80 / 646
凛の話4
ごめんね…この道を…
しおりを挟む
龍ちゃんは、私からそっと離れた。
「お風呂入って、用意しようかなー」
涙を見せないように、洗面所に龍ちゃんは消えていく。私は、龍ちゃんを見つめながら泣いた。
出来ることなら、あの日に戻って「結婚は、出来ません」って、龍ちゃんに言いたいよ。
この人生(みち)に、連れてきてごめんね。
もしも、違う人を選んでたら…。
今頃、龍ちゃんは【パパ】になっていたよ!私には、わかるよ!
小さな赤ちゃん抱いて!
「パパですよー」って笑ってる龍ちゃんが想像つくよ!赤ちゃんのハプニングのテレビを一緒に見て「可愛いなー」って目を細めて笑ってる龍ちゃんを私知ってるよ!
だから、龍ちゃん。ごめんね、私のせいで…。
こんな針の山歩くみたいな道を選ばせてごめんね。
「お風呂洗ってきたよ」
龍ちゃんが、戻ってきた。必死で、涙を止めようとして拭うのに、まるで泉があるように湧き出て止まらなくて…。
「凛、言っていいんだよ」
龍ちゃんは、私の前に跪いて両手を握りしめた。
「ほら、我慢しないで!いいから言いなよ」
涙で、龍ちゃんがどんどん滲んでく。
「いいんだよ、凛」
「くない……」
「うん」
「あー、あー、諦めたくない」
「うん」
「続けたかった」
「うん」
「欲しかったよー、龍ちゃん。龍ちゃん、私、あか、あか、赤ちゃん欲しかったーー」
「そうだね」
「ああー、ああー」
私は、龍ちゃんの手を握りしめて赤ん坊みたいに泣いた。
「ごめんな…。俺じゃなかったら、もしかしたら…」
「がう…違う…。龍ちゃんは何も悪くない、何も…何も…」
私は、首を左右にブンブン振り続けた。ホラー映画の幽霊みたいに必死に振り続ける。
「首、痛めちゃうから」
龍ちゃんは、優しく私を抱きしめた。
「龍ちゃん、ごめんね。ごめんね、ごめんね」
「いいって」
「ごめんなさい、ごめんなさい、私がプロポーズ受けたからごめんね」
「俺が、凛じゃなきゃ結婚したくなかったんだ!ごめんな!苦しませる事しか出来なくて」
龍ちゃんは、私の背中を優しく擦ってくれる。
「ひ、ひっく…」
泣きすぎて、しゃっくりが出てきた。
「凛、辛かったね。悲しかったね。気づいてあげられなくてごめんな」
「うー、ううん。ひっく」
「凛、無理しないでいいからな!ゆっくりゆっくり、二人で生きる道を俺は見つけて行けたらいいって思ってる。確かに、赤ちゃんは欲しいよ!でも、こんな風に凛を苦しませるなら…。やめてもいいんだよ」
「龍ちゃん」
私は、龍ちゃんの背中に手を回した。辛くて、悲しいのは、同じなのわかってるよ。望んでるのだってわかってる。だけど、私、やっぱり龍ちゃんに申し訳ないよ!プロポーズを受け入れた事が、不倫をした事よりも申し訳ないなんて…。私、変わってるよね。
「お風呂入って、用意しようかなー」
涙を見せないように、洗面所に龍ちゃんは消えていく。私は、龍ちゃんを見つめながら泣いた。
出来ることなら、あの日に戻って「結婚は、出来ません」って、龍ちゃんに言いたいよ。
この人生(みち)に、連れてきてごめんね。
もしも、違う人を選んでたら…。
今頃、龍ちゃんは【パパ】になっていたよ!私には、わかるよ!
小さな赤ちゃん抱いて!
「パパですよー」って笑ってる龍ちゃんが想像つくよ!赤ちゃんのハプニングのテレビを一緒に見て「可愛いなー」って目を細めて笑ってる龍ちゃんを私知ってるよ!
だから、龍ちゃん。ごめんね、私のせいで…。
こんな針の山歩くみたいな道を選ばせてごめんね。
「お風呂洗ってきたよ」
龍ちゃんが、戻ってきた。必死で、涙を止めようとして拭うのに、まるで泉があるように湧き出て止まらなくて…。
「凛、言っていいんだよ」
龍ちゃんは、私の前に跪いて両手を握りしめた。
「ほら、我慢しないで!いいから言いなよ」
涙で、龍ちゃんがどんどん滲んでく。
「いいんだよ、凛」
「くない……」
「うん」
「あー、あー、諦めたくない」
「うん」
「続けたかった」
「うん」
「欲しかったよー、龍ちゃん。龍ちゃん、私、あか、あか、赤ちゃん欲しかったーー」
「そうだね」
「ああー、ああー」
私は、龍ちゃんの手を握りしめて赤ん坊みたいに泣いた。
「ごめんな…。俺じゃなかったら、もしかしたら…」
「がう…違う…。龍ちゃんは何も悪くない、何も…何も…」
私は、首を左右にブンブン振り続けた。ホラー映画の幽霊みたいに必死に振り続ける。
「首、痛めちゃうから」
龍ちゃんは、優しく私を抱きしめた。
「龍ちゃん、ごめんね。ごめんね、ごめんね」
「いいって」
「ごめんなさい、ごめんなさい、私がプロポーズ受けたからごめんね」
「俺が、凛じゃなきゃ結婚したくなかったんだ!ごめんな!苦しませる事しか出来なくて」
龍ちゃんは、私の背中を優しく擦ってくれる。
「ひ、ひっく…」
泣きすぎて、しゃっくりが出てきた。
「凛、辛かったね。悲しかったね。気づいてあげられなくてごめんな」
「うー、ううん。ひっく」
「凛、無理しないでいいからな!ゆっくりゆっくり、二人で生きる道を俺は見つけて行けたらいいって思ってる。確かに、赤ちゃんは欲しいよ!でも、こんな風に凛を苦しませるなら…。やめてもいいんだよ」
「龍ちゃん」
私は、龍ちゃんの背中に手を回した。辛くて、悲しいのは、同じなのわかってるよ。望んでるのだってわかってる。だけど、私、やっぱり龍ちゃんに申し訳ないよ!プロポーズを受け入れた事が、不倫をした事よりも申し訳ないなんて…。私、変わってるよね。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる