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1章
1-6 はい、チュートリアルです!
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<モヴSide>
そして学園戦当日を迎える。
トーナメント運はそこまで悪くないが、準決勝の相手は相性が悪そうかな?
でもまあ、ヒカリとブロックが分かれてくれたのはラッキーだった。
「いいですか? 無理は禁物ですからね。危ないと思ったら、すぐに降参してください。それと……」
ぎゅっ。
過保護なメイド様が、コアラのように俺の腕にしがみついてくる。
左腕から伝わる、ふわっと柔らかい感触――
……に意識を持っていかれないよう、極めて紳士的に言った。
「シズクさん、注目集まっちゃってるんで、ちょっと離れよっか?」
「ふ、ふあっ……! す、すみませんっ!」
シズクは顔を真っ赤にしながら、名残惜しそうにぱっと離れる。
彼女は周りの視線に弱いのである。
「何度も言ってるけど、大丈夫だって! さすがにドラゴン討伐よりは危険じゃないし!」
「わかってます! でも……心配なんですよぉっ!」
武者修行の後半からは彼女もつれていくようになった。
出かける度に心配性を発症されるので、連れて行った方が楽なのだ。
シズクの戦闘能力も申し分ない。
まだレベル差があるが、並んだらモブの俺より明らかに強い。
追いつかれるのは時間の問題だ。
アナウンスが流れる。俺の名前と、対戦相手の名前。
確か二年生の火魔法使い。カムセとか言ったっけ?
グラフィックに力が入ってなさそうなのはどうも覚えが弱い。
「お、さっそく呼ばれたな。じゃあ行ってくる」
「はい。お気をつけて」
よわよわしく手を振るシズクの声援を受けて、いざ会場へ。
「おい、一年坊! オレ様の超絶すごい火魔法で炙ってやるぜ! 光栄に思え!」
「はい、よろしくお願いします。カモセ先輩」
「カマセだっ!! カマセ=ドッグ! 誇り高きドッグ家の長男様だ!」
なん、だと・・・。
いや、あり得るのか?こんなひどいネーミング。俺の名前が一番ひどいと思っていたが、それを越えてくるとは。
「さすがに、マケ=ドッグとかはいないよな?」
「ん? 貴様、弟の知り合いか?」
「あ、いるんだ……」
なんともお会いしてみたいものである。
同じモブの先輩として、胸を借りるつもりで戦おう。
試合内容は味気ないものだった。
初級魔法《超絶すごい魔法》をちまちま撃ってきたカマセ先輩。
それをガン処理していたら、カマセ先輩のMPが尽きた。
肉弾戦に持ち込もうとしたカマセ先輩をカウンターしたら
「うわああああああああああ」と叫び声をあげ、とんでもない速度で場外へ吹き飛んだ。
彼に学ぶことは多い。
ヒカリも初戦は難なくクリア。対戦相手は件のマケくんだったらしい。
今度、二人のサインをもらいに行こう。
その後ヒカリと俺は難なく勝ち上がり、準決勝へと駒を進めた。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
お気に入りやしおり、感想など、とても励みになっています。
引き続きお楽しみ下さい!
そして学園戦当日を迎える。
トーナメント運はそこまで悪くないが、準決勝の相手は相性が悪そうかな?
でもまあ、ヒカリとブロックが分かれてくれたのはラッキーだった。
「いいですか? 無理は禁物ですからね。危ないと思ったら、すぐに降参してください。それと……」
ぎゅっ。
過保護なメイド様が、コアラのように俺の腕にしがみついてくる。
左腕から伝わる、ふわっと柔らかい感触――
……に意識を持っていかれないよう、極めて紳士的に言った。
「シズクさん、注目集まっちゃってるんで、ちょっと離れよっか?」
「ふ、ふあっ……! す、すみませんっ!」
シズクは顔を真っ赤にしながら、名残惜しそうにぱっと離れる。
彼女は周りの視線に弱いのである。
「何度も言ってるけど、大丈夫だって! さすがにドラゴン討伐よりは危険じゃないし!」
「わかってます! でも……心配なんですよぉっ!」
武者修行の後半からは彼女もつれていくようになった。
出かける度に心配性を発症されるので、連れて行った方が楽なのだ。
シズクの戦闘能力も申し分ない。
まだレベル差があるが、並んだらモブの俺より明らかに強い。
追いつかれるのは時間の問題だ。
アナウンスが流れる。俺の名前と、対戦相手の名前。
確か二年生の火魔法使い。カムセとか言ったっけ?
グラフィックに力が入ってなさそうなのはどうも覚えが弱い。
「お、さっそく呼ばれたな。じゃあ行ってくる」
「はい。お気をつけて」
よわよわしく手を振るシズクの声援を受けて、いざ会場へ。
「おい、一年坊! オレ様の超絶すごい火魔法で炙ってやるぜ! 光栄に思え!」
「はい、よろしくお願いします。カモセ先輩」
「カマセだっ!! カマセ=ドッグ! 誇り高きドッグ家の長男様だ!」
なん、だと・・・。
いや、あり得るのか?こんなひどいネーミング。俺の名前が一番ひどいと思っていたが、それを越えてくるとは。
「さすがに、マケ=ドッグとかはいないよな?」
「ん? 貴様、弟の知り合いか?」
「あ、いるんだ……」
なんともお会いしてみたいものである。
同じモブの先輩として、胸を借りるつもりで戦おう。
試合内容は味気ないものだった。
初級魔法《超絶すごい魔法》をちまちま撃ってきたカマセ先輩。
それをガン処理していたら、カマセ先輩のMPが尽きた。
肉弾戦に持ち込もうとしたカマセ先輩をカウンターしたら
「うわああああああああああ」と叫び声をあげ、とんでもない速度で場外へ吹き飛んだ。
彼に学ぶことは多い。
ヒカリも初戦は難なくクリア。対戦相手は件のマケくんだったらしい。
今度、二人のサインをもらいに行こう。
その後ヒカリと俺は難なく勝ち上がり、準決勝へと駒を進めた。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
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引き続きお楽しみ下さい!
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