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星宮千暁は欲しがり。それに触発される双葉莉奈
思考が読める能力者とじゃんけん勝負
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私は超能力者である。人の思考を読むことが出来るのだ。
それを自覚したのは物心ついた頃だった。妹のメメに『なんで口に出してないのに姉さんは分かるのー?』と言われたことで私と世界が違うことを理解した。
それから、周りに合わせて生きて、人の醜さに疲れ、自分の能力で他人をカモにしてやろうと思いつき、今に至る。
さてさて、今日もカモがやってきた。やけに派手な虹色髪男と、貧乳銀髪ロング女子。セフレな関係だろうか。
ちょっと拝見……
ふむ、そんなことはなかった。心を読んだが、ただの友人らしい。
やけに派手な虹色髪男は『星宮千暁』推測するに一代で富を築いたイカれた男だ。
貧乳銀髪ロング女子は『双葉莉奈』いとこの『安達大樹』が好きらしいな。なかなか業が深い。他人の知りたくない情報を知ってしまうのが、思考が読める能力者の辛いところである。
(魅力的な身体だ。欲しい、欲しいぞ!)
(巨大なお胸が二つあるお姉さんだ。お胸が欲しい……)
この人達。人の身体に好き勝手言っているな。昔からよく思われるから気にしてないが。
「ガハハハハ! 買ったら百万円と看板に書いてあるのを見てな! 負けてもチョコレート買うだけでいい。ローリスクハイリターンだ。違うか?」
チョコレートといっても、一粒八十万の自家製超高級チョコレートだけどね。元値数百円。それで生計を立てているのだ。
これでもこの国では合法なのだから、やり得である。
◇双葉莉奈戦
ルールは簡単。ここに三枚のジャンケンカードがある。それを使って私と対戦者がジャンケンをする。一枚カードを裏の状態で差し出して、ジャンケンの合図で両者カードを表にする。
「もし、万が一ジャンケンで私に勝てたら、百万円を差し上げよう。まずはそこのお嬢ちゃんからやろうか」
(百万円かぁ~もし手に入れたらなにしよう~)
お嬢ちゃんに待っているのは八十万の負債だけどね。
◇
(どうしようかな~。グーをだそうかな~?)
グーか。ならばパーを出そう。簡単な話だ。グーならパー、パーならチョキ、チョキならグーを出せばいい。究極の後出しジャンケンだ。
今のところ全戦全勝。これで富を築けるのだから思考を読むって便利である。
「決まったかな? それじゃ、ジャンケンの合図でカードを裏返そう」
私と彼女はトランプをめくった。
「じゃんけんぽん! なっ!」
彼女がチョキだとぉぉぉ! 確かに心の中ではグーを出すって言っていたのに、ど、どうなっているんだぁぁぁぁ!?
もちろん、私はパーを出した。グーを出すと思っていたから。
「あれ~? グーだと思ってたらチョキだった~?」
まさかコイツ、素で間違えている!?
ありえない。三枚のカードの絵を見て尚、間違えたとでも言うのか? 何回も繰り返すが私は思考が読める。騙すことは理論上出来ない。
「百万円ゲットだ~! やったぁぁぁぁ~!」
くっ、これ以上百万円は渡したくない。負けるということは想定していなかったから、今手元にお金は無い。経営が傾く。
◇星宮千暁戦
(戯れだ。この俺が直々に相手してやろう)
「俺はグーを出す。貴様はどうかな?」
さっきはしてやられたが、コイツは大丈夫そうだ。あの女みたいなヘマはしないだろう。
さらに、先に手を宣言して揺さぶりをかけるという心理戦を仕掛けてきた。バカではないのだろう。ただ、思考を読める能力者の前には無駄だが。
(さあ、どのカードを出そうか!)
否、その刹那。私はこの男を無意識のうちに侮っていたことに気づいた。この男の思考を捉える余地が無かったのである。
人の思考を読む能力には弱点がある。と言っても普段は気にすることもないのだが。それは、思考を出す前に仕掛けてくる相手である。
「フフン。俺は決めたぞ! さあ、カードを差し出せ!」
「心を読めなかった……そんなバカな。思考を置き去りにしたなんて……」
「フフン。貴様がどんな小細工をしているかは知らんが、勝負は何事も直感と時の運だ。選ぶ前に俺は進む!」
なんてことだ。いくら心を読めても思考をしてなかったら読めない。
つまり、純粋な三択になってしまった。勝てば八十万貰えるが、負ければ百万円を支払う羽目になる。あいこでも、奴が隙を見せない限り今と同じだ。
(フフン。勝ったら投資の足しにでもするか)
さっきから奴の思考を読んでいるが、ジャンケンに関することを一切、全く思っていない。隙がない。
どうするどうする、奴はグーを出すと言っていた。だがそれは罠の可能性が高い。パーは逆に出しにくい、だからチョキを出すべきだろうか? 否、それで奴が本当にグーを出していた場合、負ける。
「……クソ。ジャンケンでこんなに考えたことはなかったぞ……」
一か八か。私は震える手を押さえながらチョキを出した。普通に考えたらグーと宣言して、実際にグーを出すバカはいないと考えたからだ。つまり奴が出すのは、パーかチョキ。最悪あいこ勝負に持ち込める。
両者、トランプを一枚差し出した。私と奴はトランプをめくる。
「じゃんけんぽん! ……っ!」
◇
こうして私は、二連敗して二百万を一瞬で失った。損失がデカすぎるし、なにより能力者としてのプライドが傷つけられた……
「……店、畳もう」
それを自覚したのは物心ついた頃だった。妹のメメに『なんで口に出してないのに姉さんは分かるのー?』と言われたことで私と世界が違うことを理解した。
それから、周りに合わせて生きて、人の醜さに疲れ、自分の能力で他人をカモにしてやろうと思いつき、今に至る。
さてさて、今日もカモがやってきた。やけに派手な虹色髪男と、貧乳銀髪ロング女子。セフレな関係だろうか。
ちょっと拝見……
ふむ、そんなことはなかった。心を読んだが、ただの友人らしい。
やけに派手な虹色髪男は『星宮千暁』推測するに一代で富を築いたイカれた男だ。
貧乳銀髪ロング女子は『双葉莉奈』いとこの『安達大樹』が好きらしいな。なかなか業が深い。他人の知りたくない情報を知ってしまうのが、思考が読める能力者の辛いところである。
(魅力的な身体だ。欲しい、欲しいぞ!)
(巨大なお胸が二つあるお姉さんだ。お胸が欲しい……)
この人達。人の身体に好き勝手言っているな。昔からよく思われるから気にしてないが。
「ガハハハハ! 買ったら百万円と看板に書いてあるのを見てな! 負けてもチョコレート買うだけでいい。ローリスクハイリターンだ。違うか?」
チョコレートといっても、一粒八十万の自家製超高級チョコレートだけどね。元値数百円。それで生計を立てているのだ。
これでもこの国では合法なのだから、やり得である。
◇双葉莉奈戦
ルールは簡単。ここに三枚のジャンケンカードがある。それを使って私と対戦者がジャンケンをする。一枚カードを裏の状態で差し出して、ジャンケンの合図で両者カードを表にする。
「もし、万が一ジャンケンで私に勝てたら、百万円を差し上げよう。まずはそこのお嬢ちゃんからやろうか」
(百万円かぁ~もし手に入れたらなにしよう~)
お嬢ちゃんに待っているのは八十万の負債だけどね。
◇
(どうしようかな~。グーをだそうかな~?)
グーか。ならばパーを出そう。簡単な話だ。グーならパー、パーならチョキ、チョキならグーを出せばいい。究極の後出しジャンケンだ。
今のところ全戦全勝。これで富を築けるのだから思考を読むって便利である。
「決まったかな? それじゃ、ジャンケンの合図でカードを裏返そう」
私と彼女はトランプをめくった。
「じゃんけんぽん! なっ!」
彼女がチョキだとぉぉぉ! 確かに心の中ではグーを出すって言っていたのに、ど、どうなっているんだぁぁぁぁ!?
もちろん、私はパーを出した。グーを出すと思っていたから。
「あれ~? グーだと思ってたらチョキだった~?」
まさかコイツ、素で間違えている!?
ありえない。三枚のカードの絵を見て尚、間違えたとでも言うのか? 何回も繰り返すが私は思考が読める。騙すことは理論上出来ない。
「百万円ゲットだ~! やったぁぁぁぁ~!」
くっ、これ以上百万円は渡したくない。負けるということは想定していなかったから、今手元にお金は無い。経営が傾く。
◇星宮千暁戦
(戯れだ。この俺が直々に相手してやろう)
「俺はグーを出す。貴様はどうかな?」
さっきはしてやられたが、コイツは大丈夫そうだ。あの女みたいなヘマはしないだろう。
さらに、先に手を宣言して揺さぶりをかけるという心理戦を仕掛けてきた。バカではないのだろう。ただ、思考を読める能力者の前には無駄だが。
(さあ、どのカードを出そうか!)
否、その刹那。私はこの男を無意識のうちに侮っていたことに気づいた。この男の思考を捉える余地が無かったのである。
人の思考を読む能力には弱点がある。と言っても普段は気にすることもないのだが。それは、思考を出す前に仕掛けてくる相手である。
「フフン。俺は決めたぞ! さあ、カードを差し出せ!」
「心を読めなかった……そんなバカな。思考を置き去りにしたなんて……」
「フフン。貴様がどんな小細工をしているかは知らんが、勝負は何事も直感と時の運だ。選ぶ前に俺は進む!」
なんてことだ。いくら心を読めても思考をしてなかったら読めない。
つまり、純粋な三択になってしまった。勝てば八十万貰えるが、負ければ百万円を支払う羽目になる。あいこでも、奴が隙を見せない限り今と同じだ。
(フフン。勝ったら投資の足しにでもするか)
さっきから奴の思考を読んでいるが、ジャンケンに関することを一切、全く思っていない。隙がない。
どうするどうする、奴はグーを出すと言っていた。だがそれは罠の可能性が高い。パーは逆に出しにくい、だからチョキを出すべきだろうか? 否、それで奴が本当にグーを出していた場合、負ける。
「……クソ。ジャンケンでこんなに考えたことはなかったぞ……」
一か八か。私は震える手を押さえながらチョキを出した。普通に考えたらグーと宣言して、実際にグーを出すバカはいないと考えたからだ。つまり奴が出すのは、パーかチョキ。最悪あいこ勝負に持ち込める。
両者、トランプを一枚差し出した。私と奴はトランプをめくる。
「じゃんけんぽん! ……っ!」
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