命を狙われてるらしいですが、ここで生きて行きます!

茨城 凛

文字の大きさ
3 / 16

3・あれから

しおりを挟む
あれから、数ヶ月たった。
初めは何も分からなかった。
ゼンに付きまとうような感じで色々教えてもらっていた。
「おめぇ本気で何も知らないんっすねー」
毎回呆れ顔だったが根気強く教えてくれた。
ただ後ろを毎回付きまとっていたら周りの人達に笑われてたけど・・。

「「「「ぶわぁははっははー」」」」
食堂に行くと大笑いしてる人々がいたり、他の所に行くと
「カルガモ親子みたいだなぁ!」ってからかわれたり。
ゼンと仲がいい感じの人は空気が読めないらしく。
「お前、毎回何かに巻き込まれてるよなぁ」
くくっ。
「世話係というか完璧に親子みたいだよな!お頭も何でこんな餓鬼をここに置いたのか。お頭は意外に野生な所があるからなぁ・・・。野生の勘が働いたのか?ただの気まぐれ?野生の勘ならすげぇーよな!お前をその餓鬼の子守につかすくらいなんだからよ」
途中から空気がひんやりと冷たくなってきたのは気付かず、笑いながら話していたが。
後ろにいる髪の長い人が急にその人の首根っこを掴み
「何の話をしていたんでしょう?私にも聞かせてくれませんか?」
と言い。どこかに引きずって行ったりとあった。

それでも何とか出来る事を言われた通りに毎日していた。
といっても洗濯や掃除が主だったが、その広さと人数の多さで一日では終わらなかった。
「おう、餓鬼また来たのか。ほらよ今日の仕事だ。」
山積みにされた洗濯物を受け取り黙々と洗う。
「お前いい加減何か話せよ。ここに来出してほとんど喋ったことねぇじゃねぇか。」
隣で洗ってるおじさんが声をかけてくれた。
「黙々とするのもいいが楽しく行こうぜ。洗濯仲間なんだからよ」
変な人そう思いつつ。
「何、喋ってもいいの?」
「は?何言ってんだ、当たり前だろ?それとも喋ったらダメだと思ってたのか?」
意外な答えが返ってきたと思ったのか、洗濯する作業を止めて驚いた顔でこっちを見ていた。
「まぁいい。お前何歳なんだ?見た所そんなに歳は行ってないと思うんだが・・。」
「分かんない。歳って何?」
私がそう聞き直したら今度は呆けた顔でこっちを見ていた。
「お前自分が何歳か知らないのか・・・?」
黙々と洗濯しながら頷いた。
「・・まじかよ・・・。」
信じられない感じで見ていたけど、気を取り直したのか仕事に戻った。
(こりゃー一度お頭と話さねぇといけねーかなぁ)


別の日、掃除の時には。
「おい、おめー。ここに来る前何処にいたんだ?親とかいなかったのか?」
「何処って。暗い所。親って知らない」
「・・・・・・は?」
何言ってんだこいつ...みたいな顔をされた。
窓ふきをしていた時に聞かれたから答えたんだけど・・。
またずれた返答したのかな?
首を傾げながら掃除をしていたが。
「今までご飯とかくれてた人はいたのか?」
「うん」
「その人が、親じゃねーのか?」
「分かんない、知らない人がくれた」
・・・。
(おいおい。何かこいつ深刻な感じじゃねーか?俺も色々あったが、ここまでとは無かったぞ)
「そうか・・・。まあいい、ここの掃除終わらせようぜ!」
そう言われ、頷き黙々とこなしていった。



「お頭、あの餓鬼っていったいどこから来たんですか?自分の年齢も知らなんですよ。」
「お頭、俺も少し聞いたら親も知らないって言ってた。」
何かあれば定期的に報告しろと部下に行っていたんだが、思いも寄らない返答が返って来たらしく。
めったに動揺するはずのない奴等が珍しく動揺していた。
「ここにいる奴等は何かと事情がある奴ばっかです。だけど10歳前後に見えるあいつが歳も分からず、親も分からずなんてどんな生活して来たんでしょうね?」
お頭は何も言わず。黙って聞いていたが。
「何処で何をしていたかも聞いてないか?」
「暗い所にいたと言ってましたよ?」
後ろに控えていたリンゼルもその事を聞き少し深刻な顔をしていた。
「お頭・・・。あいつ喋ったらダメだとも思てたみたいです。喋ったら何かあったって事っすかね?」
「分からん、今は色々慣れさせる事を重点的にしておけ。今後どうするかは決めてないが護身は身に付けさせた方がいいかも知れないな。報告ご苦労、下がっていいぞ」
「「はい!!」」
部下を下がらせたお頭は何かを考えるように目をつむった。
「お頭、やはりここに置いて置くのは無理があります。やはり何処かへ・・・。」
「リンゼル。それは無理だ。俺たちも近々仕事がある。部下もあいつに内緒で用意を始めている頃だ。そんな中ここから放り出してみろ、親みたいになったやつが心配で仕事にならなくなる。あいつがいなくなれば戦力も落ちる。流石に俺もここまでは予測は出来なかったがな・・・。」
そういいつつも自分も気になって遠くから様子を見ているのをリンゼルも知っている。
「この仕事が終われば、一旦船に戻るぞ。」
納得は行ってないが、お頭の命令は絶対。
「分かりました、ただ仕事の時はあの子をどうするか決めておいて下さい。連れて行くわけには行きませんから」
「ああ。」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』

放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。 「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」 身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。 冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。 「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」 得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。 これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~

香木陽灯
恋愛
 「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」  実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。  「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」  「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」  二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。 ※ふんわり設定です。 ※他サイトにも掲載中です。

「魔法を使わない魔術師を切り捨てた国は、取り返しのつかない後悔をする

藤原遊
ファンタジー
魔法を使わない魔術師は、役に立たない。 そう判断した王国は、彼女を「不要」と切り捨てた。 派手な魔法も、奇跡も起こさない。 彼女がしていたのは、魔力の流れを整え、結界を維持し、 魔法事故が起きないよう“何も起こらない状態”を保つことだけだった。 代わりはいくらでもいる。 そう思われていた仕事は、彼女がいなくなった途端に破綻する。 魔法は暴走し、結界は歪み、 国は自分たちが何に守られていたのかを知る。 これは、 魔法を使わなかった魔術師が、 最後まで何もせずに証明した話。 ※主人公は一切振り返りません。

婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される

さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。 慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。 だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。 「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」 そう言って真剣な瞳で求婚してきて!? 王妃も兄王子たちも立ちはだかる。 「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。

処理中です...