遅れて到着した川幅や土壌などを測定する風魔法と土魔法の技術者が残るらしい。
……もしかして魔法の使える技術者集団にかかれば堤防みたいたものを作るのも早いのかしら?
そして避難する山の木の間引く以外の伐採をやめさせ、議会にかけると時間がかかる為タイムラグ分は殿下の私財から補助金みたいなものを出す形にして植林を推奨した。今回のズュートをモデルケースとして議会を通した後は全国に普及させるとの事。どうやら育つのが早い樹木があるらしく——杉じゃないわよね?この世界で花粉症とか聞いたこと無いし——それを植えるんだとか。
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「はっ?ドナドナっ?!」
「アリーってば何言ってんの?」
天幕を片付ける傍らでドナドナされてきたのはナタリーとエマ。可哀想なくらい顔色悪いから。……ちょっと殿下ってばなにしてくさんの?!これはその昔の友人の口癖だったりするのだがそれは今は関係ない。
「世話係が必要だからな」
「えーとね、アリー。とりあえず二人をノクス男爵の養子にしてクロレンス邸で行儀見習いをさせてどこかの伯爵家の養子にして近い内にアリー付きの侍女にするって、ウィルがさ。アリーだって知ってる二人の方が良いでしょ」
オイっ、知ってるのは過去三回のアリシアさんだっつーの!今の私と接点はあの汚点とも言える拘束事件のみ……とほほ。
確かノクス男爵はルクソール公爵の手下というか小判鮫、じゃなくて子飼いよね……伯爵家は未定って事なのかしら?ってうそぉん、フラグをクラッシュしたつもりが二人が私の侍女になるってどうよっ?!てかヤバくない?!
…………って、近い内に?今現在進行形でお世話してくれる人が必要でしょ?!
殿下とギルバート様が学園に行かれるまであと数ヶ月——……
今は侍従しか居らず——ソフィア様から申し出て下さった侍女お借りする云々なおいしい話は殿下が勝手に断ったらしい……何でやねん——その為殿下手ずから身支度をして下さっているけれど、確かに上手だけど、いっそ神業だけど。
ナタリーとエマが育つのって数ヶ月なんて目じゃないくらい時間がかかると思うのよね、うん。上級侍女舐めたらあかん。その間私はクロレンス邸に帰ってオッケーって事かしら?
あら、やだ。
そういえば殿下と私って今回の視察に行く為の婚約だったわ。
だったら家族が土砂崩れで死ななくて、且つあのアクターレンに買われたわけじゃなくナタリーとエマが私の侍女になってくれるなんて僥倖じゃない。そう、フラグは全力で折りに行くから大丈夫!最終手段は国外逃亡だし!
そんな風にお気楽に考えていた時期が私にもありました。少し前の私、もう少し考えてよ……あの殿下がそんな普通の考えなわけないじゃん!だってあの殿下よ?
ちょ、待って!
ありえないからーっ!!!
ど う し て こ う な っ た ?
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