ふたりの愛らぶyou

三愛 紫月 (さんあい しづき)

文字の大きさ
33 / 250

邪魔させない。

しおりを挟む
俺は、毎日栞を支えていた。

明日で家に帰る日の夜。

インターホンが鳴る。

俺に対しての警戒心が、少しとけた麻ちゃんと一緒に玄関にやってきた。

「はい」扉を開けた。

「どうも、初めまして金田明日香(かねだあすか)です。」

「誰ですか?知り合い?」麻ちゃんに訪ねるけど首を横にふる。

「橘月さんに会いに来ました。」

そう言って彼女が鞄を開ける時にキラッと光る何かが見えた。嫌な予感がした。

「麻ちゃん、ごめんだけど、栞の所に行ってくれない。」
麻ちゃんは、首を傾ける。

「ごめん。俺のお客さんだから…。応接室借りるね。」麻ちゃんは、少し戸惑いながらも行ってくれた。

「とりあえず、どうぞ。」俺は、栞が打ち合わせに使う応接室に案内した。

「失礼します。」そう言って金田さんは、後ろからついてくる。

部屋に入った瞬間、包丁を向けられた。やっぱりだ。

「大丈夫?ちゃんと殺(や)れる?ここからの方が、確実かもよ。」

俺は、結構冷静だった。

「お詳しいですね。」

そう言って鞄から紙を出した。

「調べたんだ。俺の事」

「はい。ご兄弟は、お二人共お医者様、父親もお医者様、母親は弁護士ですね。お金があって幸せそう。」ダンって刃物で紙を刺した。

「そう見えるのかな…。」俺の言葉に俺を睨み付ける。

「藤堂栞(とうどうしおり)ですね。この家の持ち主。こんな大きな家に住んで恵まれた環境。羨ましくて堪らない」と笑った。

なんとなく、彼女が誰なのかがわかった。

「星の事ですか?」

「よく気づきましたね。彼は私の大切な宝なのですよ。」

そう言って俺に包丁を向ける。

「あのね、ここは人の家だからこういう事は俺の家でしてくれない?」

「時間がなかったんですよ。仕方ないですよね」ニコニコと笑った。

「そんなやり方でいける?」

「大丈夫。二回目だから、間違いなく殺(や)ってあげるから」不気味な笑みを浮かべてる。

「そう、じゃあ殺(や)りなよ。確実に…」 

俺も笑った。

彼女が、包丁を俺に近づける。

「でもさ、一つだけ約束して」

「何?」  

「星(ひかる)を解放するのが条件」

「のめない。」

「大丈夫。俺の保険金あげるから」

「いくら?」

「三億」

「嘘」

「嘘じゃないよ。一筆書かせてよ。」

嘘じゃないよ。親がかけてるから、三億。

「わかった。」彼女は鞄から紙とペンを取り出した。

「よくわかったね。俺がここにいるって」

「調べたから」

頬に包丁を当てられながら、この子に全財産をあげるって書いてる俺はある意味すごいな。

「そっか。執念ってやつだね。はい、これ」そう言った瞬間、応接室のドアが開いた。

驚いて彼女が、扉を見た。

「騙したのか?」そう言って俺の頬を包丁で切りつけた。

「やめて。」栞がそれを見て大きな声で叫ぶ。

「栞、大丈夫だって、確実に殺(や)ってくれるから」

俺の言葉に栞が怒った。

「ダメ。月を殺(や)らせない。」

「なにそれ、意味がわからない。」

立ち上がって栞の元に行こうとする。

「やめろよ。君の相手は俺だろ?」

そういうと止まってくれた。

「いくら?」

「はっ?」

「いくら払ったら、あんたの渇きは埋まるの?」

「どういう意味?」

「お金が欲しいからやってるんでしょ?」

「へー。わかるんだ。金持ってるから」

「わかるよ。だけど、月の人生は邪魔させない。お金なんてあげるよ。だけど、あんたに月の幸せを奪う権利はない。」

「栞、そんな事したら一生」

「いい、それでもいい。」そう言って栞は泣いてる。

「じゃあ、現金で一億用意してくれる?」

「現金は、難しい。けど、通帳ならあげる。」

「やっぱりあるんだ。」

そう言って笑ったら、パトカーのサイレンが聞こえた。

「ふざけるな、騙したのか」俺に包丁を向ける。

「今は、冷静になって刃物しまうべきじゃないか?」

俺の言葉に彼女は、鞄に入れた。

「とりあえず、今日は帰る。約束は、守ってもらうから。一週間後に、またくるから」

そう言った彼女を栞が勝手口の方に連れていった。

何なんだ、あの子

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

【完結】君の穿ったインソムニア

古都まとい
BL
建設会社の事務として働く佐野純平(さの じゅんぺい)は、上司のパワハラによって眠れない日々を過ごしていた。後輩の勧めで病院を受診した純平は不眠症の診断を受け、処方された薬を受け取りに薬局を訪れる。 純平が訪れた薬局には担当薬剤師制度があり、純平の担当薬剤師となったのは水瀬隼人(みなせ はやと)という茶髪の明るい青年だった。 「佐野さんの全部、俺が支えてあげますよ?」 陽キャ薬剤師×不眠症会社員の社会人BL。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

死ぬほど嫌いな上司と付き合いました

三宅スズ
BL
社会人3年目の皆川涼介(みながわりょうすけ)25歳。 皆川涼介の上司、瀧本樹(たきもといつき)28歳。 涼介はとにかく樹のことが苦手だし、嫌いだし、話すのも嫌だし、絶対に自分とは釣り合わないと思っていたが‥‥ 上司×部下BL

処理中です...