勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

クラットス

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三部 反骨の国

21 名も無き騎士の挑戦

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「皆さんこちらです!!」

 集団の中、一人の少年が身振り手振りで誘導をしている、

「コル本当にこっちであってるのか?」

「うん!!」

 そう言うと、集団は一斉に移動をする中、コルはただ一人後ろを振り向いていると、

「どうしたんだコル君?」

 と、一人の騎士が近づき話しかけてきた、

「いえ、タクヤさんは一人で無事なのでしょうか?」

 その騎士はそれを聞くと少し顔を俯かせると、

「だ、大丈夫ですコル君、今は僕達が安全な場所に行くのが先決です」

 コルはそう言われるとじっと遠くを見つめながら、

「そうですね、先を急ぎましょう」

 と、コルは視線を集団に向けると、それの先頭に向かおうとすると、

「な、なんだこれは!?」

 と、集団の前の方から声が聞こえたと同時に、

「何かあったんでしょうか?」

「わかりません、ですが敵なら直ぐに向かわなければ」

 と、コルと騎士は急いで前の方に向かうと、

「こ、これは!?」

 そこでは雪が宙に舞って前が見えない状況になっていると、

 バサバサ

 と、上空から何かが羽ばたいている音が聞こえる、

「こ、この音はまさか……」

 コルと共に前に来ていた騎士はその音に聞き覚えがあり、上空を見ると、

「あ、あれは一体……」

「あ、あいつは魔族の乗り物」

 騎士はそう呟く、

「魔族の乗り物──つまりあの上には魔族が!?」

 そう言った瞬間、

 ボン

 と、周囲にあった木が燃え始めた、

「な、何だ一体!?」「に、逃げろ!!」「魔族だ!!」

 と、集団の人間達はパニックになり各々で動き始める、

「み、皆さん落ち着いてください!!」

 しかひ、集団の人間は聞く耳を持たずどんどん散り散りとなる。

「コル君こいつは私が抑えます、今いる人達と逃げてください」

「でも、貴方じゃ」

「行くんだ!!」

 騎士は声を震わせながらコルに指示する。
 コルはそれを聞くと同時に歯を噛み締め、残った人達の方に向く、

「今残って居るこの人数で別の道で行きます」

 コルがそう言った先には10人ぐらいの人しか残って居なかった、

「君しか村の場所は知らない、君に着いていく」

 一人の初老の男性が前にでてコルに言うと、

「貴方に着いていくは」「任せたぞ」

 と、各々の言葉がコルに向けられる。
 コルはその言葉を聞くと、

「では向かいましょう、今ここに居る人だけでも生きて逃げましょう」

 コルはそう言うと、来た道を戻る、

「行かせると思うのか?」

 すると、上空に居る魔族が言葉を発すると、

「殺らせるか!!」

 と、騎士が叫びながら剣を投げつけた、

「何!?」

 その剣は翼竜を、貫き魔族の足下から出てきた、

「まさか翼竜の体を貫いて来るとは」

 魔族はそう言うと、地面に降り立つ、

「お、お前は!!」

 赤い模様が特徴的な魔族がそこ立っていた、

「ふむ、先程の人間といい強い人間が今回は多いな」

「先程の人間……ということはタクヤさんは負けたのか」

「んっ? あの人間の名前はタクヤと言うのか、満身創痍じゃなければここに来ていたのはそっちだったかもな」

 赤い模様の魔族は口角を上げながら騎士に向かって言う、

「そうか、タクヤさんは──コル君ごめんな」

 騎士はコルの名を呟き謝ると、

「騎士タイガ、ここで貴様を足止めし民衆を守る忠義を通す!!」

 タイガは赤い模様の魔族に向かう。
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