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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件
9話
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レストランに行くと、エレガントな雰囲気のレストランに着く。
ドレスアップが必要なのではと少し焦るが、案外カジュアルな服装の人がおおく、直ぐに焦りは安堵へと変わる。
「すみません、予約していた飯田です。」
「飯田様。お待ちしておりました、席へとご案内します。」
スーツスタイルのサービスの人が席へと案内してくれる。
そして、俺たちは窓から夜景が見える席に案内され、先に笛吹さんを上座に座らせてから俺は後に座る。
想定より……しっかりしたところだった。
笛吹さんはこのレディーファーストの概念は知ってるのかヒヤヒヤした。
「本日はご来店頂きありがとうございます。当店はコース制となっております。そして、こちらは本日のアミューズである山菜とナスのプレッセでございます。」
すると、俺たちは四角い何かを渡された。
周りは紫キャベツで覆われていて、真ん中は透明で野菜が点在している。
大丈夫かな……笛吹さんいつも箸の持ち方とか汚いんだけど、テーブルマナーとか大丈夫だろうか?
そんなことを思いつつ、彼女を見ると彼女は左手にフォーク……右手にナイフを持ちプレッセを細かく切りながら上品に食べていた。
「うん!おいしい!」
「あれ、笛吹さんテーブルマナーはご存知なんですね。」
「おい、それはどういうこと?れんれん。」
「いやだって……いつも箸の持ち方やばいじゃないですか、ちょっと上品すぎて恥かかすのではとヒヤヒヤしてましたよ。」
すると、笛吹さんは深いため息をつく。
いやいや!普段がそれでテーブルマナー完璧は聞いてないよ。
「あのね、れんれん?私は……一応小説家なわけだよ。」
「そっすね。」
「しかも、映画化とかするから……実は結構偉い人と食事したりする打ち合わせが多いんだよ。というか……編集者に釘刺されながらやってるから。」
あ、割と切実な理由だった。
そりゃあそうか……確かに目の前にいる人は本来六畳間で新聞紙で寝てたりしないよな。
そして、料理はどんどん運ばれてくる。
炙りサーモンの前菜が運ばれてきた。
口に運ぶと少し塩味のあるジューシーなサーモンの旨みが口の中に広がり、それをリンゴとセロリのソースが締めてくれる。
サーモンのフレッシュさとサラダが引き立てあってシンプルながらも満足感のある前菜だった。
それに合わせて、あるものが来た。
「こちら……樽をきかせたシャルドネでございます。」
ちょっと何言ってるか分からないけど、グラスで白ワインがきた。
ちなみに俺は未成年なのでそれに近いような味わいのブドウのカクテルジュースである。
すると、普段は下品にがぶがぶ飲んでる笛吹さんがワイングラスを少し回し、香りを楽しんでから少し飲み、鼻から通る風味を楽しんで完全に我がものにしていた。
凄い……普段見せない笛吹さんのかっこいいところ……。
普段はリードしてるのにこういうところで経験の差を実感させられる。
「うむ……悪くないね。」
「わかるんですか?」
「もちろん!ワインはいいぞー、ブドウの品種でもかなり違うし、樽で熟成させたらウイスキーのように木の香りが着く。熟成期間が長いと味がまろやかになったりと……奥が深いんだよ。」
ドヤ顔でワインを回す笛吹さんが少し鼻につく。
いつもは手をプルプルさけて鬼ころしを飲んでは無様に吐く姿までセットになってるのに……そんな笛吹さんはどこにもいなかった。
次の料理が運ばれてくる。
川魚のローストである。
魚はイワナを使っている。まあでも……田舎といえば川魚のイメージが強いので土地に合わせた良い料理である。
俺は魚に着いているソースと合わせて口に入れてびっくりした。
ソースが美味い。
メニューをみるとブールブランという名前のソースのようである。
バターの香りと……あとはほんのり魚の出しのような味がする。
それが川魚特有の土臭さを打ち消して旨味を最大限に引き出している。
イワナも淡白でホクホクとした食感で淡白な味だけど……皮に付いた塩気がソースとあいまっていくらでも食べられそうだった。
「そういえば……ブールブランってなんなんでしょうね。」
「私もわかんないな……あ、すみません!」
「あ、ちょ……笛吹さん……別にググッても……。」
「なにいってるのれんれん!こういう知らないもの全てが取材……小説のネタなんだよ!調べるよりもきっとこの聞く経験の方がずっと質がいいんだよ!」
そう言って、笛吹さんはサービスにこのブールブランがなんなのか聞いていた。
ああ、こういう所はプロなのかも。
知らないことはすぐ調べる、俺が後でググるという選択を選ぶのに対して彼女はすぐに聞いて行動する。
こういった姿勢が、彼女を一流にしている要因なのかもしれない。
しばらくしたら彼女はふふん。とドヤ顔で近づいている。
殴りたい、この笑顔。
「れんれん……ブールブランとは……ワインと酢を煮詰め、バターで仕上げた伝統的なソースなのだよ。お店によっては魚のだしであるフュメドポワソンを入れるらしい!これでまたひとつ賢くなったな!」
おお……さすが笛吹さん、理解は早いな。
少し、食べるのに集中しすぎた。
俺たちは食べるペースを落としてゆっくり談笑していた。
普段は近すぎるから見えてないけど、笛吹さんの仕事スタイルとか……編集者さんとの戦いなど、旅行という非日常で彼女の全く知らない面ばかりみえてきた。
知れば知るほど彼女は深い。
知識の量、頭の回転、そして人生に関する哲学……どれをとっても1級品だった。
そんな彼女の本質こそが、このような厳かな雰囲気のレストランでも我がものとして飼い慣らせるのだろう。
俺はまだまだ……ただの高校生に過ぎなかった。
彼女の対等に立ててるかすらも自信がない。
「今日は誘ってくれてありがとう。なんか……私の知らない世界ばかり見えたから、すごいワクワクした。れんれんはバイクとか乗れるし……ルートも計画したり、こんな素敵な旅館やレストラン予約してくれたりとか……もう、れんれん様々だよ。」
突然彼女が普段とは違う深い感謝の気持ちを述べる。
「い……いやいや、なんか笛吹さん博識だし、経験の差が凄いから正直ちょっと自信なくしますよ。」
「へ?」
しまった、つい間抜けなことをいってしまった。
すると、彼女は少しいつも通り下品にゲラゲラ笑ってくれた。
「あはは!考え過ぎだよれんれんは、私にとってはありのままのれんれんが100点だから……無理に背伸びする必要ないんだよ!」
「そうですかね……。」
「むしろ……こんな私と一緒にいていいの?とかたまに思う。だって……れんれんは気づかい出来るし、しっかりしてるから素敵な女の子との青春だって歩めるはずなのに、こんなアラサーと一緒にいて。」
そう言って笛吹さんは俯いてワイングラスを回す。
きっと彼女も本心では負い目を感じてるのかもしれない。俺は少しカッと衝動的になる。
「そんな!確かに最初な大変だと思ったけど……俺には笛吹さんとの時間が1番好きなんですよ!だから……。」
すると、笛吹さんは人差し指を立ててしーっとする。
いけない、他の人がいるのをつい忘れてしまった。
「れんれん……今は、この時間をとにかく楽しも?」
「……はい!そうしますか。」
厳かで居心地の悪いレストランは最初は俺を拒絶してるようにも見えたけど、笛吹さんと一緒にいるとそれさえも飼い慣らせるようである。
気がつけば、ここは居心地のよい憩いの場に変わっており、周りから見える肉や魚、ワインなどの匂いがいりまじり……普段と違う非日常をより際立たせていた。
そして……俺たちは静かに次の料理を心待ちにして互いの飲み物を飲みながら今はこの瞬間に集中することにする。
ドレスアップが必要なのではと少し焦るが、案外カジュアルな服装の人がおおく、直ぐに焦りは安堵へと変わる。
「すみません、予約していた飯田です。」
「飯田様。お待ちしておりました、席へとご案内します。」
スーツスタイルのサービスの人が席へと案内してくれる。
そして、俺たちは窓から夜景が見える席に案内され、先に笛吹さんを上座に座らせてから俺は後に座る。
想定より……しっかりしたところだった。
笛吹さんはこのレディーファーストの概念は知ってるのかヒヤヒヤした。
「本日はご来店頂きありがとうございます。当店はコース制となっております。そして、こちらは本日のアミューズである山菜とナスのプレッセでございます。」
すると、俺たちは四角い何かを渡された。
周りは紫キャベツで覆われていて、真ん中は透明で野菜が点在している。
大丈夫かな……笛吹さんいつも箸の持ち方とか汚いんだけど、テーブルマナーとか大丈夫だろうか?
そんなことを思いつつ、彼女を見ると彼女は左手にフォーク……右手にナイフを持ちプレッセを細かく切りながら上品に食べていた。
「うん!おいしい!」
「あれ、笛吹さんテーブルマナーはご存知なんですね。」
「おい、それはどういうこと?れんれん。」
「いやだって……いつも箸の持ち方やばいじゃないですか、ちょっと上品すぎて恥かかすのではとヒヤヒヤしてましたよ。」
すると、笛吹さんは深いため息をつく。
いやいや!普段がそれでテーブルマナー完璧は聞いてないよ。
「あのね、れんれん?私は……一応小説家なわけだよ。」
「そっすね。」
「しかも、映画化とかするから……実は結構偉い人と食事したりする打ち合わせが多いんだよ。というか……編集者に釘刺されながらやってるから。」
あ、割と切実な理由だった。
そりゃあそうか……確かに目の前にいる人は本来六畳間で新聞紙で寝てたりしないよな。
そして、料理はどんどん運ばれてくる。
炙りサーモンの前菜が運ばれてきた。
口に運ぶと少し塩味のあるジューシーなサーモンの旨みが口の中に広がり、それをリンゴとセロリのソースが締めてくれる。
サーモンのフレッシュさとサラダが引き立てあってシンプルながらも満足感のある前菜だった。
それに合わせて、あるものが来た。
「こちら……樽をきかせたシャルドネでございます。」
ちょっと何言ってるか分からないけど、グラスで白ワインがきた。
ちなみに俺は未成年なのでそれに近いような味わいのブドウのカクテルジュースである。
すると、普段は下品にがぶがぶ飲んでる笛吹さんがワイングラスを少し回し、香りを楽しんでから少し飲み、鼻から通る風味を楽しんで完全に我がものにしていた。
凄い……普段見せない笛吹さんのかっこいいところ……。
普段はリードしてるのにこういうところで経験の差を実感させられる。
「うむ……悪くないね。」
「わかるんですか?」
「もちろん!ワインはいいぞー、ブドウの品種でもかなり違うし、樽で熟成させたらウイスキーのように木の香りが着く。熟成期間が長いと味がまろやかになったりと……奥が深いんだよ。」
ドヤ顔でワインを回す笛吹さんが少し鼻につく。
いつもは手をプルプルさけて鬼ころしを飲んでは無様に吐く姿までセットになってるのに……そんな笛吹さんはどこにもいなかった。
次の料理が運ばれてくる。
川魚のローストである。
魚はイワナを使っている。まあでも……田舎といえば川魚のイメージが強いので土地に合わせた良い料理である。
俺は魚に着いているソースと合わせて口に入れてびっくりした。
ソースが美味い。
メニューをみるとブールブランという名前のソースのようである。
バターの香りと……あとはほんのり魚の出しのような味がする。
それが川魚特有の土臭さを打ち消して旨味を最大限に引き出している。
イワナも淡白でホクホクとした食感で淡白な味だけど……皮に付いた塩気がソースとあいまっていくらでも食べられそうだった。
「そういえば……ブールブランってなんなんでしょうね。」
「私もわかんないな……あ、すみません!」
「あ、ちょ……笛吹さん……別にググッても……。」
「なにいってるのれんれん!こういう知らないもの全てが取材……小説のネタなんだよ!調べるよりもきっとこの聞く経験の方がずっと質がいいんだよ!」
そう言って、笛吹さんはサービスにこのブールブランがなんなのか聞いていた。
ああ、こういう所はプロなのかも。
知らないことはすぐ調べる、俺が後でググるという選択を選ぶのに対して彼女はすぐに聞いて行動する。
こういった姿勢が、彼女を一流にしている要因なのかもしれない。
しばらくしたら彼女はふふん。とドヤ顔で近づいている。
殴りたい、この笑顔。
「れんれん……ブールブランとは……ワインと酢を煮詰め、バターで仕上げた伝統的なソースなのだよ。お店によっては魚のだしであるフュメドポワソンを入れるらしい!これでまたひとつ賢くなったな!」
おお……さすが笛吹さん、理解は早いな。
少し、食べるのに集中しすぎた。
俺たちは食べるペースを落としてゆっくり談笑していた。
普段は近すぎるから見えてないけど、笛吹さんの仕事スタイルとか……編集者さんとの戦いなど、旅行という非日常で彼女の全く知らない面ばかりみえてきた。
知れば知るほど彼女は深い。
知識の量、頭の回転、そして人生に関する哲学……どれをとっても1級品だった。
そんな彼女の本質こそが、このような厳かな雰囲気のレストランでも我がものとして飼い慣らせるのだろう。
俺はまだまだ……ただの高校生に過ぎなかった。
彼女の対等に立ててるかすらも自信がない。
「今日は誘ってくれてありがとう。なんか……私の知らない世界ばかり見えたから、すごいワクワクした。れんれんはバイクとか乗れるし……ルートも計画したり、こんな素敵な旅館やレストラン予約してくれたりとか……もう、れんれん様々だよ。」
突然彼女が普段とは違う深い感謝の気持ちを述べる。
「い……いやいや、なんか笛吹さん博識だし、経験の差が凄いから正直ちょっと自信なくしますよ。」
「へ?」
しまった、つい間抜けなことをいってしまった。
すると、彼女は少しいつも通り下品にゲラゲラ笑ってくれた。
「あはは!考え過ぎだよれんれんは、私にとってはありのままのれんれんが100点だから……無理に背伸びする必要ないんだよ!」
「そうですかね……。」
「むしろ……こんな私と一緒にいていいの?とかたまに思う。だって……れんれんは気づかい出来るし、しっかりしてるから素敵な女の子との青春だって歩めるはずなのに、こんなアラサーと一緒にいて。」
そう言って笛吹さんは俯いてワイングラスを回す。
きっと彼女も本心では負い目を感じてるのかもしれない。俺は少しカッと衝動的になる。
「そんな!確かに最初な大変だと思ったけど……俺には笛吹さんとの時間が1番好きなんですよ!だから……。」
すると、笛吹さんは人差し指を立ててしーっとする。
いけない、他の人がいるのをつい忘れてしまった。
「れんれん……今は、この時間をとにかく楽しも?」
「……はい!そうしますか。」
厳かで居心地の悪いレストランは最初は俺を拒絶してるようにも見えたけど、笛吹さんと一緒にいるとそれさえも飼い慣らせるようである。
気がつけば、ここは居心地のよい憩いの場に変わっており、周りから見える肉や魚、ワインなどの匂いがいりまじり……普段と違う非日常をより際立たせていた。
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