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メイド長と優男シェフの慰安旅行
11話
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帰りの列車が発車して、さっき見た景色を違う角度で見えてくる。
ああ……なんていい景色なのでしょう。
こういう時にタバコとか吸えたらなぁなんて思ったりする。
「こ……ことねさん!無意識にタバコ持ってる!」
「は!?……これは失礼。」
いけない、つい本能的にタバコを求めてしまった。
これだからニコチン中毒者は……なんて自己嫌悪をしつつタバコを仕舞う。
「降りたら、たっぷり吸っていいんで……。」
「そうします、お気遣いありがとうございま。」
そんな時だった、何かがおでこに着く感じがした。
あきらさんに戦慄が走る……が、過ぎた心配だったのかもしれない。
私はおでこの何かを掴んでみて、初めて驚いた。
「こ……これは……オオスズメバチ。」
「いや!?ことねさん……なんで冷静に掴んでるんですか!」
私のおでこにいたのはオオスズメバチだった。
しかし、私は冷静だった。
「あきらさん……こいつは触覚が異様に長いと思いませんか?」
「た……確かにそうですけど、それが何か?」
「こいつはオスです。毒針はメスしか持ってません。つまり……雑魚です。」
その言葉に、再び尾崎さんの表情に戦慄が走る。
そして、私は冷静に考えた。
オオスズメバチは素手で掴んで冷静に対処する女って可愛くないのかもしれない。
ほら、あきらさん空いた口が塞がってない。
女らしさも出さないと私を女として見れなくなるのも早くなるかもしれない。
「きゃ……きゃーこわいー。」
「いや……ことねさん……全く説得力ないよ。めっちゃ真顔で掴んでたじゃないか。」
「……こういうの、蛙化現象って言うんでしたっけ?」
「いや!?根本的に違う気もするよ!?」
確かに言われてみると蛙化現象ってちゃんと調べたことないかも……。
私は、即座に調べてみると恋が急に冷めて配偶者や恋人が蛙のように感じてしまうことらしい。
「あれ?そういえばまだ私たち付き合ってないですね。」
「そ……そうだね……。なんというか、今日もことねさん絶好調で安心したよ。」
「じゃあ……あきらさん!私たち……付き合っ。」
そう言おうとすると、私の手は途中で遮られてしまった。
え、私ダメだったかな?蛙化現象の末期だったかもしれない。確かに昨晩はあきらさん後半、休ませて!休ませてって悲鳴を上げてたのを無視しちゃったから嫌われたかな??
「ことねさん……それを言うのは僕の役割です。ことねさん……僕と付き合ってください。」
周りの人達は、そんなやり取りに気が付かなかった。
トンネルの中の音がレールと擦れる音と景色が一気に暗くなるので、それを知る術がなかったのだ。
私は、遮られた手がゆっくりと降りて……口をパクパクとさせてしまう。
どうやら、蛙化現象にはまだ程遠かったみたいだ。
というか、やっぱりそういう所は筋を通そうとするあきらさんはどこまでもかっこよかった。
「……はい、もちろん。」
お互いに目を逸らしてしまう。
そうやつてトロッコ列車は元の駅へと到着をした。
駅をおりると、私たちは大きく伸びをしてリラックスをする。
最初はトロッコ列車はピンと来なかったけど、本当に素敵なところだった。
富山県の誇るべき観光地だったと心から思う。
私はお土産を探していた。
みんなには……白えびせんべいでも買ってあげよう。
そう思って、私はお土産屋を出てあきらさんと再びロードスターを走らせる。
「……いいところでしたね。」
「うん、ここは昔親父がまだ生きてた頃に言った場所だったから、これてよかったよ。」
「ちょっと、それ初耳なんですけど。」
「あれ、言ってなかったっけ?」
やっぱりあきらさんは天然である。
そういったところも好きなんだけどね。
私は、少しずつ海辺へと向かって行く。
あまりの心地良さに私はセブンスターを肺まで巡らした。
ああ……最高。そういえば、私さっきあきらさんに告白されて付き合ったんだな~、なんて自惚れていた。
「僕、ことねさんのタバコ吸う姿が1番好きかも。」
「臭くないですか?」
「臭いけど、タバコを吸うことねさんのかっこよさと幸せそうな可愛い顔が共存していて、好きなんだ。」
なんだろう、褒められてるのに妙に臭いとストレートに言われる方がショックがでかかった。
ちょっとデリカシーがないあきらさんの頬を抓り、少しだけ頬を膨らました。
「ちょ……運転中だよ。どうしたの!痛いんだけど……。」
「女の子に臭いって言ったバツです!私……これでも女なんですからね!」
「す……すびばぜん。離してください。」
私は、それでも離さなかった。
ちょうど目の前が赤信号になる。
私はそれでも離さなかった。
「じゃあ、ごめんなさいのキスしてくれたら許してあげます。」
何言ってんだろ私。
そして、あきらさんを見ると少しだけ困惑していた。
ごめんなさい……こんな時どんな顔すればいいか分からないの。
「急やな……わらひまひた!やりまふよ!」
「……はい。」
私たちは、一度唇を交わし、もう一度交わす。
あきらさんからは……ミンティアの味がして少しだけ口がスーッとする感じがする。
対する私は、多分タバコ臭さがあるのかも。
そんな事を思いつつ、何度もキスを繰り返す。
あ……やっぱり好きかも。
そんな事をすると、いつの間に後ろに車があり、クラクションを鳴らされる。
い……いけない。
つい興奮してしまった。
目の前が青信号になってることすら気がつかなかった。
「……許しました。」
「……僕もつい夢中になった。」
車は走らせると、いつの間にか海辺の蜃気楼ロードというところに到着する。
名前の通りこの道は太陽の光が揺らぎ乱反射することで蜃気楼になっていた。
まるで、それらは今の私たちの心を体現するかのようにほんのりと爽やかな潮の香りを出しながら、揺らいでる様でもあった。
ああ……なんていい景色なのでしょう。
こういう時にタバコとか吸えたらなぁなんて思ったりする。
「こ……ことねさん!無意識にタバコ持ってる!」
「は!?……これは失礼。」
いけない、つい本能的にタバコを求めてしまった。
これだからニコチン中毒者は……なんて自己嫌悪をしつつタバコを仕舞う。
「降りたら、たっぷり吸っていいんで……。」
「そうします、お気遣いありがとうございま。」
そんな時だった、何かがおでこに着く感じがした。
あきらさんに戦慄が走る……が、過ぎた心配だったのかもしれない。
私はおでこの何かを掴んでみて、初めて驚いた。
「こ……これは……オオスズメバチ。」
「いや!?ことねさん……なんで冷静に掴んでるんですか!」
私のおでこにいたのはオオスズメバチだった。
しかし、私は冷静だった。
「あきらさん……こいつは触覚が異様に長いと思いませんか?」
「た……確かにそうですけど、それが何か?」
「こいつはオスです。毒針はメスしか持ってません。つまり……雑魚です。」
その言葉に、再び尾崎さんの表情に戦慄が走る。
そして、私は冷静に考えた。
オオスズメバチは素手で掴んで冷静に対処する女って可愛くないのかもしれない。
ほら、あきらさん空いた口が塞がってない。
女らしさも出さないと私を女として見れなくなるのも早くなるかもしれない。
「きゃ……きゃーこわいー。」
「いや……ことねさん……全く説得力ないよ。めっちゃ真顔で掴んでたじゃないか。」
「……こういうの、蛙化現象って言うんでしたっけ?」
「いや!?根本的に違う気もするよ!?」
確かに言われてみると蛙化現象ってちゃんと調べたことないかも……。
私は、即座に調べてみると恋が急に冷めて配偶者や恋人が蛙のように感じてしまうことらしい。
「あれ?そういえばまだ私たち付き合ってないですね。」
「そ……そうだね……。なんというか、今日もことねさん絶好調で安心したよ。」
「じゃあ……あきらさん!私たち……付き合っ。」
そう言おうとすると、私の手は途中で遮られてしまった。
え、私ダメだったかな?蛙化現象の末期だったかもしれない。確かに昨晩はあきらさん後半、休ませて!休ませてって悲鳴を上げてたのを無視しちゃったから嫌われたかな??
「ことねさん……それを言うのは僕の役割です。ことねさん……僕と付き合ってください。」
周りの人達は、そんなやり取りに気が付かなかった。
トンネルの中の音がレールと擦れる音と景色が一気に暗くなるので、それを知る術がなかったのだ。
私は、遮られた手がゆっくりと降りて……口をパクパクとさせてしまう。
どうやら、蛙化現象にはまだ程遠かったみたいだ。
というか、やっぱりそういう所は筋を通そうとするあきらさんはどこまでもかっこよかった。
「……はい、もちろん。」
お互いに目を逸らしてしまう。
そうやつてトロッコ列車は元の駅へと到着をした。
駅をおりると、私たちは大きく伸びをしてリラックスをする。
最初はトロッコ列車はピンと来なかったけど、本当に素敵なところだった。
富山県の誇るべき観光地だったと心から思う。
私はお土産を探していた。
みんなには……白えびせんべいでも買ってあげよう。
そう思って、私はお土産屋を出てあきらさんと再びロードスターを走らせる。
「……いいところでしたね。」
「うん、ここは昔親父がまだ生きてた頃に言った場所だったから、これてよかったよ。」
「ちょっと、それ初耳なんですけど。」
「あれ、言ってなかったっけ?」
やっぱりあきらさんは天然である。
そういったところも好きなんだけどね。
私は、少しずつ海辺へと向かって行く。
あまりの心地良さに私はセブンスターを肺まで巡らした。
ああ……最高。そういえば、私さっきあきらさんに告白されて付き合ったんだな~、なんて自惚れていた。
「僕、ことねさんのタバコ吸う姿が1番好きかも。」
「臭くないですか?」
「臭いけど、タバコを吸うことねさんのかっこよさと幸せそうな可愛い顔が共存していて、好きなんだ。」
なんだろう、褒められてるのに妙に臭いとストレートに言われる方がショックがでかかった。
ちょっとデリカシーがないあきらさんの頬を抓り、少しだけ頬を膨らました。
「ちょ……運転中だよ。どうしたの!痛いんだけど……。」
「女の子に臭いって言ったバツです!私……これでも女なんですからね!」
「す……すびばぜん。離してください。」
私は、それでも離さなかった。
ちょうど目の前が赤信号になる。
私はそれでも離さなかった。
「じゃあ、ごめんなさいのキスしてくれたら許してあげます。」
何言ってんだろ私。
そして、あきらさんを見ると少しだけ困惑していた。
ごめんなさい……こんな時どんな顔すればいいか分からないの。
「急やな……わらひまひた!やりまふよ!」
「……はい。」
私たちは、一度唇を交わし、もう一度交わす。
あきらさんからは……ミンティアの味がして少しだけ口がスーッとする感じがする。
対する私は、多分タバコ臭さがあるのかも。
そんな事を思いつつ、何度もキスを繰り返す。
あ……やっぱり好きかも。
そんな事をすると、いつの間に後ろに車があり、クラクションを鳴らされる。
い……いけない。
つい興奮してしまった。
目の前が青信号になってることすら気がつかなかった。
「……許しました。」
「……僕もつい夢中になった。」
車は走らせると、いつの間にか海辺の蜃気楼ロードというところに到着する。
名前の通りこの道は太陽の光が揺らぎ乱反射することで蜃気楼になっていた。
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