ふたりの愛らぶyou

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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神様、ありがとう

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ポタポタと顔が濡れる感覚がした。

「う、うーん。」

ゆっくり目を開けた。

あー。

「おかえり」

俺は、力強く抱き締めた。

「痛いよ。」

この声に、安心した。

「おかえり」

俺は、星(ひかる)から離れた。

「月(るい)、ただいま」

「泣いてるのか?」

俺は、星の涙を拭ってあげる。

「ごめんね。氷雨とね。キスしたの。キスしたら、舌を食べちゃいそうだった。抱き締められたら、このまま骨を折って殺して欲しいと思ってしまった。ごめんね。ごめんね。」

「いいんだよ。帰ってきてくれただけでいいんだ。」

俺は、星(ひかる)を抱き締めた。

冷たい体。

だけど、ちゃんと生きてる。

よかった。

ありがとう

神様、ありがとう

「月(るい)、僕を支えたのは月だよ。月への気持ちが、僕を引き留めてくれたんだよ。ちゃんと、帰ってこれたのも月のお陰だよ。」

「よかった。」

俺は、星の背中を優しく擦る。

「月、大好きだよ。一緒に居ると、僕はちゃんと生きれる。生きていたいと思える。」

「その言葉だけで、充分だよ。」

俺は、星をきつく抱き締めた。

「帰ろう。お家に帰ろう。」

「うん、帰ろうか」

俺は、星から離れた。

泣いてる。

「月の所に、帰ってこれて嬉しい。今日もまた帰れなかったらと思うと怖かった。」

「おかえり」

俺は、星の涙を拭ってあげる。

「月、僕を愛して。一番じゃなくていいから、愛してね。」

「愛してる。一番とか二番とかないんだよ。もう、俺には星(ひかる)が必要なんだよ」

「月(るい)、大好き。月に、そう言われたら嬉しい。僕にも月が必要。」

星は、俺の頬を撫でてくれる。

「結婚しよう。俺とずっと一緒にいて欲しい。星を失いたくない。星が、いないと俺は生きていけないし、笑えないよ。俺は、流星を思う激しく苦しい気持ちより、星(ひかる)を思う優しく穏やかな気持ちの方が幸せを感じられるんだ。」

「月、嬉しい」

星が、笑ってくれる。

「俺、明日流星にありったけの気持ちを伝えてくるよ。俺もちゃんと、帰ってくるから…。」

「うん、ちゃんと、帰ってきて」

「待ってて欲しい」

「うん」

星が、俺の頭を撫でる。

俺は、星がいるのが幸せだ。

生きていてくれるなら、何もいらない。

「月、泣かないで」

「あっ、ほんとだな。」

「出会った日、覚えてる?」

「隣に越してきたの、ゆで卵持って」

「それそれ」

星が、笑ってる。

「あの日、月に矢吹さんって起こされた。あの日は、何か眠れた。月(るい)は、ずっと僕の睡眠薬(くすり)なんだよ。」

「何だよ、それ」

「月(るい)が居たら眠れる。月が居たら、化け物に食べられない」

そう言って、俺の隣に座った。

コンコン

「はい」

「月君、起きたんだね?これ、飲む?」

そう言って美咲さんは、ココアをくれた。

「優君が、二人にって。ちょっと今日はお店暇でね。」

「美咲さん、来月やめるんですよね。」

「うん、3月3日に披露宴やる人が居て。それ終わったらしーちゃんにあげる。」

「まだ、話してないんですよね?」

「うん、明日ぐらいには言おうかなって話しにはなってるよ。しーちゃんに」

美咲さんは、椅子に腰かけた。

「俺もね、二人みたいな相手に出会っちゃった。」

「俺達ですか?」

「うん、出会いたかったんだよね。そんな人。まさか、こんな近くにいると思うなんてね。」

そう言って、美咲さんが笑った。

「椚(くぬぎ)さんが、そうだったんですね。」

「そうだね。気づかなかった。燃えたぎるような炎に焼かれてるうちは気づかない事もあるんだよ」

美咲さんは、首からネックレスを出した。

「あの時の」

「わぁー。すごい。大きなダイヤモンド」

「すごいでしょ?頑張ってくれたんだって思うと嬉しくて。もっと、一緒にいたくなったんだよね。」

「美咲さん、よかったね。素敵な人に出会えて」

「月君と星君のお陰だよ。」

「じゃあ、俺達は帰ります。」

「うん、帰ろう」

俺達は、ココアのカップを美咲さんに渡した。

「気をつけてね」

「お世話になりました。」

「またね」

「はい」

そう言って、俺と星は帰った。

お店を出て、手を繋いだ。




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