勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

クラットス

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二部 送る村

7 煙のように消えた怪物

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 白い煙と同時に水が沸くような音が煙の中から響き始めた。

「こ、この音は……」

 怪物の目の前でかつ攻撃を受けていたのしっかりと目視していた僕の周りからそのような音が聞こえた、

「かっかっかっ、教えてやろうか何が起きたか!!」

 恐ろしくも怪物は女神様の攻撃を食らっても平然と語りかけてくる、

「まだ生きているのか、どこにいる!!」

 煙でよく見えないまま怪物の声が聞こえる方に向かって叫ぶ、

「そうそう叫ぶな、死にたいのか?」

 怪物は間違いなくこちらを捕捉しているのかこちらに向かって音が届く、

「女神様の魔法が効いてないのか……」

 ぼそりとそう呟いた時、

「魔法、効いたさよく効いたよ、だから俺は貴様だけに話しているんだ」

 はっきりとした声で女神様の魔法が効いたという怪物、

「どういうことだ!?」

 僕はそう返す、

「このまま行けば恐らく俺は倒されるだろうな」

 怪物が自ら倒されるとはっきりと言う、

「だからこの場は逃げる、また会ったら今度は食ってやるから覚えていろ、外来種共」

 怪物がそう言った瞬間周りの煙が同時に晴れていく、

「お、おいまて!!」

 そう言葉を発したとき既に煙は晴れてあの巨体の怪物が居なくなっていた、

「どういうことだ……」

 僕は俯きながら手を顎に置いて考えると、

「ハック!!」 「ハック殿!!」

 女神様とタクヤの声が聞こえた、

「ハック無事だったのね、私の魔法に巻き込まれて死んだかと思っちゃったぁ」

 女神様はうわずった声をしながら抱きついてきた、

「ハック殿、奴は倒したのですか?」

 タクヤのその質問に僕はすこし難しそうな顔をして、

「いや、倒せてない、それと今度会ったら食ってやると言っていました」

「メイ殿、魔法で倒せないとなると私だけの魔法でも奴は……」

「恐らく無理でしょう」

 その話を聞いていた女神様が、

「今度会ったら一番強い魔法で倒すよハック♡」

 久しぶりに女神様の言葉尻にハートを感じながら殊勝な事を言ってくる女神様、

「頼りにしてます女神様……」

 僕の胸に顔を当てている女神様の頭を軽く撫でながらタクヤの後ろにいる村長達に目を向ける。
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