勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

三章 一部 雪国の防衛

1 三日と雪だるま

「ハ……ハッ……ハック……」

　暗闇の中、誰かが僕の名前を何度も呼ぶ声が聞こえる。
　この声は確か……。

「ハック!?」

「んっんん……」

　その声に反応するように目の前に光が広がる、

「女神様……」

　入ってきた光が僕の目に刺激を与え終わるとゆっくりと女神様が僕を覗き込んでいるのが見える。

「やっとハックが目を覚ました……」

　女神様は僕の手を掴み、目頭に涙を溜めて涙声だ。
　僕は女神様を見て次に周りを見渡す。

「女神様……ここは一体？」

　僕がそう女神様に訪ねると、

　ガタン

　と、音がしそちらの方を向く、

「マスター、お目覚めになったのですね」

　ユウキは手に桶か何かを持った状態で僕の方を見ていた。

「ハック、ここがどこかは恐らくユウキちゃんの方がわかってると思うは」

　女神様はそう言うとユウキをこちらに招く。

「いつの間にこんなに仲良く……」

　僕がそんな事を呟くと。

「ハックが三日眠ってる間よ」

　女神様はそう応える。

「三日か三日もあれば仲良く……三日!?」

「はいマスターは三日ほど寝ていました」

　ユウキは淡白に返し、女神様に招かれるように女神様の隣に座る。

「魔族との戦いで私達は転移でここに来ました、場所は雪と山に囲まれた現在ネージュと呼ばれる国の北東部周辺にいます」

　僕が三日寝ていたことはどうでもいいと言うような感じでユウキは現在の状況を話し出す。

「ネージュ国かもの凄く遠い所に来てしまったな」

　ネージュ国、周りの国と隔絶された場所に位置しており中々これる場所だ。

「ハックハック凄いんだよ外！！」

　そう思っていると女神様がすぐ目の前にある窓を開ける、

「ハック知ってるこれが雪なんだって！！」

　そこにあったのは地面一杯に広がる白い絨毯が敷かれていた。

「こ、これが雪……」

　ネージュには普段生活していればまず来ることは無い場所で雪なんて物語や本に書かれる神話に出てくるぐらいの物だと思っていたものが目の前に広がる、

「見て見てハックあれ私達が作ったのよ」

　と、女神様は指をさした場所には二つの雪の球体が重なっており枝で飾り付けられていた。

「雪だるまっていうんだって、ユウキちゃんに教えてもらいながら作ったの」

　女神様ははしゃいでるのをよそにユウキの方を見ると、

「自慢の傑作ですマスター」

　ユウキはそう言うと誇らしげに胸を張っていた。