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魔法学校の魔法は飾り 9
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「君たち小市民が本当にFIREできるのか、そこについてお答えしよう」
ザザは新しいスライドを画面に出す。そこには、”FIREまでの道筋―王道編―”と書かれていた。
「まず、君たちでも本当に不労所得で生活できるようになるのか、という質問には『YES』と回答させてもらう。ただし――」
『ただし……?』
「――時間をかければ、という文言がつくけどね」
スライドの上側にレーザーポインターを当て、ザザは解説を始める。
「まず、経済的自由を勝ち取るためにはとにかくお金が必要になる。そして、お金は貯めれば貯めるほど雪だるま式に増えていくことを君たちは理解したよね。さっき話した問題さ、30年間毎月3万バルクを利率4%で投資をすれば、3万×12ヶ月×30年=1,080万バルクじゃなく、毎年増えていく利率4%の力によって2000万バルクの資産になるって話だ。これを踏まえた上で、”コツコツ毎月定額の投資を続ければいずれリタイアできる”というのは分かってもらえると思う。要するに、FIREするには毎月金を貯めろってことだな」
乱暴な言い方になっちゃったけども、とザザは自嘲気味に呟いた。
「自由になるためのお金の木を作るには、まずは給与所得でお金の種、すなわち”種銭”を作るところから始まる。
1.生活費を見直してかけるコストを必要なものに絞る。
2.余ったお金は一時的な贅沢じゃなく投資に回す。
3.投資でもらった配当金を再び投資に回す。
4.また日々の生活の余剰金を投資に回す。
5.このサイクルをFIRE達成まで繰り返す。
やることはたったこれだけだ。これだけやれば、君たち生徒諸君もどんどんどんどん配当金が増えて、いずれはFIREを達成できる。別に難しい投資に手を出す必要もなければ、会社を立ち上げたり宝くじを当てたりする必要もない。不動産を買いまくって家賃収入を爆発的に増やしたり、副業で一山当てたりすることもない。極めて普通に、順当に、再現性の高いFIRE達成方法……それが、”毎月生活に使わなかった余剰金を投資する”という手法さ」
一通り話し終えて、ザザは一息ついた。
これが彼の教えるすべてだ。極めて普通で、単調で、ひどくつまらない手法。博打のない平々凡々な積み上げ型の貯蓄。だが、基本に忠実な方法こそが”王道”なのである。
そして、その王道を知らなければ疑問を投げかける者も当然出てくるのだ。
「……先生」
「どうぞ、ジンミンゲンさん」
「要するに、人生ケチケチ過ごして金を投資に回せばFIREできる、という認識でよろしいか」
「いかにも」
「一体それの何が楽しいのか」
ジンミンゲンは言葉を選ばずにザザに喰ってかかる。
「毎月の余剰金を投資に回すと先生は申しましたな?しかし、今の大日本帝国の平均的な給料では、月の生活を送るのにも手一杯なのですぞ。そこからさらに投資のお金を作るとなれば、欲しい物も買えず、貧相な家に住み、ひもじい食事を取る生活しかない。それの何が楽しいのだろう。我にはとても理解できない」
「それも1つの答えだな」
ザザは涼しい顔をしてジンミンゲンの言葉を受け止めた。
「だが、ジンミンゲンさんは勘違いをしているな。FIREは、生きる以外のすべての金額を投資に回しながら生活して、老後に楽しい思いをする生活スタイルじゃないんだよ。まず俺たちに必要なことは、稼いだ以上の金額を使わず、余った資産を蓄え、蓄えた資産に働いてもらって金銭を増やす。このサイクルを達成することだ。
月の生活が手一杯なら、それは無駄なお金を使っているか、そもそも所得に見合わない暮らしをしているか、給料が低いからのどれかに他ならない。不必要な浪費をやめ、所得に見合った物を買い、転職をして給料を上げる。たったこれだけのことで生活水準は上向くし、日々の生活も楽しいものになるだろう。何故ならそれは、お金で困ることが減るからだよ。日々が楽しくないのはお金がないからさ。簡単だろ?
――とはいえ。確かに、生活費以外のすべてを投資に回せば、いち早くFIREへの道のりを築くことができる。しかし、それでは心が疲れて死んでしまうだろう」
ジンミンゲンの目をまっすぐ見つめてザザは告げる。そこには、過去にいかなる経験をしたのか、年若い身ながら行政改革ギルドという国家機関に勤めている彼なりの貫録があった。
「欲しい物は買えばいい。だが、本当にそれが欲しいかは考えなさい。ブランド物の服やバッグが、本当に君の心を満足させるのか熟考することだ。
貧相な家が嫌なら、高くても綺麗な家に住むといい。QOL……Quality of Life、生活の質を向上させるには良い家に住むのが一番だ。毎日がきっと楽しいものになると俺は思うよ。
食事を豪勢にしろとは言わない。でも、ずっと豪勢にする必要はどこにもないだろう。米とみそ汁としゃけと少しの根菜を食べて、日々それで俺は十分満足だ。
FIREするには贅沢は敵だ。だけど、毎日延々と贅沢をするような常識外れはこの中にはいないだろう?毎月20万の手取りしかないのに、毎月30万もお金を使うやつはいないだろう?毎月20万の手取りをもらうやつは、その20万の中でやりくりして生きていくのさ。そのやりくりの中で、例えば17万でゆとりある生活ができるなら、残った3万を投資に回せばいつかFIREを達成できる。俺が言っているのはそういう話だよ。その生活が楽しいかどうかは俺には分からないけど、少なくとも君たちの父ちゃん母ちゃんはそんな生活をしてるんじゃないのか?そんな生活を一緒にしているジンミンゲンさんは、今の生活がちっとも楽しくないって言うのか?」
「……我は」
「FIREは確かに輝かしいものだ。世間に出回っているFIRE達成者のFIRE本も、”素晴らしい肩書の人間が” ”華やかな経歴を持って” ”とんでもないことを成し遂げた”という内容が書いてある。だが、それには再現性がちっともないんだ。あれは彼らの才能に準ずるものだからね。彼らは頑張った。人よりも遥かに頑張った。だから輝かしいFIREというゴールを得たのさ」
「……」
「俺の言っている生活は、確かに人に誇れるような豪勢な生き方じゃない。でも別にこれっぽっちもつまんなくない。至って普通の生き方をして、至って普通に生活して、そのついでに投資資金を貯めて老後を心配なく過ごす……そのついでに人より早く退職できるってだけさ」
ジンミンゲンの目から棘が消える。ザザの話のすべてに納得したわけではなかったが、要するに普通に人生を楽しんでいけばFIREできるという理屈だけは分かったからだ。
「なんでも俺に聞きなさい。幸い、俺は君たちガキんちょより遥かに大人だ。苦しんだことも楽しんだことも君らよりずっと多いだろう。特にお金に関しては、圧倒的に経験値は俺の方が上だ。だから、君たちは俺を最大限利用して、自由への道を歩いていくといい。――他に質問は?」
手は上がらない。それを確認し、ザザがピッとプロジェクターの電源を切ると同時、外からゴーンゴーンと鐘の音が鳴る。魔法学校の授業終了を告げる鐘の音――要するにキンコンカンコンのチャイムである。
良い授業だった。これが、本当の意味で将来を見据えるということなのだろう。生徒の誰もがザザに感謝の例をすべく立ち上がる――。
「あっ!?くそ!5分前に終わらなかった!!ごめん皆、次は終わらせる!じゃあの!!!」
――と同時。
時間ぴったりに終わったというのに、目の前の先生は我々生徒に謝って、竜巻のように走り去っていった。チャイムを無視して延長戦を繰り広げる時間感覚ゼロの無能な教師もいるというのに、なんて良い先生なんだろう。
この日、生徒たちの頭には『この先生は授業を早く終わらせる良い先生』とインプットされた。
ザザは新しいスライドを画面に出す。そこには、”FIREまでの道筋―王道編―”と書かれていた。
「まず、君たちでも本当に不労所得で生活できるようになるのか、という質問には『YES』と回答させてもらう。ただし――」
『ただし……?』
「――時間をかければ、という文言がつくけどね」
スライドの上側にレーザーポインターを当て、ザザは解説を始める。
「まず、経済的自由を勝ち取るためにはとにかくお金が必要になる。そして、お金は貯めれば貯めるほど雪だるま式に増えていくことを君たちは理解したよね。さっき話した問題さ、30年間毎月3万バルクを利率4%で投資をすれば、3万×12ヶ月×30年=1,080万バルクじゃなく、毎年増えていく利率4%の力によって2000万バルクの資産になるって話だ。これを踏まえた上で、”コツコツ毎月定額の投資を続ければいずれリタイアできる”というのは分かってもらえると思う。要するに、FIREするには毎月金を貯めろってことだな」
乱暴な言い方になっちゃったけども、とザザは自嘲気味に呟いた。
「自由になるためのお金の木を作るには、まずは給与所得でお金の種、すなわち”種銭”を作るところから始まる。
1.生活費を見直してかけるコストを必要なものに絞る。
2.余ったお金は一時的な贅沢じゃなく投資に回す。
3.投資でもらった配当金を再び投資に回す。
4.また日々の生活の余剰金を投資に回す。
5.このサイクルをFIRE達成まで繰り返す。
やることはたったこれだけだ。これだけやれば、君たち生徒諸君もどんどんどんどん配当金が増えて、いずれはFIREを達成できる。別に難しい投資に手を出す必要もなければ、会社を立ち上げたり宝くじを当てたりする必要もない。不動産を買いまくって家賃収入を爆発的に増やしたり、副業で一山当てたりすることもない。極めて普通に、順当に、再現性の高いFIRE達成方法……それが、”毎月生活に使わなかった余剰金を投資する”という手法さ」
一通り話し終えて、ザザは一息ついた。
これが彼の教えるすべてだ。極めて普通で、単調で、ひどくつまらない手法。博打のない平々凡々な積み上げ型の貯蓄。だが、基本に忠実な方法こそが”王道”なのである。
そして、その王道を知らなければ疑問を投げかける者も当然出てくるのだ。
「……先生」
「どうぞ、ジンミンゲンさん」
「要するに、人生ケチケチ過ごして金を投資に回せばFIREできる、という認識でよろしいか」
「いかにも」
「一体それの何が楽しいのか」
ジンミンゲンは言葉を選ばずにザザに喰ってかかる。
「毎月の余剰金を投資に回すと先生は申しましたな?しかし、今の大日本帝国の平均的な給料では、月の生活を送るのにも手一杯なのですぞ。そこからさらに投資のお金を作るとなれば、欲しい物も買えず、貧相な家に住み、ひもじい食事を取る生活しかない。それの何が楽しいのだろう。我にはとても理解できない」
「それも1つの答えだな」
ザザは涼しい顔をしてジンミンゲンの言葉を受け止めた。
「だが、ジンミンゲンさんは勘違いをしているな。FIREは、生きる以外のすべての金額を投資に回しながら生活して、老後に楽しい思いをする生活スタイルじゃないんだよ。まず俺たちに必要なことは、稼いだ以上の金額を使わず、余った資産を蓄え、蓄えた資産に働いてもらって金銭を増やす。このサイクルを達成することだ。
月の生活が手一杯なら、それは無駄なお金を使っているか、そもそも所得に見合わない暮らしをしているか、給料が低いからのどれかに他ならない。不必要な浪費をやめ、所得に見合った物を買い、転職をして給料を上げる。たったこれだけのことで生活水準は上向くし、日々の生活も楽しいものになるだろう。何故ならそれは、お金で困ることが減るからだよ。日々が楽しくないのはお金がないからさ。簡単だろ?
――とはいえ。確かに、生活費以外のすべてを投資に回せば、いち早くFIREへの道のりを築くことができる。しかし、それでは心が疲れて死んでしまうだろう」
ジンミンゲンの目をまっすぐ見つめてザザは告げる。そこには、過去にいかなる経験をしたのか、年若い身ながら行政改革ギルドという国家機関に勤めている彼なりの貫録があった。
「欲しい物は買えばいい。だが、本当にそれが欲しいかは考えなさい。ブランド物の服やバッグが、本当に君の心を満足させるのか熟考することだ。
貧相な家が嫌なら、高くても綺麗な家に住むといい。QOL……Quality of Life、生活の質を向上させるには良い家に住むのが一番だ。毎日がきっと楽しいものになると俺は思うよ。
食事を豪勢にしろとは言わない。でも、ずっと豪勢にする必要はどこにもないだろう。米とみそ汁としゃけと少しの根菜を食べて、日々それで俺は十分満足だ。
FIREするには贅沢は敵だ。だけど、毎日延々と贅沢をするような常識外れはこの中にはいないだろう?毎月20万の手取りしかないのに、毎月30万もお金を使うやつはいないだろう?毎月20万の手取りをもらうやつは、その20万の中でやりくりして生きていくのさ。そのやりくりの中で、例えば17万でゆとりある生活ができるなら、残った3万を投資に回せばいつかFIREを達成できる。俺が言っているのはそういう話だよ。その生活が楽しいかどうかは俺には分からないけど、少なくとも君たちの父ちゃん母ちゃんはそんな生活をしてるんじゃないのか?そんな生活を一緒にしているジンミンゲンさんは、今の生活がちっとも楽しくないって言うのか?」
「……我は」
「FIREは確かに輝かしいものだ。世間に出回っているFIRE達成者のFIRE本も、”素晴らしい肩書の人間が” ”華やかな経歴を持って” ”とんでもないことを成し遂げた”という内容が書いてある。だが、それには再現性がちっともないんだ。あれは彼らの才能に準ずるものだからね。彼らは頑張った。人よりも遥かに頑張った。だから輝かしいFIREというゴールを得たのさ」
「……」
「俺の言っている生活は、確かに人に誇れるような豪勢な生き方じゃない。でも別にこれっぽっちもつまんなくない。至って普通の生き方をして、至って普通に生活して、そのついでに投資資金を貯めて老後を心配なく過ごす……そのついでに人より早く退職できるってだけさ」
ジンミンゲンの目から棘が消える。ザザの話のすべてに納得したわけではなかったが、要するに普通に人生を楽しんでいけばFIREできるという理屈だけは分かったからだ。
「なんでも俺に聞きなさい。幸い、俺は君たちガキんちょより遥かに大人だ。苦しんだことも楽しんだことも君らよりずっと多いだろう。特にお金に関しては、圧倒的に経験値は俺の方が上だ。だから、君たちは俺を最大限利用して、自由への道を歩いていくといい。――他に質問は?」
手は上がらない。それを確認し、ザザがピッとプロジェクターの電源を切ると同時、外からゴーンゴーンと鐘の音が鳴る。魔法学校の授業終了を告げる鐘の音――要するにキンコンカンコンのチャイムである。
良い授業だった。これが、本当の意味で将来を見据えるということなのだろう。生徒の誰もがザザに感謝の例をすべく立ち上がる――。
「あっ!?くそ!5分前に終わらなかった!!ごめん皆、次は終わらせる!じゃあの!!!」
――と同時。
時間ぴったりに終わったというのに、目の前の先生は我々生徒に謝って、竜巻のように走り去っていった。チャイムを無視して延長戦を繰り広げる時間感覚ゼロの無能な教師もいるというのに、なんて良い先生なんだろう。
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