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~第1章~
我が城へようこそ
しおりを挟む~アクアの城……
「じゃねーだろ!なんだよ地下室って!」
「しょうがないだろ、人手が足りなくて、建物が作れなかったんだよ!地下が作るのに1番手っ取り早いんだよ!」
地下室といっても、部屋を土で固めただけのもののようで、いつ崩れるか不安になる
「で……ここでどうするんだ?」
「私は力が使えない。が、ここで魔力の持った人間を倒せば、下僕であるお前に魔力が分配される。」
なるほど、俺がスライムを召喚しまくって勇者を倒せばいいらしい。
しかし彼女はこう言った
「だが問題は……」
「貴様の使うモンスターが弱すぎることだ!」
「なんなんだスライムって!よく考えれば無理じゃないか!どーしよ……」
「仕方がないだろ……」
「なんで私の魔力を取ったくせに扱えないんだよお!」
「さぁな……(知らないなんて言えない……まず魔力ってなんなんだ!さっき召喚したのもまぐれな感じするし……)」
「とりあえずまぁ、スライムでいいから召喚してくれよ下僕」
「馬鹿にしやがって……召喚!」
ブーンという音とともに出てきた丸い円から、さっきもみたスライムが出てきた。
「おお!また召喚できた!才能あんのかな、俺」
「……一体じゃ足らないぞ?もっとだよもっと!」
「よしっ」
手に力を込めて
「召喚!」
丸い円が出てくる
スライムが出てくる
これを10数回繰り返した……
…………
「おい!」
「おい!おいったら!」
俺はどうやら意識を失っていたみたいだ。
「魔力……これっぽっちしかないのか……なぁ下僕」
彼女はバカにした
「もう少し休ませてくれ……」
そう言って俺は寝た
どれくらい時間がたっただろうか、目を開けると
目の前には数え切れないほどのスライムがいる。
「お、起きたか!お前のスライムがひとりでにどんどん分裂していったんだ。これは凄いぞ!」
「え……?」
「これなら人間共を倒せる……はずだ!多分……」
「マジか!」
言ってるそばからスライムの分裂を見ることが出来た。どんどん増えて、部屋がスライムで埋め尽くされていく。
「あとな、スライムはお前の意思で自由に動かせるぞ。好きなように念じて見てくれ。」
俺は念じた
すると……
「お、お、おい!」
スライムが彼女に集まる!彼女の足にスライムが絡みつき……
なんとも捗る絵面だろうか!リアルでこんなものを見れるなんて……スライムに触手があれば……さらに捗るんだが……!なんともエロいぞ!いいぞ!
「殺すぞ……」
殺気を感じた
「わ、わかったよ……」
俺が言うことを聞く必要はないんだが……良心が……
「オホン。よし、じゃ私は奥の部屋にいるから頑張ってくれ。そして死なない程度にいたぶられてしまえ。」
そういって彼女は、暗い奥の部屋に消えていった
「なんだよ……まだ怒ってんのか……」
しばらくすると話し声が入口の方から聞こえる。
「なぁ、今回の討伐対象ってなんなんだっけ?」
「今回の討伐対象は、名前もない黒装束の女だ」
「はぁ……?名もないってさぁーどういうことだよ……雑魚かよ……」
「仕方がないだろ……駆け出しなんだから……」
どうやら男2人組らしい。むさいな。やだやだ。
しかし名もないって……魔王じゃないのか?少しの疑問を持ち始める俺。
すぐに姿が見えた。彼らは貧相な格好をしていて、いかにも駆けだしって感じだ。1人は銅剣と銅盾を装備している。見た感じ、戦士ってところだろう。もうひとりは杖……なのか?そんなようなものを持っている。それ以外は特に持っていないところを見ると、魔導師なのだろうか。弱そうだ。すぐ倒せるだろう。
彼らはおびただしい数のスライムを見て怯えるどころか……
「うお!すげぇ経験値の量だな!いっちょ消し飛ばしてくれよ!」
「人遣い荒いなぁ……仕方がない……」
魔導師は唱えた
「フェルア!」
魔導師の手が光る!
空中から火が上がり、周りに一瞬で広がった!
スライムたちはまるこげにされ、あっという間に数が減った。半分程度しかあとは残っていない。これは誤算だった。が、俺がすぐに召喚しつつ、『分裂』を命じた。
しかし、魔導師は言う
「くっそ!最大魔力なのに全然減りやしない!」
「充分充分!あとは俺に任せろよっ」
戦士は、片っ端からスライムを片付けようとする。
しかし、やはり数で押されているようだ。魔導師は魔力が尽きて動けないようだ。強力な魔法だが、考えて使わないとダメなんだな……
俺はスライムを指揮する
指揮するといっても、心で念じるだけなんだが……
本当に思うとおりに動いてくれるから楽しく感じる。ゲーム感覚だ。
戦士は未だに弱音を吐きそうにない。ならば、弱っている魔導師を狙うのみ。
スライム達が魔導師に集まる!
……魔導師が女だったら……なぁ……
「くっそ!ずるいぞ……」
戦士は悔しそうだが、お構い無しにスライム達は魔導師を狙う。
少しすると、魔導師から断末魔が聞こえなくなった。スライム達に離れるよう命令する。しかし、まだ戦士が残っている!集中狙いで叩き潰す!つもりだったが、戦士は入口の方へかけていった。逃げるつもりか……
「守れなくて……ごめん……」
そう言い残して、戦士は泣きながら去っていった……
~次へ続く~
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