勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

クラットス

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二部 送る村

13 海の中

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「かはっ!?」

 と、肺から一気に空気が抜けそれと同時に吐き出した空気分を取り戻そうと一気に吸い込む、

「ゴボボボボ」

 僕の身の回りにあったのは吐いた空気が上に昇って行くのが見えるとどうじに口の中には塩辛い味がした、

(う、海の中……それに息が)

 そう思い、腕を思いっきり広げ、直ぐに腕を前に出すと同時に手を返し一気に腕と腕を広げて掻く、それと同時に足を上下に動かし日の光が見える方向に向かう。

 ゴォォォ

 と、水の中なのに異音が聞こえると目の前を怪物が横切る、

「海の中は気持ちいいかい」

 怪物は僕に向かって声をかけてきた、

「ごぽぼぼ、ごぼぼぼぼ」

(はっ!?)

 声をだそうとした分残っていた空気が海の中に放り出されるのをかき集めるように口の中に戻そうとすると、

「海に生きている生き物がそんな激しく動くと無駄に空気を使うぜ、お前達が同じように船とやらに乗ってきた奴らはそうやって俺に食われたぜ」

 猛々しく水の中で自分だけが喋れるからとべらべらと喋る怪物。

「おっとその目は何だ? お前も同じように食われるんだよぉ!!」

 怪物はそう言うと、僕の脇腹に向かってその巨体を揺らしながらこちらに大きく口を開けて向かってきた、

(このままじゃ殺られる!?)

 僕は腕でやってる魔力の推進力の利用を足で行おうとするが怪物はそれを見てでも僕をしっかりと追尾してくる、

(死ぬ!?)

 そう、思った瞬間僕は手や足で身を守るようにして目を瞑る。

 ────

 だがしかし、一向に痛みが来ずゆっくりと目を開けると目の前に凍った怪物が居た、

「大丈夫ですかハック殿」

 目の前にタクヤが居た、しかも海の中だが聞き取れるぐらいの発音が聞こえた。

(そ、それは)

 と、僕はタクヤの口の周りに張り付く空気を指をさした、

「ハック殿もできます、魔力を口に纏わせるように意識してやるんです、空気の知識はありますよね」

 僕は頷くと言われる通りに意識し、空気を作る事が出来た。

 ようやく海の中で呼吸がまともにできると安心し、凍った怪物に視線を向ける、

「タクヤさんがこれを」

「一時的です、おそらくそろそろ」

 と、言いかけた時、氷に大きくひびが入ると直ぐにバラバラに氷だけが砕け散った、

「ハック殿、そうやすやすとはやれないようですね」

 タクヤのその言葉にゆっくりと僕は頷く。

「ひぃ、冷えた冷えた、さてともう一回やろうか!!」

 怪物はそう言うと、僕達の周りを泳ぎ始めた。
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