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拓夢の話6

可愛い人

「凛、助けて」

俺は、どれくらい、そうしていただろうか?
ポツポツと雨が降ってきた。雨か、そろそろ立ち上がらないといけないよな!うまく足に力はいるかな?

「濡れるよ」

突然、雨があたらなくなった。俺は、顔を上げる。そこにいたのは、凛だった。凛が現れたせいで、気持ちが押さえられなかった。俺は、気づくと凛を引き寄せて!さらに、引き寄せたくてその場であぐらをかいた。足は、痺れてなかったようだった。

「恥ずかしいよー」

女子高生なのか、女の人なのか、よくは見えなかったけど数人の集団が通り過ぎたのがわかった。

「セックスしてるって思ったよな?」

俺の言葉に、凛は真っ赤になった。

「もう、やめてよー」

凛は、傘を持っていない方の左手で顔を隠そうとする。

「もっと、見せて」

「嫌だよ」

俺は、照れてる凛をもっと見たくて堪らなかった。

「いいだろ?顔、隠さないで」

そう言って、凛が顔を隠そうとした左手を掴んだ。

「恥ずかしいよ」

「凛は、今、高校生だって」

「39歳です」

「ハハハ、その真剣な顔!」

凛は、真顔で俺を見つめる。

「こういうのした事ある?」

「あるわけない」

「あの子と公園でキスしてたくせに?」

「意地悪しないでよ」

「俺にもしてよ」

一つでもいい!凛の初めてをもらえるなら、それだけでいい!

凛は、恥ずかしそうにしながらキスをしてくれる。

「下手くそ」

唇を離されて、そう言った。

「恥ずかしいから」

「初めてじゃあるまいし!何言ってんの?」

「拓夢じゃないみたい」

「バンドやってた時は、俺様キャラを目指せって言われてさ!」

「俺様キャラ?王子様の方がいい」

「王子様は、ありきたりだろって話しになったんだよ!だから、俺は俺様キャラやれって!」

俺は、そう言って右手で凛の顎に手を当てる。

「ほら、上手にやってみろよ」

「何を…」

凛の目が、動揺して左右に揺れてる。

「キス!俺より大人なら、出来んだろ?」

「いじめないでよ」

「凛見てたらいじめたくなる」

俺は、凛の唇を開けさせる。

「ほら、舌出してみ」

「拓夢…」

「ちゃんと出してみ」

凛は、それに答えるようにゆっくりと舌を出してくる。

「いい子だね!凛」

俺は、凛の頭を優しく撫でる。

「ご褒美」

そう言って、凛の舌を食べるようなキスをした。

「んっんっ」

ゴトッ…。

凛は、傘を落とした。俺は、ゆっくり唇を離した。

「拓夢」

「雨止んだね」

そう言って、凛を抱き締める。凛の体の熱が抱き締めた腕から伝わってくる。

「凛の体熱くて、俺が溶けそう」

「アイスクリームじゃないから、溶けないよ」

そう言って、凛が笑ってる。このまま、離したくない。この場所で、抱き合っていたい。でも、それは無理だから…。

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