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拓夢の話12

俺のせい…

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まっつんは、俺を見ないように話す。

「平田君が、俺の母親みたいなんに育てられてるの聞いた。だから、俺。凛さんに色々言っちゃったんだ。だから、凛さんは平田君を受け入れたんだと思う。ごめんな、拓夢」

まっつんの母親を思い出す度にあんなに動揺していた心が、動揺しない。俺は、まっつんとちゃんとあの頃みたいな友達に戻れそうだった。

「受け入れるって決めたのは、凛だから」

まっつんは、俺の言葉に潤んだ目を向ける。

「あいつがさ!」

「お母さん?」

「うん!あいつ、半年前から、西原有里(さいはらゆうり)と付き合ってんだわ」

その言葉に、俺は黙り込んでしまう。西原有里は、俺達の中学の真面目君だった。学級委員もしてた同級生だ。

「西原と結婚するかも知れないらしい。気持ち悪いよな」

「そんな事ないだろ…」

「あるだろ!50過ぎのババアと付き合ってどうすんだよ」

まっつんは、そう言いながら怒っていた。

「西原は、まっつんのお母さんが好きなんだろ?」

「らしい。あいつ曰くな。ただ、あいつは忘れられない人間がいるとかどうとか言ってやがったわ!」

その言葉に、心臓がギュッと痛くなる。でも、凛に預けたお陰で苦しみはなくて、俺はまっつんに平気で話せる。

「会ったのか?お母さんに…」

「先月な!突然やってきて、5万貸してくれってさ」

「貸したのか?」

「職場にやってきたから、貸したよ!そしたら、西原と結婚するかもとか言い出しやがった」

「そうなんだな」

まっつんは、母親と会った事で平田君を応援しようと思ったのがわかった。それで、凛にも色々言ったのがわかった。

「あいつ、俺の同級生と結構やってるから!」

「そうなのか」

「うん、高校の時とかな!面談に来て、目星つけて何人かとそうなってる。家に帰ったら、やってたりしたから」

初めて聞いた話に俺は、驚いていた。

「ごめんな。拓夢にこんな話して!理沙にしか言ってなかったのに」

「いや、いいんだ」

「それが、めちゃくちゃ気持ち悪くてさ。我慢できなかったんだ。あいつにそれを話してもやめてくれなくて!それ所か優太死ねよって言われてさ」

まっつんは、そう言って泣いている。

「ごめん。拓夢。話それちゃったよな!」

まっつんは、涙を手で拭って俺を見つめる。

「明日、話しに行こう!俺にも責任があるから」

責任感の強いまっつんは、そう言って俺の肩を叩いた。

「わかった!そうするよ」

さっきまでの怒りは、静まっていた。まっつんの母親は、まっつんを愛せない事に苦しんでいた。でも、そんなのまっつんには関係ない事なんだ。

ブー、ブー、ブー

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