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第一章 プレイ初日
#14 vsプレイヤーキラー
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「PKなんてして……初日から追放されても知りませんよ」
「犀芭マナは『余程の事をしない限りBANはしない』っつってたぜ。その代わり、後で俺みたいな奴はゲーム内指名手配にするんだと。賞金稼ぎイベントにするつもりらしいぜ」
「あー、成程。そういう事情」
つまりPKも仕様の一部、想定内の行動だと。プレイヤー同士の戦いありのゲームだったって訳か。
そういう事なら文句は言い辛い。……いや、割と文句はあるのだが、「システム的には問題ないから!」、「悪い事をしたらその分の指名手配あるからね!」と言われてしまうと反論が引っ込んでしまう。きちんと因果応報が用意されているのだから、それ以上言うのは野暮な気がしてしまうのだ。
「そういう訳で、俺らがイベントに抜擢される為に――死んでくれや!」
彼女の言葉を合図にラトと筋肉男が駆け出す。ラトは私、筋肉男はマイを標的にした。ラトの武器はナイフであり、素早い動きで私の懐に入り込む。翻した刃が私の右頬を撫で、血飛沫が舞った。
危なかった……私が躱していなかったら今ので首を斬り落とされていた。いや、実際に首が落ちる事はないのだが。
このゲームには全年齢フィルター機能があり、スプラッターなどグロ描写はされない。仮に腕が切断されたとしても、フィルター越しでは腕は落ちない。血飛沫のエフェクトと、斬られた先のグラフィックが灰色になって動かせなくなるだけだ。
機能をオフにする事は可能だが、配信を考えるとオンのままの方が良いだろう。
「BMOOOOO!」
ラトが先陣を切った一方で、筋肉男が槍を勢い良く振り下ろす。マイが跳躍して回避すると、槍の穂先が地面を叩いた。地面が弾けて土塊が飛び散る。槍の使い方としては完全に間違っているが、結構な威力だ。現実の人間が喰らったら確実に頭蓋骨が砕けていた。
「盗賊と戦士・槍兵のコンビ……! 動きといい威力といい、貴方、本当に初心者?」
「おうよ。初心者でも引き出せる強さだ」
私の疑問にラトが笑って答える。
「極振りする程の馬鹿じゃねえが、俺らもパラメーターのポイントは偏って入れたのさ。筋力値と敏捷値を重点的にな。対人戦の為によぉ」
成程、即時戦闘力を求めた訳か。
私やマイがそうだったように、素人がテクニカルな攻撃が出来る訳がない。だから、彼らは最初からテクニックは捨てて、攻撃に振ったのだ。刃が立たなかろうが急所を外そうが、とにかく攻撃を当てて、とにかくダメージを与えられれば良い。後の成長よりも今すぐ戦える力を。クリティカルなど知った事か。彼らはそういうポイントの振り方をしたのだ。
「お喋りは終いだ。そんじゃまあ暴れさせて貰おうか!」
ラトがナイフを振りかざして猛然と飛び掛かってきた。
「犀芭マナは『余程の事をしない限りBANはしない』っつってたぜ。その代わり、後で俺みたいな奴はゲーム内指名手配にするんだと。賞金稼ぎイベントにするつもりらしいぜ」
「あー、成程。そういう事情」
つまりPKも仕様の一部、想定内の行動だと。プレイヤー同士の戦いありのゲームだったって訳か。
そういう事なら文句は言い辛い。……いや、割と文句はあるのだが、「システム的には問題ないから!」、「悪い事をしたらその分の指名手配あるからね!」と言われてしまうと反論が引っ込んでしまう。きちんと因果応報が用意されているのだから、それ以上言うのは野暮な気がしてしまうのだ。
「そういう訳で、俺らがイベントに抜擢される為に――死んでくれや!」
彼女の言葉を合図にラトと筋肉男が駆け出す。ラトは私、筋肉男はマイを標的にした。ラトの武器はナイフであり、素早い動きで私の懐に入り込む。翻した刃が私の右頬を撫で、血飛沫が舞った。
危なかった……私が躱していなかったら今ので首を斬り落とされていた。いや、実際に首が落ちる事はないのだが。
このゲームには全年齢フィルター機能があり、スプラッターなどグロ描写はされない。仮に腕が切断されたとしても、フィルター越しでは腕は落ちない。血飛沫のエフェクトと、斬られた先のグラフィックが灰色になって動かせなくなるだけだ。
機能をオフにする事は可能だが、配信を考えるとオンのままの方が良いだろう。
「BMOOOOO!」
ラトが先陣を切った一方で、筋肉男が槍を勢い良く振り下ろす。マイが跳躍して回避すると、槍の穂先が地面を叩いた。地面が弾けて土塊が飛び散る。槍の使い方としては完全に間違っているが、結構な威力だ。現実の人間が喰らったら確実に頭蓋骨が砕けていた。
「盗賊と戦士・槍兵のコンビ……! 動きといい威力といい、貴方、本当に初心者?」
「おうよ。初心者でも引き出せる強さだ」
私の疑問にラトが笑って答える。
「極振りする程の馬鹿じゃねえが、俺らもパラメーターのポイントは偏って入れたのさ。筋力値と敏捷値を重点的にな。対人戦の為によぉ」
成程、即時戦闘力を求めた訳か。
私やマイがそうだったように、素人がテクニカルな攻撃が出来る訳がない。だから、彼らは最初からテクニックは捨てて、攻撃に振ったのだ。刃が立たなかろうが急所を外そうが、とにかく攻撃を当てて、とにかくダメージを与えられれば良い。後の成長よりも今すぐ戦える力を。クリティカルなど知った事か。彼らはそういうポイントの振り方をしたのだ。
「お喋りは終いだ。そんじゃまあ暴れさせて貰おうか!」
ラトがナイフを振りかざして猛然と飛び掛かってきた。
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