僕のお母さんは△▽女優

kyonkyon

文字の大きさ
74 / 369
第6章 あの子のお母さんもAV女優!?

7話

しおりを挟む
※この作品は「小説家になろう」「note」にも掲載中です

俺と飯田は繁華街の真ん中で久しぶりに再開したので、ひとまず近くのファミレスに座って話をすることにした。

「ぐがー……ぐがー。」

ちなみに酔っ払いのお姉さんは机に突っ伏して寝ている。自由奔放すぎる……しかし、この人が飯田になんの関係があるのだろうか?

まあいいや、ひとまずこの人は置いといて、瑞希と飯田が知り合いだという点が重要である。

「そ……その……まさか直輝と仲良かったなんて意外だったな……あはは。」
「うん!中学1年生から疎遠になってたから……3年ぶりくらいだね。」
「その……人間関係とか、大丈夫なんか?」
「んー、あれからも微妙なところ。」
「そうか……。」

2人だけで話が進むのを傍観しつつ、何となく察する。
この2人は最初は接点があったんだけど何かあって疎遠になったのだ。
何があったかはまだ分からないが……おそらくいじめによるものだろう。
でも飯田はきっと人をいじめるやつじゃない。
それだけは分かる。

「なんというか、中学の頃はもう少し手を差し伸べてやるべきだったな。俺もアイツらに虐められるの怖くて……傍観することしかできなかった。」
「ううん、私もからかってきた男子にドロップキックとかカマしてたから原因は私にもあるよ。」

いや、ドロップキックするなよ。
とはいえ、いじめで孤立していたらそういう判断能力も鈍るか。

「あの頃ほんと……お母さんの件とかでも辛そうだったよな。ごめん!ほんと……わるかったよ。」
「そんな、飯田君が悪いわけじゃないのに。」
「いや、いじめる当事者も悪いけど、ただ見てるのも一緒だ。なんかそこはケジメをつけなきゃいけないよ。」

飯田は会って早々話すことが昔話じゃなく、過去の過ちの謝罪から入る。
本当に誠実なやつである。
きっと中学で身を守ることで精一杯だし、思春期としては自然の行動なのに、ちゃんと非を認めてる。
彼は尊敬すべき友人だ。

「大体君たちの関係性はわかったよ。」

俺も話に介入をする。
瑞希はもっと人と関わるべきだと思うし、飯田は頼って損は無い。それだけ俺は信頼を寄せてるのだ。

「飯田、俺たちは夏期講習を通じで友達になった。出来れば瑞希とも友達でいてくれないか?」
「え?」
「なんというかこいつ俺に似ているところがあるし、真っ直ぐ勉強頑張ってお母さんとは違う道を行きたいって言ってるからたまにみんなで勉強して行けば大学行けそうな気がするんだ。」

飯田は少し困惑するが嬉しそうに、そして誇らしげな笑顔をこちらに向けた。
きっと、その言葉が嬉しかったんだろう。

「そうだな!直輝がいうんならそうしようぜ!
あれ、でも昔進路希望だとお母さんと同じ方向って書いてあったから、てっきり意志を次ごうとしてるのかと思ったよ。」

すると、瑞希は明後日の方向をむき出した。

「それは……、進路希望総理大臣って書いたら先生に怒られたから、ディレクターって書いたらクラスの男子にAVディレクターって改造されてたの。」

うん、ツッコミどころしかない。

「おま……、中学で総理大臣は……。」
「なんか、池上彰さんの番組見てたら政治できるような気がして。とりあえず消費税を廃止してチーズ食べ放題の政策を取り入れたいなと。」

やばい、アホだこいつ。
そりゃあAVディレクターに改変される方がまだまともに進路決めたと思われるのかもしれない。

「……ちょっとずつ、そういうところも治していこうな。」
「ちょっと!?直輝くん、遠い目と温かい目が合わさったような目をするのやめて!」
「大丈夫、俺は瑞希の味方だからさ。」
「目が笑ってないよ!ああ~もう飯田くん、なんでそんなことを言うのよ!」

ちょっと場が和んだ。
なんだ、意外と瑞希ちゃんと男子と話せるじゃん。
それだけでもなんか成長を感じた。
でも、彼女が総理大臣になる事だけはやんわりと止めなきゃ行けない。それ以外は背中を押してあげよう。

すると、机に突っ伏してるお姉さんがガバッと起き出した。

「きゃっ!?びっくりした。」
「……!」

お姉さんは焦点の合わない目と火照った顔をしていて何考えてるか分からないけどきっとまともなことは考えてない。

「熱燗……もう……一丁。」

すると、彼女は再び突っ伏した。
なんというか、彼女だけ明らかに雰囲気が違う。
突っ込まないようにはしてたけど。

「つーか、飯田よ……この人は一体なんなんだ?ただの酔っぱらいで……名前は笛吹さやかだ!って言ってたけど。」

すると、飯田は一冊の本を俺に見せる。
本屋でよく見る本だった。

「これは……今度映画化する予定の翼の折れた天使だな。作者名は……笛吹さやか?」

俺は少し思考がストップする。
え?まさか……いや、まさかだよな?
日本有数のベストセラー作家が目の前で酔っ払って寝てるのか?

「この人、金遣いが荒くてさ~。元々アパートの隣に住んでたんだけど家追い出されてたんだよ。」
「そうなの!?じゃあ今は一緒に暮らしてるの?」
「まあ、成り行きでな~。」

飯田は遠い目をする。
それだけで彼女にどれだけ振り回されてるかが容易に想像できた。
俺は彼をとめた方が良いのだろうか?

「飯田よ、この人が凄いことはわかったけど……飯田が与える側になり過ぎてないか?困った人を助けるのはいい、でもお前がそれで潰れるのはしんどいから見切りをつけても……。」
「あー、そこは大丈夫。彼女にも色々助けられたんだ、ある意味俺たちはウィン・ウィンの関係を築けている。」
「そうか、それなら尊重するよ。すまんな、出過ぎた真似をした。」

俺も友人の心配をできるようになったな。
そこに少し成長を感じつつ、友人が不幸では無いことに安堵する。

「まあいいや、てかそろそろ……また天野家で集まって勉強会しよーぜ!ちょっと面白い企画考えてるんだ~。」
「企画?」
「そう!勉強会兼……庭でキャンプしながらバーベキューとかどうよ。」

おお……確かに夏っぽいし、そろそろ龍にも数学の件で聞きたいことが山ほどあったんだ。

「いいな!それ、近々やろう。」
「一先ずみんなにも声をかけておくよ。」

飯田は人に声をかけるネットワークを作り出せる天才だ。
きっと彼の声にいつものみんなは集まってくれるだろう。

「ねえ!私もそれ……参加していい?」

瑞希が突如介入する。

すると、飯田はにこやかに答える。
そんなの答えはひとつじゃねえか。

「もちろんだ!楽しもーな!」

俺に……いや、俺たちに仲間ができた。
上原瑞希、勉強は苦手だけどムードメーカー。
人見知りだけど……努力家である。

そんな彼女を拒む理由は無い。
来る者拒まずだ。

「わらしもバーベキューするぞ~!」
「お姉さんは……うん、ちょっと。」
「え?れんれん~なんとか言ってよ~。」
「お留守番しましょう。」
「なんらと~!!」

またひとつ、小さな1歩をふむことが出来た。
明日が来るのがより楽しみだ。
俺の人生は灰色からまた色が一色、また一色と彩っていく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...