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神田ヒロト
1日目-現実-
しおりを挟む「誰って…アンタまさか、何も知らないの!?」
白い部屋。白い以外には、何も無い。
ただ、無機質な壁にぽつんと一つのドアがあった。これも白い。俺はあそこから入ってきたのだろうか。
車が止まって、注射されて、意識が途絶えて、気がついたらここだ。あいつらに連れてこられたのか。
だとすれば、ここがCheatの会場…?
「いや、何もっていうか…もしかして君達、Cheatの参加者?」
ギャル系の女が答えた。
「そうよ…じゃあ、あんたがリーダーなのね」
『チームAの参加者が全員揃いました』
天井のスピーカーから、機械的な女性の声がした。
「!?」
『それでは、Cheatのルール説明をしますので、よくお聞きください』
いよいよ始まったか。
部屋にいる全員がゴクリと唾を飲んだ。
『Cheatの敗北条件は、自分チームのリーダーが死ぬ事です。
逆に相手チームのリーダーが死ねばあなた達の勝利となり、それぞれに景品が贈られます』
「死ぬって…」
ポニーテールの美少女が青ざめる。
俺と同じく事前にある程度説明は受けただろうが、実際にほかの参加者もいると、やはり現実味が違うのだろう。
『また、自分チームのリーダーが死ぬ、つまり敗北すると、チームの部下は全員死にます』
「はぁ!?」
ギャル風の女が声を上げた。
「どういう事ですか?」
優等生風の女も不機嫌そうに言う。
『皆さん、左手首を見てください』
言われた通り左手首に目をやると、そこには腕時計の代わりに銀色の腕輪がピッタリと嵌められていた。
高校の入学祝いに父さんが買ってくれた腕時計で、いつも肌身離さず身につけていた。
『その腕輪が心拍数を感知し、リーダーが死ぬと、内側から体内へ致死量の毒が注入されます』
「…っ!」
全員が息を飲んだ。
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