命を狙われてるらしいですが、ここで生きて行きます!

茨城 凛

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11・帰りたい

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スパーン!

お頭?っと思っていたら目の前の母と名乗る女性が隣に座る男性を手に持っていたもので叩いていた。
「寝るのはやめて下さいと申しましたでしょ!何故毎回寝るのですか!」
「そうは言っても…つまらない物はつまらないんだよ。私は別に不吉な子供と言うに関しては重要とは思っていない。」
そう聞いた後、女の人が体を震わせていた。
「貴方には!分からないでしょう!昔ここで何があったか!あの!あの!?惨劇が今一度起こるかも知れないという恐怖が!もういいです!とっととその者を殺しなさい!」
女性は声を荒げた。

殺す?
何故?私何にもして無いよ?

そう思うけど、震える体では逃げる事も出来ない。
近くにいた男の人がこっちを向き何処からか小さい刃物を出してきた。

死にたくない!
ここにいたくない!
ゼン!お頭!?皆の所に帰りたい!!!

振り下ろされる瞬間、親と名乗る方を横目で見てみた。
女の人は喜んでいるのか凄く笑っているけど・・・。
男の人は苦しそう(なんで?)
疑問に思ったけどもう聞くことも出来ない。
震える体では、ここから逃げる事も‥‥。
もう・・・だめ・・・

そう思った時、中々痛い事が起こらなかった。
目をつむって縮こまっていたから気が付かなかったけど
もう少しで届くはずだった刃物に縄が巻き付いてて振り下ろせなかったみたいだ。

「誰です!?」

女の人が叫んだと思ったら聞きなれた声が・・・。

「ふぃー。間に合ったっす。いやー、危なかったっす」
「お主、何処から入ってきた。警備の者はどうした。」
父と名乗る者がゼンに聞いた。
「警備っすか?俺にはそんなもの意味ないっすよ。それよりそのお嬢さんを貰いましょうか」
「警備の者を殺したか!それにこのクズはここで死ぬ運命なのよ!」
はぁー
ゼンが呆れたようにため息つくと
「誰も殺してないっすよ、殺す価値も無い。いや・・・。今その子の事を殺すと言ったあんたは殺す価値がありそおうっすけど」
今まで見た事も無い表情をして女の人を睨んだ。
「ロゼ、今の内にこっちに来るっす!」
ゼンが来てからボー然としていたけどその声を聞いて、我に返りゼンの元に向かおうとした。
「させるか!」
そう聞こえたとたん、黒ずくめの人に腕を掴まれた。
片手だったから暴れてみたがびくともしない!
ちっ!
ゼンが忌々しいとばかりに男の人を睨んだ。
「あと少しだったんっすけどねー。」
「侵入者はお前一人か」
「はっ!言うわけないっすよ。むしろあんた一人でどうするつもりっすか?お仲間さんは帰ってきてないみたいっすね」
両親と言う人たちも今気が付いたって感じで驚きの顔をしていた。
「のんきなもんっすね。今頃気づくなんて、まぁ死んではいないっすけど一人恐ろしい者がいるっすからどうなってるかは俺も知らないっすけど」
「あら?そんな使い捨ての者達を心配してるって?勘違いしないでください。その者達はいくらでも替えがあるのですから」
父と名乗る人が女の人の言葉を聞き更に驚いた顔をしていた。
私を抱きかかえている男の人も表情は見えないけど震えていた。

「腐ってる」
ゼンが何かつぶやいたけど、小さかったから聞き取れなかった。
「こんな所にロゼは置いて行けないっすね!さてお姫様助け出すとしまっすか」
そう聞こえたと思ったら、ゼンが腕を下から軽く振るとまた紐が出て来た。
その紐が何と私の体に・・・。
「はっ?」
「あ、間違えた・・。ヤバいっす・・・またお頭に怒られる・・」
かっこいい所だったと思ったのに、背後に影を背負って落ち込んでいた。
その割には黒い男の人との刃物に巻き付いてる紐の力加減が変わっていないみたいである意味凄い。
「まぁ、良いっす。ロゼ命綱と思っておくっすよ!」

へんなこといわない!

一向に何にも進まない気がした。
はぁ
思わずため息をついてしまったのは仕方がない。
「本とは、ロゼの前では血を流したくないんすけど・・。このままではらちがあかないっすから早々返してもらうっすよ!」
そう聞こえたと思ったら、私を掴んでた手が急に緩くなった。
ゼンに巻き付かれた紐が急に引っ張られ体が・・・・宙に浮いた!

「ひゃーーーーーー」
何が!起こったの!?
分けが分からず落ちると思ったら
「お帰り」
ゼンじゃない声が聞こえた。
「遅いっすよ!」
体が浮いたとたん目をつむってしまったのを開けてみたら
お頭・・・・お頭だ・・・
思わず涙目になってしまった。

つっ・・・!
痛そうな声が聞こえた。
振り返ってみると、黒ずくめの人が私を掴んでいた腕から血を流していた。
「両手をふさがれていたら無防備になるのは分かっていたはずだ。」
男の人はいら立ちを隠せないみたいでその勢いでゼンと繋がっていた紐を切った。

「な、な、な、お前は誰です!」
「答える義理は無い」
「この私に向かってそのような!」
お頭はまるで聞こえないって感じで、帰るぞっと言ってきた。
「逃がしはしませんよ!そのクズを殺すまでは!お前さっさとやっておしまい!」
女の人が言うや否や、黒ずくめの人が襲いかかって来た。
お頭は気にしなかった。
キンッ!
何かがぶつかった音がした。
「お前の相手は、俺っすよ!」
ゼンが黒ずくめの人の刃物を受け止めていた。
「お頭、先に行っといてほしいっす。後で追いつくんで」
「ああ」
信じられないと思った。
「ゼン!」
「大丈夫っす。まずはお頭と帰ることを優先っすよ」
そう言うと、男の人と何処かに消えてしまった。
いやだ、ゼンも一緒に!
そう思ってもお頭には分かったらしく頭を撫でられた。
「大丈夫だ。ゼンを信じろ。キリが良い所で帰って来る。まずはここを抜け出すことを第一だ」
そう言って、お頭は走り出した。


ギリギリ。
「誰か!おらぬか!!」
ロゼたちが出て行った後、女の人が声をあらげた。
「はっ!」
今まで何処にいたのかぞろぞろと兵たちが集まって来た。
「今まで何をしていたのですか!族が侵入していました!ただちに殺しておしまいなさい!」
女の人に言われ兵たちは続々と城内に走り去っていった。
「逃がしはしません」
鬼の様な顔つきになった。
まるで、悪魔にでもつかれたような・・
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