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10、春、それは要注意な季節
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がさがさ・ごそごそと近くで軽めの音が延々続いている。
あーなんかこれって嫌な予感しかしない。
ちらりとそちらに目をやって、飛び起きた。
目が覚めたら頭の傍にバケツ。
ちびっ子三人が釣りに興じた結果、小さめとはいえバケツ3杯分のザリガニ。
いや、これはちょっとやり過ぎでしょう。
魚と違ってザリガニは餌をほとんど食べられないまま釣り上げられるもんだから、餌はいつまでもあるとはいえ。
「これどうする? 何匹か残して逃がしてあげる?」
ちょっとえぐい光景になっているので聞いてみたらみんなしてキョトンとした顔でこっちを見てきた。
「え、持って帰って晩ご飯にするんだよ」
……キャッチ&リリースとか、ペット的に飼育じゃないのか。
どおりで雑にバケツに投入するなと思ったんだよ。
そんな事したらハサミ取れちゃうよ、とか思ってたんだよ。
「塩ゆでとか、スープにしてもいい出汁になるから」
動揺している私に、千秋さんが苦笑しながら教えてくれた。
あ、そうなんですか、と顔を上げると千秋さんは少し険しい表情でこちらを見ている。
何か気に障る事でも言ったっけ!?
あ、いや、ちょっとだけ「今度はザリガニ食文化に挑戦か」と思ったのが顔に出てた!?
行く気満々ではあったんだけど、嫌そうな顔になってたりした!?
「奈々ちゃん、そっちのポケット」
黒いライオン指の先からちょこっとだけ出した爪で下の方を示され、つられるように目を落とす。
そう言われてみるとパーカーの右ポケットが妙に膨らんでいるけど、何か入れてたっけ?
思わず手を突っ込んで「ひっ」とばかりに手を戻した。
あったかい毛玉つかんだー!
「やっぱり。ハリーだろ。出て来い」
いつもより低くて厳しい声で千秋さんが言うと、ぴょこりと顔を出したのは黒一色ウルウル瞳のフクロモモンガ。
ハリーさん、い、いつの間に……
「女の子の服に勝手に入るな」
千秋さんのきつめの声に「いいです、いいです、こんな可愛いフクロモモンガさんならいつでも大歓迎ですよ!」と言いかけたけど。
「寝てる間に勝手に入るなんてお前それ、痴漢行為だから」
……そうか、そうなるのか。
きゅるるんとしたつぶらな瞳の持ち主だけど、ハリーさん、成人男性だった。
「ちょっとごめんね」
千秋さんは私にそう断り、ポケットからハリーさんを人の左手でつまみ上げる。
「お前だって奈々ちゃんと一緒に寝てただろうが」
千秋さんの顔の高さにつまみ上げられたハリーさんは憮然と反論したけど、え、それマジですか、ハリーさん。
やっぱり千秋さん激お疲れだったんじゃないですか。
首の後ろをつままれてジタバタもがくハリーさんを無視し、千秋さんは一度ちらりと空を見上げてからハリーさんを器用にライオンの右手に閉じ込めた。
そして右肘を後ろへ引き━━空めがけて思いきり投擲した。
へ?
「えぇぇぇぇぇ!?」
なんでハリーさん投げるんですかぁぁ!
慌てて空を見れば、両手両足を広げてスーッと風に乗ってるハリーさん。
あぁ、そうだ。
フクロモモンガは滑空が出来るんだ。
あ、でも着地ってどうなるんだろ。
なんて考えた次の瞬間、そんなハリーさんを大きな黒い影がかっさらう。
空の平和を守るお巡りさん、オジロワシのワシザキさんがシャレにならないリアルな猛禽類の足でハリーさんをひっつかむとあっという間に点の大きさになった。
うわぁぁぁ!
それ、ハリーさんです!
目前で展開されたのは「衝撃映像」とか「あり得ない出来事」みたいな2時間番組で取り上げられるような驚異の光景。
それなのに。
「さっすがー! ワシの兄ちゃんカッケー!」
「空のお巡りさんってめっちゃ目がいいんだろ?」
「1キロ先の果物が見えるって言ってたからね」
子供達の歓声に、腰に両手を当てて空を見上げる千秋さんは冷静に対応している。
そうそう、ワシってすごい遠くの獲物も見付けられるんだよねって……
いいんですか、いいんですかあれ。
千秋さんと、すでに点も見えなくなった空の彼方を何度も見比べた。
「ワシの兄ちゃん、ちょっと前から上飛んでたからなぁ」
「姉ちゃんのポケットに勝手に入ったの、見てたのかもね」
ほ、ほんとに?
本能でついかっさらっちゃったとかじゃなく?
ハリーさんホントに無事?
「連行して厳重注意ってとこかな」
千秋さんを見上げれば肩をすくめた。
「でもそれ言うなら姉ちゃんだって……」
何か言いかけたフータ君を、千秋さんはひょいと掲げ上げる。
「さ、そろそろ帰ろうか。それ、お母さん達おすそ分けしないといけないだろうし」
ずるい、わたしも、ぼくも、というペーター君とフーカちゃんをあしらいながら、千秋さんは帰り支度を始める。
「春なんだし、気をつけてね」
春は妙なのが出るから、みたいな言い方だった。
春だから私や千秋さんみたいにハリーさんも寝入っちゃっただけだと思ったのに、こちらの皆さんには軽犯罪に該当するのか。
以後気をつけたいと思います、が。
あんなつぶらな瞳で実はウヘウヘとか、なかなか結び付かないんだよー
私、超がつくほどの平凡顔だから、そんな対象になるなんて思ってもないし。
その後、隣同士だから千秋さんと一緒に帰ったけど多分送ってくれたんだろうな。
もしかしてザリガニ釣りに付き合ってくれたのも、待っててくれたとかだったのかな。
この時期は「春は変質者が多い」とばかりに毎年ものすごい心配してくれるからなぁ。
悪い事しちゃったかなぁ。
そんな事を考えながら家に入ったら、誰から聞いたのか母に言われた。
「奈々、河原で段ボール敷いて寝てたんだって? ご近所の目もあるんだから、段ボールはやめなさいよ」
……うん、しかも子供達が気を遣ってくれたみたいで新聞紙かけてあったんだよ。
河原と段ボールと新聞紙はちょっとそろい過ぎだよね。
翌日、フータ君達がお母さんとお店に来てくれた。
チャンス!
「昨日はザリガニありがとうございました」、なんてお母さん同士がレジで話している間にフータ君に忍び寄る。
あ、千秋さんが作っておすそ分けしてくれたザリガニスープは絶品でした。
「昨日、私なんか変な事してた?」
ずっと気になってたんだよ。
フータ君は10歳くらいで、やんちゃ少年だから聞きやすい。
「ずっとブチョーさんのライオン手を枕にしてた。すんげー気持ちよさそうに寝てたけど、ヨダレ垂れるとブチョーさん可哀想だから起こそうとしたら、ブチョーさんがいいって言うからほっといたよ」
……
「ねーちゃんお客さんだよな? しっぽないし。なんかフミフミやってるからネコ混じってるのかと思っちゃったよ」
……
ネコ、の、フミフミ、とな?
子猫がお母さんのおっぱいを吸う時、出が良くする為に両手でフミフミするあれだよね?
大きくなっても気持ちいい時についやっちゃうという、あのフミフミだよね?
つまり、千秋さんの手を揉みしだいて堪能していたと?
……あかん。
それは立派なセクハラ案件だわ。
あーなんかこれって嫌な予感しかしない。
ちらりとそちらに目をやって、飛び起きた。
目が覚めたら頭の傍にバケツ。
ちびっ子三人が釣りに興じた結果、小さめとはいえバケツ3杯分のザリガニ。
いや、これはちょっとやり過ぎでしょう。
魚と違ってザリガニは餌をほとんど食べられないまま釣り上げられるもんだから、餌はいつまでもあるとはいえ。
「これどうする? 何匹か残して逃がしてあげる?」
ちょっとえぐい光景になっているので聞いてみたらみんなしてキョトンとした顔でこっちを見てきた。
「え、持って帰って晩ご飯にするんだよ」
……キャッチ&リリースとか、ペット的に飼育じゃないのか。
どおりで雑にバケツに投入するなと思ったんだよ。
そんな事したらハサミ取れちゃうよ、とか思ってたんだよ。
「塩ゆでとか、スープにしてもいい出汁になるから」
動揺している私に、千秋さんが苦笑しながら教えてくれた。
あ、そうなんですか、と顔を上げると千秋さんは少し険しい表情でこちらを見ている。
何か気に障る事でも言ったっけ!?
あ、いや、ちょっとだけ「今度はザリガニ食文化に挑戦か」と思ったのが顔に出てた!?
行く気満々ではあったんだけど、嫌そうな顔になってたりした!?
「奈々ちゃん、そっちのポケット」
黒いライオン指の先からちょこっとだけ出した爪で下の方を示され、つられるように目を落とす。
そう言われてみるとパーカーの右ポケットが妙に膨らんでいるけど、何か入れてたっけ?
思わず手を突っ込んで「ひっ」とばかりに手を戻した。
あったかい毛玉つかんだー!
「やっぱり。ハリーだろ。出て来い」
いつもより低くて厳しい声で千秋さんが言うと、ぴょこりと顔を出したのは黒一色ウルウル瞳のフクロモモンガ。
ハリーさん、い、いつの間に……
「女の子の服に勝手に入るな」
千秋さんのきつめの声に「いいです、いいです、こんな可愛いフクロモモンガさんならいつでも大歓迎ですよ!」と言いかけたけど。
「寝てる間に勝手に入るなんてお前それ、痴漢行為だから」
……そうか、そうなるのか。
きゅるるんとしたつぶらな瞳の持ち主だけど、ハリーさん、成人男性だった。
「ちょっとごめんね」
千秋さんは私にそう断り、ポケットからハリーさんを人の左手でつまみ上げる。
「お前だって奈々ちゃんと一緒に寝てただろうが」
千秋さんの顔の高さにつまみ上げられたハリーさんは憮然と反論したけど、え、それマジですか、ハリーさん。
やっぱり千秋さん激お疲れだったんじゃないですか。
首の後ろをつままれてジタバタもがくハリーさんを無視し、千秋さんは一度ちらりと空を見上げてからハリーさんを器用にライオンの右手に閉じ込めた。
そして右肘を後ろへ引き━━空めがけて思いきり投擲した。
へ?
「えぇぇぇぇぇ!?」
なんでハリーさん投げるんですかぁぁ!
慌てて空を見れば、両手両足を広げてスーッと風に乗ってるハリーさん。
あぁ、そうだ。
フクロモモンガは滑空が出来るんだ。
あ、でも着地ってどうなるんだろ。
なんて考えた次の瞬間、そんなハリーさんを大きな黒い影がかっさらう。
空の平和を守るお巡りさん、オジロワシのワシザキさんがシャレにならないリアルな猛禽類の足でハリーさんをひっつかむとあっという間に点の大きさになった。
うわぁぁぁ!
それ、ハリーさんです!
目前で展開されたのは「衝撃映像」とか「あり得ない出来事」みたいな2時間番組で取り上げられるような驚異の光景。
それなのに。
「さっすがー! ワシの兄ちゃんカッケー!」
「空のお巡りさんってめっちゃ目がいいんだろ?」
「1キロ先の果物が見えるって言ってたからね」
子供達の歓声に、腰に両手を当てて空を見上げる千秋さんは冷静に対応している。
そうそう、ワシってすごい遠くの獲物も見付けられるんだよねって……
いいんですか、いいんですかあれ。
千秋さんと、すでに点も見えなくなった空の彼方を何度も見比べた。
「ワシの兄ちゃん、ちょっと前から上飛んでたからなぁ」
「姉ちゃんのポケットに勝手に入ったの、見てたのかもね」
ほ、ほんとに?
本能でついかっさらっちゃったとかじゃなく?
ハリーさんホントに無事?
「連行して厳重注意ってとこかな」
千秋さんを見上げれば肩をすくめた。
「でもそれ言うなら姉ちゃんだって……」
何か言いかけたフータ君を、千秋さんはひょいと掲げ上げる。
「さ、そろそろ帰ろうか。それ、お母さん達おすそ分けしないといけないだろうし」
ずるい、わたしも、ぼくも、というペーター君とフーカちゃんをあしらいながら、千秋さんは帰り支度を始める。
「春なんだし、気をつけてね」
春は妙なのが出るから、みたいな言い方だった。
春だから私や千秋さんみたいにハリーさんも寝入っちゃっただけだと思ったのに、こちらの皆さんには軽犯罪に該当するのか。
以後気をつけたいと思います、が。
あんなつぶらな瞳で実はウヘウヘとか、なかなか結び付かないんだよー
私、超がつくほどの平凡顔だから、そんな対象になるなんて思ってもないし。
その後、隣同士だから千秋さんと一緒に帰ったけど多分送ってくれたんだろうな。
もしかしてザリガニ釣りに付き合ってくれたのも、待っててくれたとかだったのかな。
この時期は「春は変質者が多い」とばかりに毎年ものすごい心配してくれるからなぁ。
悪い事しちゃったかなぁ。
そんな事を考えながら家に入ったら、誰から聞いたのか母に言われた。
「奈々、河原で段ボール敷いて寝てたんだって? ご近所の目もあるんだから、段ボールはやめなさいよ」
……うん、しかも子供達が気を遣ってくれたみたいで新聞紙かけてあったんだよ。
河原と段ボールと新聞紙はちょっとそろい過ぎだよね。
翌日、フータ君達がお母さんとお店に来てくれた。
チャンス!
「昨日はザリガニありがとうございました」、なんてお母さん同士がレジで話している間にフータ君に忍び寄る。
あ、千秋さんが作っておすそ分けしてくれたザリガニスープは絶品でした。
「昨日、私なんか変な事してた?」
ずっと気になってたんだよ。
フータ君は10歳くらいで、やんちゃ少年だから聞きやすい。
「ずっとブチョーさんのライオン手を枕にしてた。すんげー気持ちよさそうに寝てたけど、ヨダレ垂れるとブチョーさん可哀想だから起こそうとしたら、ブチョーさんがいいって言うからほっといたよ」
……
「ねーちゃんお客さんだよな? しっぽないし。なんかフミフミやってるからネコ混じってるのかと思っちゃったよ」
……
ネコ、の、フミフミ、とな?
子猫がお母さんのおっぱいを吸う時、出が良くする為に両手でフミフミするあれだよね?
大きくなっても気持ちいい時についやっちゃうという、あのフミフミだよね?
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