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第二章 わだつみの娘と海の国の婚約者
20、腹黒は人質だと言い、性悪はあでやかに笑む。
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ドレファン一家の海姫が婚約者である事をこれ幸いに、レイスノートに雇われた海賊団が因縁をつけてくる━━
オーシアンは海賊団の襲来を早々に把握していた。
「足りないなら北方配属の大砲と砲弾を使え」
どう退けるか対策を模索する中、多数の大砲が必要になった段においてレオンは躊躇う事なく命じた。
もちろん、軍の司令官達は口を揃えて異を唱えた。
すでにこちらに害意がある事が証明されているレイスノート。そんな国に面する国境の装備を、はるか南方の海岸に割くなど正気の沙汰ではない。重臣たちは国王にこぞって進言した。
しかしレオニーク・バルトンは首を横に振ったのだった。
「北部の部隊は最小限でいい。レイスノートはうちに恩が売りたいだけだ。本気で戦争を起こす気はない。警備が手薄だと知っても攻撃はして来ない。何より、レイスノートは絶対に手を出せない」
鋭い彼のまなざしからは揺るぎない自信がうかがえた。
「こちらにも人質自らお越しいただける予定だからな」
レイスノートの王弟が自ら訪れているのだ。
オーシアンに乗り込み、交渉を任せられた人間。かの国の王がそれを任せたほどの人間である。
軍師役の相棒のその言葉にシーアは目を輝かせた。
その方針をずいぶんとお気に召したようだった。
「絶好の機会に手が出せないとか、むこうは腸が煮えくり返るだろうな」
なんて底意地の悪い事を考えるんだか。
自然とシーアの口元は性根の悪さを隠そうともしない笑みに歪んでいた。
「大砲は川から運搬し、なんなら返却はレイスノート王弟の帰還に便乗させてもらってもいいくらいだ」
レオンの追い打ちのようなそれにシーアは声を上げて笑った。
シーアの自ら押しかけて人質になろうという策に当然難色を示したレオンだったが、策を詰めるに従い最終的にはそれを採用した。
彼にとっては苦渋の選択となったが、それを表沙汰にする事はシーアとの信頼関係を傷付ける事になる。
かつて3年間、組んでいた頃と同じだった。
シーアの無謀な発案にはじめは当然反対するが、結局は策を補完しより成功性の高い策に仕上げるのは彼の役目だった。
いざとなれば何としても彼女を取り返す。
考えられるあらゆる事態を想定して、国王レオニーク・バルトンは策を講じた。
問題は海賊船からの脱出だったが、それはシーアが簡単に打開案を出した。
「よし、久々にセド爺に遊んでもらうか」
それが何を意味するか容易に検討がつくレオンは、固く目を閉じて天を仰ぐと他の案を模索した。
しかし最終的に稀代の砲撃手の召喚をシーアに依頼したのだった。
彼にとってそれらは全て、苦渋の選択となった。
そしてシーアは計画通り深まった秋に朝夕の冷え込みを感じながら式典の三日前より、オーシアン東部の海域に一人で船を浮かべ、連日漁に出掛けたのだ。
二日間、目当ては釣れず焦りが出た式典当日の朝━━ついに獲物がかかった。
相手はこの海域には詳しくない遠方の海賊達である。
水先案内になりえる者があれば当然捕えるだろうと踏んでいた。
こうしてシーアは予定通りレイスノートに雇われた集団の船に単身乗り込むことに成功したのだった。もし拿捕されなければ、押しかけ人質として自ら手漕ぎの小舟で接触する気でいた。
◆◇◆
あの男が策を練ったのだ。今の彼女に不安はなかった。
ああ言えばこう言う。
シーアは海賊達の言葉に丁寧に一つ一つ答えてやった。
所々発音の抑揚が現地人とは違う個所も見られたが、その言語にはよどみがない。
『安心しなよ、裏切ったと思わせないような状況を作ってやるからさ。今日船を失うのと、報酬の残り半分を諦めるのと、どっちがいい? ━━今すぐ選びな』
軽い調子から一転、突然鋭く言い放った。
どちらにしろ失う選択肢しかない二択に、海賊の首領は舌打ちする。
『もっとマシな選択肢はねぇのか』
『ずいぶんマシな話をしてるつもりだけどね』
心外そうに肩をすくめたかと思うと、顎を引いて表情を引き締める。
『言っただろう、海は荒れる。新造船を沈める覚悟でやってんだよ、こっちは』
まわりを圧倒するような鋭い顔つきで挑むように断言する漁師の形をした海姫に、男達はオーシアンという国の本気を垣間見た気がした。
『わたしを先頭の小舟に乗せな。オーシアンがわたしの無事を確認すれば、お前らは逃がしてやる。もしわたしに少しでも危害を加えれば退路を断って全船沈めてやる。ハッタリかどうか、試してみるか?』
大砲からの砲撃では船を沈めるのは不可能だ。砲撃には人的被害と船を操縦不能にする威力しかない。
しかしそれを熟知しているはずのシーアは、絶対の自信で沈没を断言する。
『悪い取引じゃないぞ。よく考えろ。状況を見極めてむこうにつく事だって出来るんだ。その頃わたしは離脱してる。後はお前らがどうなろうと知ったこっちゃない。レイスノートにしてみればお前らが沈もうが痛くもかゆくもないだろうがな。残りの報酬を払わずに済むからかえって喜ぶかもな』
男達は沈黙した。
一人の男が確認するように口を開く。
『海が荒れるってのはどういうことだ』
『それは秘密。まぁ聞いた所でこっちからじゃどうにも出来ないけどね。無理に口を割らせようとしてもいいけど、そんな姿を見たらわたしの婚約者はそりゃ怒るだろうね』
楽しそうに笑って、彼女は極めつけに言い放った。
『残念だったな。お前達はわたしを人質に取っちまったんだよ』
それは悪魔か死神の宣告のような無情な一言だった。
何人かから『船を出してやるから』と海姫を返そうという意見も出たが、彼女は鼻で笑った。
『残念だがわたしが拿捕されたのは海の国も知ってるぞ。わたしの護衛が見ていたからな』
本当に、お人よしの扱いやすい連中ばかりよくも集めたもんだ。
呆れながら顎をそらして言った。
『今さら返された所でオーシアンは心置きなくお前達を殲滅するだけだぞ。わたしがこっちにいた方がいいって』
まるで裏など無いかのような屈託のない笑顔でシーアは親し気に、楽し気に男達に語り掛ける。
『わたしを無事帰せば船は無事なんだ。レイスノートに面倒をかけられた者同士、仲良くしようって』
自身を人質だと言ったばかりの女は、その時点で完全に彼等の船を質に取っていた。
船を失う。
当然そこに乗っている人間も同じ運命をたどることは想像に難くない。
切れ者と言われるオーシアンの国王レオニーク・バルトン。
その実力は未知なる部分も多かった。
彼等にとって船は一番の財産であり、唯一無二の仕事道具である。
それを人質にとるという発案は、誰の物なのか。
彼等にはそれを考える時間も、そして選択の余地も無かった。
そして自称人質の女は笑ってまた言うのだ。
決定的な追い打ちを。
『悪いようにはしないから』
それは悪人の言う事だろう。
そう思いながら、彼らはその鮮やかな笑みが忘れられないだろう事を予感した。
式典が始まるまでに残された時間は少ない。
海賊船は無秩序にオーシアンの港を包囲することになっていた。しかしシーアは海賊船団もオーシアン海軍もお互い砲撃の届かないギリギリの距離に、シーアの指示通り船を並べろと言う。しかもレイスノート側の連中にはシーアと手を組んだことを絶対に悟られないように。
そんな精神的重労働を彼等は半ば押しかけるように乗り込んで来た傍若無人な人質に指示されたのである。
彼等は海姫の指示通り動きながら、世間で密かに噂される一つの可能性が脳裏をよぎり戸惑いと困惑を覚える。
実に有能な統治者であり、美丈夫と近隣諸国でも名高い海の国国王レオニーク・バルトンが海姫との婚約を発表した時、海に生きる荒くれ達は眉をひそめた。
オーシアンとドレファン一家の首領、そしてその養女の目的は、その狙いは。警戒するとともにそれを恐れ続けている。
巷の若い女達などはそこにあるのは算段や計略などではなく、五年も想い合って添い遂げようとしているのだと喜々として語る者も多い。
しかし、海の男達はそれはないだろうと改めて思った。
もし万が一、本当にそんなふざけた話なのだとしたら━━才知にも容姿にも恵まれ、稀代の王とさえ言われる男は絶望的なまでに女の趣味が悪すぎるという事になるのだから。
オーシアンは海賊団の襲来を早々に把握していた。
「足りないなら北方配属の大砲と砲弾を使え」
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もちろん、軍の司令官達は口を揃えて異を唱えた。
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「大砲は川から運搬し、なんなら返却はレイスノート王弟の帰還に便乗させてもらってもいいくらいだ」
レオンの追い打ちのようなそれにシーアは声を上げて笑った。
シーアの自ら押しかけて人質になろうという策に当然難色を示したレオンだったが、策を詰めるに従い最終的にはそれを採用した。
彼にとっては苦渋の選択となったが、それを表沙汰にする事はシーアとの信頼関係を傷付ける事になる。
かつて3年間、組んでいた頃と同じだった。
シーアの無謀な発案にはじめは当然反対するが、結局は策を補完しより成功性の高い策に仕上げるのは彼の役目だった。
いざとなれば何としても彼女を取り返す。
考えられるあらゆる事態を想定して、国王レオニーク・バルトンは策を講じた。
問題は海賊船からの脱出だったが、それはシーアが簡単に打開案を出した。
「よし、久々にセド爺に遊んでもらうか」
それが何を意味するか容易に検討がつくレオンは、固く目を閉じて天を仰ぐと他の案を模索した。
しかし最終的に稀代の砲撃手の召喚をシーアに依頼したのだった。
彼にとってそれらは全て、苦渋の選択となった。
そしてシーアは計画通り深まった秋に朝夕の冷え込みを感じながら式典の三日前より、オーシアン東部の海域に一人で船を浮かべ、連日漁に出掛けたのだ。
二日間、目当ては釣れず焦りが出た式典当日の朝━━ついに獲物がかかった。
相手はこの海域には詳しくない遠方の海賊達である。
水先案内になりえる者があれば当然捕えるだろうと踏んでいた。
こうしてシーアは予定通りレイスノートに雇われた集団の船に単身乗り込むことに成功したのだった。もし拿捕されなければ、押しかけ人質として自ら手漕ぎの小舟で接触する気でいた。
◆◇◆
あの男が策を練ったのだ。今の彼女に不安はなかった。
ああ言えばこう言う。
シーアは海賊達の言葉に丁寧に一つ一つ答えてやった。
所々発音の抑揚が現地人とは違う個所も見られたが、その言語にはよどみがない。
『安心しなよ、裏切ったと思わせないような状況を作ってやるからさ。今日船を失うのと、報酬の残り半分を諦めるのと、どっちがいい? ━━今すぐ選びな』
軽い調子から一転、突然鋭く言い放った。
どちらにしろ失う選択肢しかない二択に、海賊の首領は舌打ちする。
『もっとマシな選択肢はねぇのか』
『ずいぶんマシな話をしてるつもりだけどね』
心外そうに肩をすくめたかと思うと、顎を引いて表情を引き締める。
『言っただろう、海は荒れる。新造船を沈める覚悟でやってんだよ、こっちは』
まわりを圧倒するような鋭い顔つきで挑むように断言する漁師の形をした海姫に、男達はオーシアンという国の本気を垣間見た気がした。
『わたしを先頭の小舟に乗せな。オーシアンがわたしの無事を確認すれば、お前らは逃がしてやる。もしわたしに少しでも危害を加えれば退路を断って全船沈めてやる。ハッタリかどうか、試してみるか?』
大砲からの砲撃では船を沈めるのは不可能だ。砲撃には人的被害と船を操縦不能にする威力しかない。
しかしそれを熟知しているはずのシーアは、絶対の自信で沈没を断言する。
『悪い取引じゃないぞ。よく考えろ。状況を見極めてむこうにつく事だって出来るんだ。その頃わたしは離脱してる。後はお前らがどうなろうと知ったこっちゃない。レイスノートにしてみればお前らが沈もうが痛くもかゆくもないだろうがな。残りの報酬を払わずに済むからかえって喜ぶかもな』
男達は沈黙した。
一人の男が確認するように口を開く。
『海が荒れるってのはどういうことだ』
『それは秘密。まぁ聞いた所でこっちからじゃどうにも出来ないけどね。無理に口を割らせようとしてもいいけど、そんな姿を見たらわたしの婚約者はそりゃ怒るだろうね』
楽しそうに笑って、彼女は極めつけに言い放った。
『残念だったな。お前達はわたしを人質に取っちまったんだよ』
それは悪魔か死神の宣告のような無情な一言だった。
何人かから『船を出してやるから』と海姫を返そうという意見も出たが、彼女は鼻で笑った。
『残念だがわたしが拿捕されたのは海の国も知ってるぞ。わたしの護衛が見ていたからな』
本当に、お人よしの扱いやすい連中ばかりよくも集めたもんだ。
呆れながら顎をそらして言った。
『今さら返された所でオーシアンは心置きなくお前達を殲滅するだけだぞ。わたしがこっちにいた方がいいって』
まるで裏など無いかのような屈託のない笑顔でシーアは親し気に、楽し気に男達に語り掛ける。
『わたしを無事帰せば船は無事なんだ。レイスノートに面倒をかけられた者同士、仲良くしようって』
自身を人質だと言ったばかりの女は、その時点で完全に彼等の船を質に取っていた。
船を失う。
当然そこに乗っている人間も同じ運命をたどることは想像に難くない。
切れ者と言われるオーシアンの国王レオニーク・バルトン。
その実力は未知なる部分も多かった。
彼等にとって船は一番の財産であり、唯一無二の仕事道具である。
それを人質にとるという発案は、誰の物なのか。
彼等にはそれを考える時間も、そして選択の余地も無かった。
そして自称人質の女は笑ってまた言うのだ。
決定的な追い打ちを。
『悪いようにはしないから』
それは悪人の言う事だろう。
そう思いながら、彼らはその鮮やかな笑みが忘れられないだろう事を予感した。
式典が始まるまでに残された時間は少ない。
海賊船は無秩序にオーシアンの港を包囲することになっていた。しかしシーアは海賊船団もオーシアン海軍もお互い砲撃の届かないギリギリの距離に、シーアの指示通り船を並べろと言う。しかもレイスノート側の連中にはシーアと手を組んだことを絶対に悟られないように。
そんな精神的重労働を彼等は半ば押しかけるように乗り込んで来た傍若無人な人質に指示されたのである。
彼等は海姫の指示通り動きながら、世間で密かに噂される一つの可能性が脳裏をよぎり戸惑いと困惑を覚える。
実に有能な統治者であり、美丈夫と近隣諸国でも名高い海の国国王レオニーク・バルトンが海姫との婚約を発表した時、海に生きる荒くれ達は眉をひそめた。
オーシアンとドレファン一家の首領、そしてその養女の目的は、その狙いは。警戒するとともにそれを恐れ続けている。
巷の若い女達などはそこにあるのは算段や計略などではなく、五年も想い合って添い遂げようとしているのだと喜々として語る者も多い。
しかし、海の男達はそれはないだろうと改めて思った。
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