勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

クラットス

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三章 一部 雪国の防衛

24 一連托生

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「やりましたな、ハック殿」

 下からタクヤの声が聞こえる。

「タクヤさん!!」

 タクヤに向かって声を上げると思わず足を滑らせてしまい落下すると、

「大丈夫ですかマスター?」

 と、ユウキが僕の肩を支えながらゆっくりと着地する、

「タクヤさんが言っていた作戦……大狼を凍らせる作戦上手くいきましたね」

「ハック殿が上手く囮になってくれたからですよ、魔物に仕掛ける準備が滞りなくできたからです」

 そう言うと、タクヤは軽く僕の肩を叩いた、

「それにしてもユウキ殿が、そのような魔法を扱えるとは……」

 タクヤがそう言うとユウキの脚に装着された白いブーツが離れる、

「ま、まさか、魔物をそのような装備にすることが」

 白いブーツは白い魔物へと形を変えた。

「プロトがやり方を教えてくれたので」

 と、ユウキはそう言う、

「教えてくれた、なるほどユウキ殿は魔物使いとしていい素養をお持ちのようだ」

 タクヤの言葉を聞きながらユウキは軽く頷いた。

「それにしても、タクヤさんの魔法は本当に凄いですね」

 凍った大狼を再度みると、規格外の魔法の性能を実感すると、

「できる人数は少ないかもしれませんが、割りと簡単にできますよ、メイ殿ならできるんじゃないですかね」

「女神様が……」

 女神様もこれぐらいできるのかと思うと、確かにできそうだなと感じると、

「そろそろ、戻りましょうか、橋の方にもまだ残っているでしょうし」

 タクヤの言葉に促されるように、僕は頷くと橋の方へと足を向け走り出す。

 ─────── 

「こ、これは……」

 橋に戻ってくると否や来たときと同じ数の狼達が軒並みに地に伏し全滅していた、

「橋のみんながこれを殺ったのか……」

 タクヤも驚きが隠せず一目散と橋の上に居るショウテイの元へ走り出すと、それについていく、

「ショウテイ、これは一体」

「タクヤさん達、戻ってきたんですね、やっぱり倒す事ができたんですね」

 ショウテイはそんなことを言うと、

「やっぱりとは、どういう事だショウテイ?」

「それがですね、狼達が倒れたのはついさっき、二分前ぐらいですかね」

 二分前と聞くと目を丸くしタクヤは考え始めるとユウキが、

「ボスの大狼が倒れた事により何らかの原因で狼達も倒れた」

 と、ユウキが言うと、落ち着いた表情でタクヤも、

「それしか考えられないか……」

 と、納得するも顔は下に俯く。

「どうしたんですかタクヤさん?」

 俯いた表情のタクヤにショウテイは顔をかしげる、

「それはですね、ショウテイさん、普通魔物……動物でもいいんですが、ボスが倒れたからといってその部下も同時に死ぬことなんてあり得ないんですよ」

「そ、それはそうでしょうが」

「それが、一頭も残らずです」

 そこまで言うとタクヤはのそっと立つと、

「魔族が何らかの魔法で狼達の魔力を繋げていた、それの元締めが大きい奴でそれが死んだことで連鎖的に死んだって事になるかあるいは新種の魔物か」

 タクヤはそう言うも、ショウテイが、

「良いじゃないですか今はそんなこと、倒す事が出来て、防衛線を上げることができた今はそれだけで」

 ショウテイのその言葉を聞くとタクヤは優しい顔で、

「そうだな」

 と、言うと。
 タクヤは周りを見渡し、

「皆、帰るか!!」

 その言葉を発すると村の皆は「おぉ!!」と返した。
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