勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

クラットス

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三章 一部 雪国の防衛

18 冷やすモノ

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「いよいよですね、タクヤさん……」

「そうですねハック殿」

 朱く逆立つ狼は眼前におり一歩一歩こちらへ……橋の方へと近づいてくる、

「本当にさっき話した作戦で行くんですね」

 僕はタクヤから氷の壁を出る前に聞かされた作戦を本当に実行するのかと聞き返す、

「やります、今できる事で最善の策なので」

 タクヤはそう言うと真っ直ぐ大狼を見る、

「わかりました」

 タクヤさんのその目を見て僕は応える、

「私もできる限り作戦に沿った行動をできるよう努める」

 ユウキも僕と同じように応える。

「ありがとう」

 タクヤはそう応える。

 ──────

「行くぞ二人とも!!」

 タクヤが声を上げると同時に走り出し、僕達もそれに続くとすぐに、

 グォォォンンン!!

 と、大狼は戦闘態勢だと言わんと体に似合った遠吠えが響いた。

「近くで聞くと凄まじいな」

「ええ、ですが僕達が戦っていたときよりも大きいですよ」

「マスターの言う通りです」

 その時、

 グォッ!

 と、大狼は吠えた。

絶対零度アブソリュートゼロ輝神の盾スヴェル

 タクヤの魔法で三人の目の前に氷の壁が展開された、

「タクヤさん!?」

 バシャッ

 と、音ともに走っていた僕達は三人ともずぶ濡れになると僕は前を向く、

「氷の壁が」

 ほんの一瞬の出来事だった、

「マスター、恐らく狼の咆哮は熱を持った攻撃です」

「今のが攻撃……」

 ユウキも同様にずぶ濡れになりながらもあの一瞬の事を説明された、

「でも、熱は……」

「ハック殿の考えてることはわかります、あのくらい大きな生き物と成れば熱は天敵なのは間違いないでしょう……ですが」

 そう言いかけた時。

 グルルゥ

 と、低音で狼が唸りだした。

「まずい!? 二人とも私の後ろに」

 タクヤは焦った表情で僕達を背後に来るよう指示してきたので後ろに隠れ、そこから狼を覗くように見たら、

「雪国なのに大狼の周りが歪んで見える」

 全体的に涼しいこの場所で大狼の周りだけ歪み、蜃気楼のような現象が起きていた。

 グフゥゥ

 大狼は、溜め込んだ空気を口から吐き出すと一気に白い煙が包み込んだ。|

「一体何を……」

 そう口にした瞬間、大狼は口を大きく広げる。

「来るぞ!!」

 タクヤがそう叫ぶと同時に「絶対零度・不朽のエターナルスヴェル」と言うと目の前に丸みを帯びた壁が出現したその時。

 キィィィン

 という、金属音が響くと目の前が真っ白になった。
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