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凛の話6

またね…

「わかった!連絡する」

「うん」

「ごめん、凛さん!僕、急ぐね」

「うん、気をつけてね」

凛君は、走っていなくなってしまった。
私は、とりあえずトボトボと公園を出た。

右に曲がれば、パンケーキの店だから駅がある。左って、何があるんだろう?

昔から、気になると確認しなくちゃいけない性格だった。拓夢には、まだかけられそうもないし…。行ってみようかな?

私は、左に向かって歩いた。ポツポツと雨が降ってくる。

やっぱり、雨!降ってきちゃった。

私は、鞄から折り畳み傘を広げて歩き出す。

何もなさそうな気がしないでもない。私は、それでも歩き出した。

暫く歩いて私は、道路の脇に跪いてるその人に近づいていた。

「濡れるよ」

そう言って、私は折り畳み傘をその人にかけた。

「凛!!!」

お化けでも見たみたいな顔で、拓夢は驚いて私を見ていた。やっぱり、拓夢で安心した。違ったらどうしようと思った。最初見た時は、具合が悪いのか?変な人なのか?関わりたくないから通り過ぎようかなーとも思ったけれど…。見覚えのある鞄に気づくと近づいてしまっていた。

「何してるの?こんな所で…。彼女は?」

「帰った」

「私とご飯食べるんじゃなかったの?」

「凛」

「危ないから」

拓夢に引き寄せられる。傘が危ないから、傾けた。

「助けてって、ずっと呼んでたんだ」

そう言って、強く抱き締められた瞬間…。

ザァー、ザァー。
バケツをひっくり返したような雨が降りだす。
ボトボト、ボトボトって、傘に雨が当たっていく。折り畳み傘が、小さ過ぎて私と拓夢の体は濡れていく。

「風邪引くから、立って」

「まだ、嫌だ」

拓夢は、地面に跪いてる状態だったのに私を強く引き寄せたいから、その場であぐらをかいた。そして、私を足の上に座らせる。

「汚れちゃうよ」

「大丈夫、帰ればスーツあるから」

「でも、こんな場所で」

道路脇にこんな風に座ってる人間は、恐怖でしかない。

「車なんか、一台も通ってない」

「拓夢、でも、人が」

「来たら、傘で隠せばいい」

「そんな…」

「恥ずかしい?」

尋ねられて、私は頷いた。

「だったら、凛は今高校生だ」

そう言って、拓夢は私のおでこにおでこをくっつけてくる。顔から火が出そうなぐらい熱い。恥ずかしさで体が、じんじんと熱くなるのを感じる。

「アオハル?」

私は、拓夢にそう言った。

「そう、アオハル」

拓夢は、そう言って私にキスしてきた。

「雨ー、ヤバい」

人の声がして来る。

「凛、隠して」

「えっ!うん」

私は、どっちからか来るかわからない声をうまく聞き分けながら傘で顔を隠した。

「ねぇ、ねぇ?人じゃない?」

「ヤバい、やってたりして」

「マジで!それヤバくない?」

「ヤバい、ヤバい!超、ヤバいって!」

「あー、濡れるから!早く急ごう」

「うんうん」

「走れー」

少しだけ水溜まりが出来ているのだろうか?声の主達は、パシャパシャと音を出して走っていった。

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