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凛の話8

拓夢との時間

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拓夢に、凛君との事を聞かれた。この街は、広いようで狭いから…。私は、玄関に入ると抱きついていた。拓夢に嫌われたくない。凛君といるのが、バレた時に嫌だって言われたくなかった。どこで、誰に会うかわからないから…。もう、先に言い訳を作っておきたかった。

拓夢は、私を抱いてくれなかった。私は、今日は拓夢に抱かれたかった。さっきから、嘘をついているのが辛い…。

拓夢といれないって言っておいて、凛君との事が見つかったらどうする?
そう思ったからか、「拓夢…いなくならないで」と気づいたら言っていた。

私は、拓夢の右手を自分の胸に持っていく。もしかしたら、やっぱりしようって言ってくれないかな?

「生理だろ?」と言われて、さっき帰ると言った時に使った言い訳を思い出してしまった。

私は、首を横に振った。

拓夢に、「変だよ」と言われてしまう。変なのは、わかってる。でも、拓夢を失いたくない。もしも、今、拓夢がいなくなったら…。私、生きていけない。

「お願い」私の目から、涙が流れていく。

「いなくならないから、大丈夫だよ」拓夢の言葉に安心していた。

「本当に?」何てそんな事は尋ねられない。拓夢を信じてないみたいだから、私は納得して手を離す。

「ご飯作るね」そう言って、拓夢とキッチンに行く。

キッチンにつくと、拓夢がこれを使っていいよと教えてくれる。私は、お礼を言った。拓夢が、邪魔だから向こうに行くって言った瞬間。

また、急に怖くなった。
私は、後ろから拓夢を抱き締める。

「どうした?」

私は、拓夢に「嫌いにならないで」って伝える。

嫌いにならないって言ってくれた。

約束が欲しくて、約束してと言った。拓夢は、私の手を握りしめて約束してくれる。よかった。安心する…。もう、大丈夫だよね?でも、不安。

「私には、拓夢が必要なの」口に出さないと不安だった。拓夢は、こっちを向いてくれる。「もう一回言って」と言われて私はもう一度口に出した。

拓夢は、私の唇にキスをしてくれる。激しい音をたてながらキスをしてくれる。「拓夢、激しい」そう言ったら、「可愛すぎるから」と言ってくれた。拓夢が、腰を抱いてくれる。このまま、沼にゆっくりと溺れていきたい。でも、「ゆっくり出来ないだろ?」って言われてしまった。

ワンピースの事もわかってくれていた。私は、やっぱり拓夢が好きだよ!やっと不安が消えて、納得した私は、キッチンに立った。

玉ねぎの皮を剥く。

どうか、拓夢とこうやって過ごす日々を、まだまだ味わえますように…。祈りながら、玉ねぎを刻む。
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