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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件
11話
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私は笛吹さやか。
普段とは全く違う旅館の一室にて小説を書いている。
タブレットを持ち、ただ思うがままに書いている。
目の前で起こったことの感動。
今日会った千鶴ちゃんの生き方や感動……美濃焼への思いをプロファイルして……彼女の世界観を私の中で作り出す。
幼少の頃の親への反骨心、そして孤独など……私の全く知りえない世界だけど、本質は同じだと思う。
彼女は没頭するのが好きだった。
私の世界に彼女とこの下呂温泉街が誕生する。
タイトルはそうだな……
「ろくろとラブレットピアス」
彼女らしいタイトルである。
小説を書くのは最初が肝心だ。
まるで俳句の季語のように、最初の言葉で物語そのものが変わってしまうからだ。
でも、そこもすんなり書けた。
彼女が美濃焼を焼き続け、時代とともに代わり続ける美濃焼のように変化を続ける彼女……それに対して周りが変わっていく様子や、焼き物が、良くなっていく感覚……
どうにも他人事に思えないような内容で、私の中の千鶴ちゃんは息をして、鼓動を刻んで生きている。
文字数はどんどん溜まっていく。
既に1000文字はかけていて……その後のプロットはまるで生成AIのように書きながら思い浮かぶ。
ネタは小出しにするものだ。
彼女は素敵な巻物だ。
最初から要約のようにいい所を網羅するのではなく、シチュエーションごとに彼女の過去や良いところを書いていく。
そうすることで文字数は4000文字まで行っていた。
普段なら、ここで私は小休止を取るか筆を執るのを辞めてしまうのだが、どうにも収まりがつかない。
れんれんとの触れ合いとか、今日の経験に私は良い意味で興奮を覚えており、それが活力になり、私の背中を押す。
でも、やっぱり分からないところはある。
例えば、千鶴ちゃんは逮捕された時はどんな気分なのだろう。親に見放された時は?
ろくろを回し、失敗をして何度も投げ出した時は?
恋人はいたのかな?なんておもったり……。
私には理解できない感情だからだ。
そういう時は……少しだけ筆が止まる。
普段なら……ここで安酒を飲んでいるのだが、私は飛騨の地酒を1杯、千鶴ちゃんの徳利とぐい呑みに入れて、目が覚めるほどのサファイヤのような煌びやかな青色を見て思う。
これは、間違いなく彼女の心の鏡のようなものなのだろう。
形は、敢えて綺麗な平面ではなく歪みを見せて流れを作っている。
そして、その代わり青のきれいさにこだわっており、縁には地面を表現するような繊細な筆で茶色で線が書いてある。
これが間違いなく、彼女の心そのものなのだ。
地酒を飲み……ふと思考をする。
美味い、少し冷たいこの焼き物が酒を一定の温度を保ってくれて……飲む時に青さが爽やかさを演出している。
青は高貴の色、彼女は確かに非行はするものの……高い誇りと精神はもっていた。
一言で言うと、真っ直ぐだったのである。
この全ての行動は……愚直なまでに真っ直ぐだったからである。
小説を書くと……全てのことが文学で対話をして哲学を深められる。
それが、私が書くのが好きな理由なのかもしれない。
そんなこんなで書いているのと……2時間ほど書いていたみたいだった。
文字数はと言うと、ざっと4万文字ほど。
少し区切りは悪いけど、少し温泉でも入ろうかなと思った。
れんれんはどうやら外気浴をして夜を涼んでいて、友達との電話に盛り上がっていた。
「でさ~、たまに見せる笛吹さんの博学なとこがかっこよくてさ~。」
友達に見せるれんれんの姿は……私と会う時とは違って年相応の高校生である。
そんな時……私は彼と歳が10近くも離れてる事が強く実感をする。
人望が厚い彼だ、友達も沢山いるんだろう。
背が高いし、その……筋肉質だし、きっとモテるのかもしれない。
そんな素敵なところが、年齢差を感じさせないのだ。
彼の鍛え上げられ、割れている腹筋を見て少しドキッとする。
どうしよ……私若干酒の飲みすぎでお腹ムニムニするぞ……。
でも、ちょっとやってみたいことがあったのだ。
「れんれん……ちょっといい?」
「あ、すまん……直輝!また話そうぜ、じゃあなー!」
彼は通話を切り、トゥルンという通話が終わった音がして、彼はにこやかにこっちを見ていた。
これは……ちょっとした実験だ、私のトラウマを直し、れんれんの悲願を叶えるために勇気を振り絞る。
「どうしたんすか?散歩でも行きます?」
「……りたい。」
しまった、声が小さかった。
私は……少し息を吸ってハッキリと私がやりたいことを伝える。
「……え?」
「れんれんとお風呂が入りたい!」
彼は……少しだけフリーズしていたけど、みなまで言わずとも全てを理解したのか、静かに頷いた。
「わかりましたよ、待ってますね。」
そういうと、彼は温泉に入る。
私は来ていた服を脱ぐ。
小説に熱が入ったのか、少しだけ身体が汗をかき蒸れているのを感じた。
そして、タオルで身体を隠して湯船に浸かり、彼に背を向けまるで彼に腰掛けるように湯船に入った。
少しだけ緊張する。
れんれんを意識してるのと、トラウマで呼吸が荒くなるのを恐れたからだ。
しかし、すぎた心配だった。
「……辛くない。」
「お!まじっすか!」
「れんれん!私お風呂……入れる!」
「やりましたね!まずは第1歩っすよ!」
心から湧き上がる感情があった。
恐怖を乗り越えるというのは、とても嬉しく……自分に強く自信を持てる。
そして、彼の身体を背中で感じつつも、湯気で星空満点の夜空がカモフラージュされ、一種のモザイクアートが空に浮かぶ。
これかこれで幻想的な風景でもあった。
「どうっすか?小説は……。」
「結構書けたよ~。千鶴ちゃんがモデルの主人公だから……書いてて楽しいよ。」
「そりゃあ良かった。」
「……ねえ、れんれん。」
「はい。」
「私、生きてるってすごい楽しい。頑張って酔って苦しんでなくても……生きてていいんだって今日はすごく後押しされた気がする。」
すると、れんれんはそれを聞いてうわははと笑う。
「そりゃよかった、俺もめっちゃ楽しいっすよ。友達も面白いけど……笛吹さんといると退屈しないっすもん。」
「ホントかよ~。」
そう言って、彼の筋肉質な身体をつんつんと触る。
「ちょ、やめてくださいよ!」
「なんでこんなにムキムキなんだよ!わたし……ちょっと酒で腹のぜい肉すげーのに!」
彼の膨張した筋肉は強い弾力で反応し、逆にちょっと恥ずかしくなる。
ダイエットもしなきゃな~。
いや、体重は軽すぎると言われるけど、それでも私のだらしない体型が際立ってしまう気がしてならなかった。
「……そっすか?笛吹さん背中とかすげー細くて枝みたいっすよ。ほら……抱きしめると折れちゃいそうっす。」
そう言って、彼が私を抱きしめる。
少し強引で、妙に受け入れてしまう私がいた。
「ちょ……恥ずいって。」
「……普段人の布団で致してる人に言われたくないっすよ。」
「あ、それは……。」
温泉で逆上せたのか、それとも赤面して顔が熱くなったのか……それは分からない。
私は、その衝動が止められなくなりそうだった。
私は、立ち上がり湯船を出る。
「もういい!小説書いてくる!」
私は彼に顕になった背中を見せ、シャワーに向かう。
でも……このままだとせっかくの勇気をドブに捨てたことになるので1度立ち止まった。
「……ありがとう、また一緒にお風呂入って。」
「ええ、もちろん。」
私は、また浴衣を着てタブレットに筆を走らせる。
頭に登った血が……さらに文字を浮かばせることになった。
少し恥をかいたけど、私の弱点の克服が見えた気がする。
それが私の背中を押し、さらに私を没頭させてくれた。
私の夜は……長く長く続く。
湯けむりの中、畳に囲まれて少し暗くした部屋で……一心不乱に書いていくのであった。
普段とは全く違う旅館の一室にて小説を書いている。
タブレットを持ち、ただ思うがままに書いている。
目の前で起こったことの感動。
今日会った千鶴ちゃんの生き方や感動……美濃焼への思いをプロファイルして……彼女の世界観を私の中で作り出す。
幼少の頃の親への反骨心、そして孤独など……私の全く知りえない世界だけど、本質は同じだと思う。
彼女は没頭するのが好きだった。
私の世界に彼女とこの下呂温泉街が誕生する。
タイトルはそうだな……
「ろくろとラブレットピアス」
彼女らしいタイトルである。
小説を書くのは最初が肝心だ。
まるで俳句の季語のように、最初の言葉で物語そのものが変わってしまうからだ。
でも、そこもすんなり書けた。
彼女が美濃焼を焼き続け、時代とともに代わり続ける美濃焼のように変化を続ける彼女……それに対して周りが変わっていく様子や、焼き物が、良くなっていく感覚……
どうにも他人事に思えないような内容で、私の中の千鶴ちゃんは息をして、鼓動を刻んで生きている。
文字数はどんどん溜まっていく。
既に1000文字はかけていて……その後のプロットはまるで生成AIのように書きながら思い浮かぶ。
ネタは小出しにするものだ。
彼女は素敵な巻物だ。
最初から要約のようにいい所を網羅するのではなく、シチュエーションごとに彼女の過去や良いところを書いていく。
そうすることで文字数は4000文字まで行っていた。
普段なら、ここで私は小休止を取るか筆を執るのを辞めてしまうのだが、どうにも収まりがつかない。
れんれんとの触れ合いとか、今日の経験に私は良い意味で興奮を覚えており、それが活力になり、私の背中を押す。
でも、やっぱり分からないところはある。
例えば、千鶴ちゃんは逮捕された時はどんな気分なのだろう。親に見放された時は?
ろくろを回し、失敗をして何度も投げ出した時は?
恋人はいたのかな?なんておもったり……。
私には理解できない感情だからだ。
そういう時は……少しだけ筆が止まる。
普段なら……ここで安酒を飲んでいるのだが、私は飛騨の地酒を1杯、千鶴ちゃんの徳利とぐい呑みに入れて、目が覚めるほどのサファイヤのような煌びやかな青色を見て思う。
これは、間違いなく彼女の心の鏡のようなものなのだろう。
形は、敢えて綺麗な平面ではなく歪みを見せて流れを作っている。
そして、その代わり青のきれいさにこだわっており、縁には地面を表現するような繊細な筆で茶色で線が書いてある。
これが間違いなく、彼女の心そのものなのだ。
地酒を飲み……ふと思考をする。
美味い、少し冷たいこの焼き物が酒を一定の温度を保ってくれて……飲む時に青さが爽やかさを演出している。
青は高貴の色、彼女は確かに非行はするものの……高い誇りと精神はもっていた。
一言で言うと、真っ直ぐだったのである。
この全ての行動は……愚直なまでに真っ直ぐだったからである。
小説を書くと……全てのことが文学で対話をして哲学を深められる。
それが、私が書くのが好きな理由なのかもしれない。
そんなこんなで書いているのと……2時間ほど書いていたみたいだった。
文字数はと言うと、ざっと4万文字ほど。
少し区切りは悪いけど、少し温泉でも入ろうかなと思った。
れんれんはどうやら外気浴をして夜を涼んでいて、友達との電話に盛り上がっていた。
「でさ~、たまに見せる笛吹さんの博学なとこがかっこよくてさ~。」
友達に見せるれんれんの姿は……私と会う時とは違って年相応の高校生である。
そんな時……私は彼と歳が10近くも離れてる事が強く実感をする。
人望が厚い彼だ、友達も沢山いるんだろう。
背が高いし、その……筋肉質だし、きっとモテるのかもしれない。
そんな素敵なところが、年齢差を感じさせないのだ。
彼の鍛え上げられ、割れている腹筋を見て少しドキッとする。
どうしよ……私若干酒の飲みすぎでお腹ムニムニするぞ……。
でも、ちょっとやってみたいことがあったのだ。
「れんれん……ちょっといい?」
「あ、すまん……直輝!また話そうぜ、じゃあなー!」
彼は通話を切り、トゥルンという通話が終わった音がして、彼はにこやかにこっちを見ていた。
これは……ちょっとした実験だ、私のトラウマを直し、れんれんの悲願を叶えるために勇気を振り絞る。
「どうしたんすか?散歩でも行きます?」
「……りたい。」
しまった、声が小さかった。
私は……少し息を吸ってハッキリと私がやりたいことを伝える。
「……え?」
「れんれんとお風呂が入りたい!」
彼は……少しだけフリーズしていたけど、みなまで言わずとも全てを理解したのか、静かに頷いた。
「わかりましたよ、待ってますね。」
そういうと、彼は温泉に入る。
私は来ていた服を脱ぐ。
小説に熱が入ったのか、少しだけ身体が汗をかき蒸れているのを感じた。
そして、タオルで身体を隠して湯船に浸かり、彼に背を向けまるで彼に腰掛けるように湯船に入った。
少しだけ緊張する。
れんれんを意識してるのと、トラウマで呼吸が荒くなるのを恐れたからだ。
しかし、すぎた心配だった。
「……辛くない。」
「お!まじっすか!」
「れんれん!私お風呂……入れる!」
「やりましたね!まずは第1歩っすよ!」
心から湧き上がる感情があった。
恐怖を乗り越えるというのは、とても嬉しく……自分に強く自信を持てる。
そして、彼の身体を背中で感じつつも、湯気で星空満点の夜空がカモフラージュされ、一種のモザイクアートが空に浮かぶ。
これかこれで幻想的な風景でもあった。
「どうっすか?小説は……。」
「結構書けたよ~。千鶴ちゃんがモデルの主人公だから……書いてて楽しいよ。」
「そりゃあ良かった。」
「……ねえ、れんれん。」
「はい。」
「私、生きてるってすごい楽しい。頑張って酔って苦しんでなくても……生きてていいんだって今日はすごく後押しされた気がする。」
すると、れんれんはそれを聞いてうわははと笑う。
「そりゃよかった、俺もめっちゃ楽しいっすよ。友達も面白いけど……笛吹さんといると退屈しないっすもん。」
「ホントかよ~。」
そう言って、彼の筋肉質な身体をつんつんと触る。
「ちょ、やめてくださいよ!」
「なんでこんなにムキムキなんだよ!わたし……ちょっと酒で腹のぜい肉すげーのに!」
彼の膨張した筋肉は強い弾力で反応し、逆にちょっと恥ずかしくなる。
ダイエットもしなきゃな~。
いや、体重は軽すぎると言われるけど、それでも私のだらしない体型が際立ってしまう気がしてならなかった。
「……そっすか?笛吹さん背中とかすげー細くて枝みたいっすよ。ほら……抱きしめると折れちゃいそうっす。」
そう言って、彼が私を抱きしめる。
少し強引で、妙に受け入れてしまう私がいた。
「ちょ……恥ずいって。」
「……普段人の布団で致してる人に言われたくないっすよ。」
「あ、それは……。」
温泉で逆上せたのか、それとも赤面して顔が熱くなったのか……それは分からない。
私は、その衝動が止められなくなりそうだった。
私は、立ち上がり湯船を出る。
「もういい!小説書いてくる!」
私は彼に顕になった背中を見せ、シャワーに向かう。
でも……このままだとせっかくの勇気をドブに捨てたことになるので1度立ち止まった。
「……ありがとう、また一緒にお風呂入って。」
「ええ、もちろん。」
私は、また浴衣を着てタブレットに筆を走らせる。
頭に登った血が……さらに文字を浮かばせることになった。
少し恥をかいたけど、私の弱点の克服が見えた気がする。
それが私の背中を押し、さらに私を没頭させてくれた。
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