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第二部第四章 クーデターイベント(当日)
幕間2 イタチvs.理伏1
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馬王スレイプニル。
悪神ロキの息子。ある駿馬と雌馬に化けたロキとの間に生まれた、八本脚の怪馬。北欧の大神の軍馬であり、全ての馬の中で最高のものと称される。空をも翔る事が出来たという。
◇
議事堂『雲海』の中庭にて、イタチが矢を射る。
イタチの弓術は十年以上の研鑽を積んだものだ。その命中率は飛ぶ鷹をも落とす。魔力で威力を底上げしたならば鷹どころか飛竜すらも撃ち砕く。個人が大砲を携帯していると考えれば、その脅威の程は分かるだろう。
しかし、その驚異的な矢も理伏には当たらなかった。
理伏が空を翔る。彼女は直線的にした飛行出来なかった筈だが、今は違う。虚空に足場がある様に彼女は空を疾駆し、イタチの矢を易々と躱していた。まるで馬の様な走り方だ。
「ふっ――!」
疾駆の勢いを殺さず理伏がイタチに肉薄する。振るう忍者刀は一陣の風の如くだ。あまりの素早さにイタチは躱し切れず、左胸に裂傷を刻む。
「ちっ……!」
「…………」
イタチにダメージを与えたにも拘らず、理伏の表情は変わらない。無感動だが険しく、獲物を淡々と狙う肉食の昆虫の様だ。しかし、彼女に憑依しているのは昆虫ではない。馬だ。空中を疾走し、世界の全てを巡る馬王スレイプニルだ。
理伏が宙を反転し、再びイタチを狙う。今度は突きの構えだ。
「『初級流水魔術』応用技――歩法『磯撫』!」
イタチの足裏に水が生まれ、圧力が掛かる。噴射した水がイタチの身体を運び、イタチを理伏の刀から逃がした。
ウィッカーマン戦で見せた高速移動の摺り足だ。藍兎達を組むようになってからは遠距離攻撃がメインで出番がなかったが、今は前衛がいないので使わざるを得ない。
「さあ、来い!」
「…………」
逃げたイタチを理伏を無言で追う。応じてイタチが腰の舶刀を抜く。理伏の刺突が迫る。イタチはそれをカットラスで受け止め、横に流した。軌道をずらされた理伏の刀が地面に刺さる。その隙を見逃さずイタチが刃を振り下ろす。
しかし、当たらない。理伏は刀を手放して自由になり、地面を蹴って後方に逃げおおせた。カットラスが空気を斬ったその刹那、理伏が両刃の短刀――苦無を懐から取り出して投げた。空振りしたばかりで咄嗟に動けないイタチは、『磯撫』を使って無理矢理立ち位置をずらした。イタチがいなくなった虚空を苦無が貫く。イタチが距離を取った間に理伏が跳躍し、刀を取り戻す。
「ちっ……!」
「…………」
理伏がイタチへと斬撃を連続で繰り出す。絶え間なき刃は縦横無尽さでは桜嵐に似ていたが、こちらは疾風の様に軽やかだ。忍者刀の小回りを利かせ、イタチを追い詰める。
イタチも応戦するが、彼はあくまで遠距離攻撃の主力だ。接近戦では分が悪い。理伏の連撃にどうにか追い縋るも徐々に置いてかれ、全身を刻まれていく。行動不能になるような傷こそ避けているが、それもいつまで持つかだ。
「さすがは俺様の従僕、やりおるわ! ……だが」
イタチが右足で地面を思い切り踏む。同時、『磯撫』がイタチの前面に噴射され、理伏に掛かる。不意を突かれた理伏の目に水滴が入り、一瞬だけ彼女の動きが止まる。その間にイタチは左足の『磯撫』で地面を蹴り、理伏の間合いから離脱した。
瞬きを繰り返す理伏を見据えてイタチは言う。
「貴様、何故忍術を使わない?」
理伏はくノ一だ。風魔忍軍の一員である彼女は、疾風魔術と剣技を組み合わせた忍術を習得している。『島風』や『天津風』といった必殺技はこの戦場においても有効だろう。使わない手はない筈なのに、それを使ってこないという事は即ち、
「……使えんのか。理伏に憑依した貴様が何なのかは知らんが、器にした人間の能力全てを引き継げる訳ではないのだな。恐らくは身体能力だけを操れるのか」
「…………」
理伏――スレイプニルは答えない。沈黙の視線でイタチを見返すだけだ。
「どうした? まんまと指摘されて悔しいのか? それとも俺様の話なんぞ聞く耳持たんか? 何と言ったらどうだ、貴様」
「――『四本脚』」
「む? ――――っ!?」
理伏がぼそりと呟いた。イタチは訊き返そうとして突如総毛立った。本能的にカットラスを盾として構える。瞬きよりも短い直後、イタチは弾かれていた。足を縺れさせながら、イタチはどうにか転倒を防ぐ。そして、何事が起きたのかを確認しようと首を巡らせた。
理伏の背中がイタチの後方にあった。
先程まで彼女はイタチの前方にいた。それが後方にいるとなると、一直線に移動したと考えるのが普通だ。しかし、前方から後方へ移動した瞬間をイタチは視認出来なかった。気付いたら彼女が後方にいたのだ。
「貴様……!」
「――『六本脚』」
ぐるり、と理伏がイタチを振り返る。
次の瞬間、理伏の姿が消えた。同時にイタチのカットラスが宙に浮いていた。イタチが自ら手放したのではない。強い衝撃をカットラスに受けて、握力がそれに耐え切れず放してしまったのだ。イタチがそれに気付いたのはカットラスが宙から落下を始めた後だった。
理伏はまたしてもイタチの後方に移動していた。腕の痺れを感じながら、イタチは気付いた事実に愕然とする。
間違いない。先程のも、今のも、理伏の突進だ。
理伏が目にも止まらぬ速度で突進をして、イタチのカットラスを弾き飛ばしたのだ。しかも、腕に残る痺れから察するに、一度目よりも二度目の方が速い。二度目の方が衝撃が重かったのだ。
理伏には不可能な超加速。紛れもなくスレイプニルのスキルだ。もしこれ以上速くなれるのであれば、その時は――
「『八本脚』!」
――その瞬間、理伏が音を置き去りにした。
衝撃波が中庭を駆け抜け、花壇や石段を抉った。音の壁を破った反動で理伏も打撃を受けた。服はボロボロになり、全身のあちこちに痣が出来ている。
しかし、やはり一番の重傷はイタチだ。
「あ……か、はっ……!」
音速を超えた斬撃。見えもしなければ聞こえもしない一撃を喰らい、イタチの身体が中庭を横切って議事堂の壁に叩き付けられた。イタチが吐血し、傷口からは鮮血が迸る。石畳には点々と血痕が描かれていた。
「……き、さ……」
イタチが壁から剥がれ落ちる。彼の四肢から力はとうに抜けていた。重力に対して為す術なく、イタチはそのまま顔面から倒れた。
悪神ロキの息子。ある駿馬と雌馬に化けたロキとの間に生まれた、八本脚の怪馬。北欧の大神の軍馬であり、全ての馬の中で最高のものと称される。空をも翔る事が出来たという。
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議事堂『雲海』の中庭にて、イタチが矢を射る。
イタチの弓術は十年以上の研鑽を積んだものだ。その命中率は飛ぶ鷹をも落とす。魔力で威力を底上げしたならば鷹どころか飛竜すらも撃ち砕く。個人が大砲を携帯していると考えれば、その脅威の程は分かるだろう。
しかし、その驚異的な矢も理伏には当たらなかった。
理伏が空を翔る。彼女は直線的にした飛行出来なかった筈だが、今は違う。虚空に足場がある様に彼女は空を疾駆し、イタチの矢を易々と躱していた。まるで馬の様な走り方だ。
「ふっ――!」
疾駆の勢いを殺さず理伏がイタチに肉薄する。振るう忍者刀は一陣の風の如くだ。あまりの素早さにイタチは躱し切れず、左胸に裂傷を刻む。
「ちっ……!」
「…………」
イタチにダメージを与えたにも拘らず、理伏の表情は変わらない。無感動だが険しく、獲物を淡々と狙う肉食の昆虫の様だ。しかし、彼女に憑依しているのは昆虫ではない。馬だ。空中を疾走し、世界の全てを巡る馬王スレイプニルだ。
理伏が宙を反転し、再びイタチを狙う。今度は突きの構えだ。
「『初級流水魔術』応用技――歩法『磯撫』!」
イタチの足裏に水が生まれ、圧力が掛かる。噴射した水がイタチの身体を運び、イタチを理伏の刀から逃がした。
ウィッカーマン戦で見せた高速移動の摺り足だ。藍兎達を組むようになってからは遠距離攻撃がメインで出番がなかったが、今は前衛がいないので使わざるを得ない。
「さあ、来い!」
「…………」
逃げたイタチを理伏を無言で追う。応じてイタチが腰の舶刀を抜く。理伏の刺突が迫る。イタチはそれをカットラスで受け止め、横に流した。軌道をずらされた理伏の刀が地面に刺さる。その隙を見逃さずイタチが刃を振り下ろす。
しかし、当たらない。理伏は刀を手放して自由になり、地面を蹴って後方に逃げおおせた。カットラスが空気を斬ったその刹那、理伏が両刃の短刀――苦無を懐から取り出して投げた。空振りしたばかりで咄嗟に動けないイタチは、『磯撫』を使って無理矢理立ち位置をずらした。イタチがいなくなった虚空を苦無が貫く。イタチが距離を取った間に理伏が跳躍し、刀を取り戻す。
「ちっ……!」
「…………」
理伏がイタチへと斬撃を連続で繰り出す。絶え間なき刃は縦横無尽さでは桜嵐に似ていたが、こちらは疾風の様に軽やかだ。忍者刀の小回りを利かせ、イタチを追い詰める。
イタチも応戦するが、彼はあくまで遠距離攻撃の主力だ。接近戦では分が悪い。理伏の連撃にどうにか追い縋るも徐々に置いてかれ、全身を刻まれていく。行動不能になるような傷こそ避けているが、それもいつまで持つかだ。
「さすがは俺様の従僕、やりおるわ! ……だが」
イタチが右足で地面を思い切り踏む。同時、『磯撫』がイタチの前面に噴射され、理伏に掛かる。不意を突かれた理伏の目に水滴が入り、一瞬だけ彼女の動きが止まる。その間にイタチは左足の『磯撫』で地面を蹴り、理伏の間合いから離脱した。
瞬きを繰り返す理伏を見据えてイタチは言う。
「貴様、何故忍術を使わない?」
理伏はくノ一だ。風魔忍軍の一員である彼女は、疾風魔術と剣技を組み合わせた忍術を習得している。『島風』や『天津風』といった必殺技はこの戦場においても有効だろう。使わない手はない筈なのに、それを使ってこないという事は即ち、
「……使えんのか。理伏に憑依した貴様が何なのかは知らんが、器にした人間の能力全てを引き継げる訳ではないのだな。恐らくは身体能力だけを操れるのか」
「…………」
理伏――スレイプニルは答えない。沈黙の視線でイタチを見返すだけだ。
「どうした? まんまと指摘されて悔しいのか? それとも俺様の話なんぞ聞く耳持たんか? 何と言ったらどうだ、貴様」
「――『四本脚』」
「む? ――――っ!?」
理伏がぼそりと呟いた。イタチは訊き返そうとして突如総毛立った。本能的にカットラスを盾として構える。瞬きよりも短い直後、イタチは弾かれていた。足を縺れさせながら、イタチはどうにか転倒を防ぐ。そして、何事が起きたのかを確認しようと首を巡らせた。
理伏の背中がイタチの後方にあった。
先程まで彼女はイタチの前方にいた。それが後方にいるとなると、一直線に移動したと考えるのが普通だ。しかし、前方から後方へ移動した瞬間をイタチは視認出来なかった。気付いたら彼女が後方にいたのだ。
「貴様……!」
「――『六本脚』」
ぐるり、と理伏がイタチを振り返る。
次の瞬間、理伏の姿が消えた。同時にイタチのカットラスが宙に浮いていた。イタチが自ら手放したのではない。強い衝撃をカットラスに受けて、握力がそれに耐え切れず放してしまったのだ。イタチがそれに気付いたのはカットラスが宙から落下を始めた後だった。
理伏はまたしてもイタチの後方に移動していた。腕の痺れを感じながら、イタチは気付いた事実に愕然とする。
間違いない。先程のも、今のも、理伏の突進だ。
理伏が目にも止まらぬ速度で突進をして、イタチのカットラスを弾き飛ばしたのだ。しかも、腕に残る痺れから察するに、一度目よりも二度目の方が速い。二度目の方が衝撃が重かったのだ。
理伏には不可能な超加速。紛れもなくスレイプニルのスキルだ。もしこれ以上速くなれるのであれば、その時は――
「『八本脚』!」
――その瞬間、理伏が音を置き去りにした。
衝撃波が中庭を駆け抜け、花壇や石段を抉った。音の壁を破った反動で理伏も打撃を受けた。服はボロボロになり、全身のあちこちに痣が出来ている。
しかし、やはり一番の重傷はイタチだ。
「あ……か、はっ……!」
音速を超えた斬撃。見えもしなければ聞こえもしない一撃を喰らい、イタチの身体が中庭を横切って議事堂の壁に叩き付けられた。イタチが吐血し、傷口からは鮮血が迸る。石畳には点々と血痕が描かれていた。
「……き、さ……」
イタチが壁から剥がれ落ちる。彼の四肢から力はとうに抜けていた。重力に対して為す術なく、イタチはそのまま顔面から倒れた。
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