僕のお母さんは△▽女優

kyonkyon

文字の大きさ
363 / 369
春と挫折と宮古島

1話

しおりを挟む
「直輝ー?起きてる?もう朝よ!」

もう何度聞きなれた声だろう。
朝に聞く母の声で無意識に体は起きなきゃという意識に不思議となってしまうので人の体は一部帰省本能のようなものがあるように感じる。

「起きてるよ、母ちゃん。」

暦の上では4月……俺は高校三年生になった。
卒業式も終えて、春休みに入ったのだがその期間はなんと2週間。
この時間はひたすら勉強に費やしていたので俺は怠ける事もなく規則正しい生活を送っていた。

思えば、去年の今頃は夢も希望もなく学校遅刻ギリギリに母ちゃんと親友の飯田がきてやっと学校に来れていたのだけど人は成長するものなのかもしれない。

「あの寝坊助だった直輝が……大きくなったものね。」
「寝坊助って今日日聞かないな。」
「でたー!現代人マウント!いいよーだ、私は平成1桁ババアだもん!」

母ちゃんはそうやってムスッとしてるけど、年齢は17歳の息子がいるのに33歳と言う若さだ。
改めてみると、本当に若々しい。そして天真爛漫に振る舞う様子がさらにその見た目の若々しさを後押ししていた。

「ごめんて……。」
「あ、ご飯できてるよ!」
「りょーかい、今から行くわ。」

そう言って、俺はいつものトーストとサラダとソーセージを母ちゃんと一緒に食べる。
最近はこんな感じの朝が主流だ。
規則正しく、母ちゃんの美味しい料理を食べれて今日もエネルギッシュな1日を過ごせるだろう。

「直輝、そういえば最近クマ減ったんじゃない?」
「え?そうか?」

俺は鏡で自分の顔を見ると確かに明らかにクマが減っている。
そういえば去年は朝の3時までゲームをしていたけど、最近それを一切やらなくなったんだよな。
モ〇ハンが飽きた訳じゃないんだけどね。

「なんか、頼もしくなった!」
「うるせえよ、もうそろそろ出るからな。」
「もう!つれないな~。まだマザコンでもいいのよ?」
「人生でマザコンになった日は1日もねえよ!?」

突然の母ちゃんの褒め言葉に俺はとても恥ずかしくなる。どうしても褒められてないからそう言うの慣れてないんだよな。

俺が変わったのは、色々きっかけはある。
例えばこの母が去年の今頃過去にAV女優をしていたのをきっかけに人生初の反抗期が発動した。
それから色んな人に恵まれて成長したのもあるけど、1番のきっかけは神隠しにあって、過去にタイムスリップして医学部を目指した父にあったことや母ちゃん自身が子宮がんを患った事だ。(既に摘出手術はしたんだけど)

俺はその経験から人を助ける仕事がしたいと思って12月くらいから本格的に医学部に向けて勉強をしていた。

そんな事があればどんな人でも1%くらいは変わるだろう。

そして、いつも通りインターホンがなった。
これもいつものルーティンだった。

「おっすー!直輝いるか?」
「おはよう、飯田。もう出れるぞ。」

こいつは飯田蓮。
俺の中学からの親友だ。
そこそこ高い慎重に引き締まった筋肉と、そして湧き上がる自信が垣間見える好青年である。

「飯田くん!おはよう~!」
「遥香さん!今日も美しいっすね~。今度俺とディナーでもどうです?」
「もういやだわ~!ほんっといつもお上手ね!」
「……おい、お前は性懲りも無く母ちゃんを口説くんじゃねえ。」
「なんだよ、俺がパパじゃ不満か?息子よ。」
「引っぱたいていい!?右頬と左頬丁寧に引っぱたいてやろうか!?」

そして、こいつはそんな見た目とは裏腹にとんでもないスケベだった。
実際、母ちゃんがAV女優だった事実を見つけたのは紛うことなきこいつのせいだった。

「安心しろ、直輝冗談だ。」
「冗談に聞こえねえよ……。」
「ほら、2人ともそろそろ学校始まるよ!」
「げっ、もうそんな時間か。」
「んじゃあ、行ってきますね~!」






そう言って、俺たちは我が家を出ていつもの通学路を出る。
春の道はとても穏やかで心地良く、寒さが落ち着いたのか妙に全身の緊張感がほぐれて若干の眠気が襲ってくるようだった。

「なんか、去年もこんな朝だった気がするな!」
「お前パワーアップしてる気がするよ。」
「直輝ほどじゃねえよ、お前さんは変わりすぎだ。」
「まあ、お前が母ちゃんのAV発覚をしたからな。」
「……あの頃はゴメンな。似てると思ってたけどまさか遥香さんとは思わねえじゃん。」
「いいよ、あれがなかったら今が無いわけだからな。」

そう言って、俺たちは静かに笑い合う。
すると、学校が近づいて行くと桜並木が静かに桜吹雪を舞い散らせていて、ほのかに桜独特の甘くも少し引き締まるような香りが全身を覆うようだった。

3年目の学校の春。
それは、新たな始まりの幕開けでもあった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...