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040☆王立学園どきどき入学危機一髪②
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ピンポンパンポン。グランフォード王国よりお越しの紳士淑女の皆様~、本日は王立学園へお越しいただき誠にありがとうございます。諸事情によりアリシアやさぐれ度120パーセントにてお送りしておりますのでお気をつけ下さいませ。悪しからず!
「お家に帰りたい……」
前回までのあらすじ。
王太子殿下が学園へ入学するからこれお家に帰れるよね、やったぁ!なアリシアちゃん。
ところが奴がとち狂いやがった……
そうだ、京都へ行こう的なノリで、幼女を学園に手荷物よろしくお持ち込み。俵担ぎじゃなくお姫様抱っこだったけどねっ!
まぁ、学園の入学試験なんて(四回目で)お茶の子さいさいな天才幼女なアリシアちゃんだからそんなこともあるある。
「って、あるかっつーのっ!!!」
「アリーってさ、独り言多いよね」
「ふがっ!……ギルバート様、いらしたなら声をかけていただけます?」
「んー、なんか百面相していたから放置してみた」
ここは学園内の寮で王太子殿下のお部屋。寮の部屋は魔法的なもので許可されたものしか入る事が出来ない防犯対策万全だけど、許可されているギルバート様は不法侵入者にならない。
けどさ、けどさ、後ろからいきなり声かけられたら怖いって。気配なかったし。怖っ!
「ねぇ、ねぇ、アリー。今日ジョセフィーヌ様のお茶会に招かれたんでしょ?」
目を輝かせて私を覗き込むギルバート様。こんな時にいないとはへっぽこ王太子殿下めっ!私と政務どっちが大切なの!…………政務に決まってるけどねっ!!!
「…………ええ、そうですけど」
「面 白 い 話 カ モ ン !」
こんの腐れ外道二号めっ!(もちろん一号は王太子殿下)
カルナック侯爵令嬢のリナリー様がイースラウド辺境伯令嬢のジョセフィーヌ様のファンだからって、婚約者への土産話にアリシア危機一髪な話を嬉々として聞き出そうだなんて…………禿げろっ!あっ、これはおやじギャグじゃないからね。
イースラウド辺境伯にはご令嬢が四人もいるんだよ!なんと、末っ子は私とアル様と同い年。で、ヤングな草の物語とほぼ一緒とか名前つけるの絶対面倒臭かったんだろっ!って制作元に全力で突っ込みたいアリシアの中のヒトっ。
「禿げろっ!」
「いきなりそれ?」
いきなりじゃない。寧ろ熟慮した結果だから。
「あら、ギルバート様ったら、面白い話なんて一つもありませんでしてよ。おほほほほ」
「ここに王室御用達のクッキーに僕の入れた紅茶がありま~す。ね、アリー小腹空いてるよね?」
じゃーんと、ギルバート様が死角から取り出したるはティーセット!さっきからなんか良い匂いしているとは思っていたんだけれど、小腹空きすぎてついに幻匂までしてきたのかと……まぁ、とどのつまり気のせいかと思っていたワケ。
「チッ、安全な食べ物で釣るとは卑怯な」
「レディが舌打ちしちゃダメだよ、アリー」
だって食べ物は死活問題。殿下と一緒じゃないとまともにご飯が食べられない王立学園マジ魔の巣窟。大人しく安全圏たる殿下の部屋で、わたし待~つわ、いつまでも待~つわ。とはいえ夕食までのあと二時間半しか待たないけど。殿下が帰って来ないと飢え死にか毒死か二つに一つになるもの。だって殿下が公務でいない日に一回死んでますもの。ああ、殿下の帰りが待ち遠しいとか、ナニソレ。
「背に腹は代えられぬ……耳の穴かっぽじって良くお聞きなさい」
「今日はとことん斜め上から来るね。まぁ、リナリーに手紙書くネタになるからどんと来い」
「くっ、なにこのリア充滅びろ」
「……禿げろとか滅びろとか物騒。アリーのやさぐれ加減が日に日に蓄積されていくね」
なんか可哀想なものを見る目をするのなら、王太子殿下の学園アリシアお持ち込みを阻止して欲しかった今日この頃。
ああ、このクッキーうまうま。
では、色んな意味でアリシア危機一髪なお話の、始まり始まり…………
「お家に帰りたい……」
前回までのあらすじ。
王太子殿下が学園へ入学するからこれお家に帰れるよね、やったぁ!なアリシアちゃん。
ところが奴がとち狂いやがった……
そうだ、京都へ行こう的なノリで、幼女を学園に手荷物よろしくお持ち込み。俵担ぎじゃなくお姫様抱っこだったけどねっ!
まぁ、学園の入学試験なんて(四回目で)お茶の子さいさいな天才幼女なアリシアちゃんだからそんなこともあるある。
「って、あるかっつーのっ!!!」
「アリーってさ、独り言多いよね」
「ふがっ!……ギルバート様、いらしたなら声をかけていただけます?」
「んー、なんか百面相していたから放置してみた」
ここは学園内の寮で王太子殿下のお部屋。寮の部屋は魔法的なもので許可されたものしか入る事が出来ない防犯対策万全だけど、許可されているギルバート様は不法侵入者にならない。
けどさ、けどさ、後ろからいきなり声かけられたら怖いって。気配なかったし。怖っ!
「ねぇ、ねぇ、アリー。今日ジョセフィーヌ様のお茶会に招かれたんでしょ?」
目を輝かせて私を覗き込むギルバート様。こんな時にいないとはへっぽこ王太子殿下めっ!私と政務どっちが大切なの!…………政務に決まってるけどねっ!!!
「…………ええ、そうですけど」
「面 白 い 話 カ モ ン !」
こんの腐れ外道二号めっ!(もちろん一号は王太子殿下)
カルナック侯爵令嬢のリナリー様がイースラウド辺境伯令嬢のジョセフィーヌ様のファンだからって、婚約者への土産話にアリシア危機一髪な話を嬉々として聞き出そうだなんて…………禿げろっ!あっ、これはおやじギャグじゃないからね。
イースラウド辺境伯にはご令嬢が四人もいるんだよ!なんと、末っ子は私とアル様と同い年。で、ヤングな草の物語とほぼ一緒とか名前つけるの絶対面倒臭かったんだろっ!って制作元に全力で突っ込みたいアリシアの中のヒトっ。
「禿げろっ!」
「いきなりそれ?」
いきなりじゃない。寧ろ熟慮した結果だから。
「あら、ギルバート様ったら、面白い話なんて一つもありませんでしてよ。おほほほほ」
「ここに王室御用達のクッキーに僕の入れた紅茶がありま~す。ね、アリー小腹空いてるよね?」
じゃーんと、ギルバート様が死角から取り出したるはティーセット!さっきからなんか良い匂いしているとは思っていたんだけれど、小腹空きすぎてついに幻匂までしてきたのかと……まぁ、とどのつまり気のせいかと思っていたワケ。
「チッ、安全な食べ物で釣るとは卑怯な」
「レディが舌打ちしちゃダメだよ、アリー」
だって食べ物は死活問題。殿下と一緒じゃないとまともにご飯が食べられない王立学園マジ魔の巣窟。大人しく安全圏たる殿下の部屋で、わたし待~つわ、いつまでも待~つわ。とはいえ夕食までのあと二時間半しか待たないけど。殿下が帰って来ないと飢え死にか毒死か二つに一つになるもの。だって殿下が公務でいない日に一回死んでますもの。ああ、殿下の帰りが待ち遠しいとか、ナニソレ。
「背に腹は代えられぬ……耳の穴かっぽじって良くお聞きなさい」
「今日はとことん斜め上から来るね。まぁ、リナリーに手紙書くネタになるからどんと来い」
「くっ、なにこのリア充滅びろ」
「……禿げろとか滅びろとか物騒。アリーのやさぐれ加減が日に日に蓄積されていくね」
なんか可哀想なものを見る目をするのなら、王太子殿下の学園アリシアお持ち込みを阻止して欲しかった今日この頃。
ああ、このクッキーうまうま。
では、色んな意味でアリシア危機一髪なお話の、始まり始まり…………
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