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凛の最後の話

大丈夫か?

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龍ちゃんが見せてきたチラシには、【カラス被害にお困りの皆様の波動をあげます】と書かれた文字と【魔物を祓わなければいけません】と書かれた後に写真が載っていた。それは、どう見たってごみ捨てをしているただの人だった。

「毎日、入ってくるらしいよ!さっき、坂東さんが俺にこれ渡してきてさ!皆月さん、このチラシに騙されないでねとか言うから笑いそうになったよ」

そう言って、龍ちゃんはチラシの裏を見せる。【子供を授かりたい方は、まず話を…】と書かれていた。

「スピリチュアル系ってやつ?」

「そうだろな!」

龍ちゃんは、そう言ってチラシを小さく畳んだ。でも、龍ちゃん。そっちのポケットじゃないよ。
私の心の言葉をエスパーみたいに聞いたのか、龍ちゃんは抱き締めてくる。

「凛にとって、今の時間が大切で必要なら、俺は別に気にしないから」

そう耳元で囁かれた。全部終わらせる時がきた気がした。

「龍ちゃん」

龍ちゃんは、私から離れて顔を覗き込んだ。

「すぐに何か終わらせられないだろ?」

そう言って、龍ちゃんは立ち上がってパンツを履こうとする。私も、立ち上がって龍ちゃんを後ろから抱き締めた。

「どこまで気づいてるの?」

その言葉に龍ちゃんは、回した手を握りしめてこう言った。

「何にも気づいてない」

龍ちゃんは、優しい。世界で一番優しくて、世界で一番私を愛してくれてる。この先も…。

「私、龍ちゃんと婚約してた時にね」

拓夢に預けた荷物(きず)を龍ちゃんに話そうとした。

「何も言わないでいいから」

龍ちゃんは、そう言うと私の方を向いた。

「パンツ履こうとしたのに、おさまらないわ」

そう言って、見せてくる。

「したいの?」

「うん」

「でも、私…」

「俺の気持ちも答えも決まってるよ!凛を抱きたい。凛と一緒にいたい。例え、凛が誰かと過ごしても、誰かに抱かれていても…。俺は、凛と離婚する気はないし。凛を抱かない選択肢だってない」

そう言って、龍ちゃんは私のモコモコのウェアのチャックを下ろし始める。

「龍ちゃん」

「だから、凛の気持ちが結論を出すまで!好きにすればいい」

ブラジャーをつけてないから、すぐに胸が露出した。

「でも、渡さないよ!俺は、誰にも…。凛が俺をいらないって言わない限り。俺は、凛を離すつもりなんて絶対ないから」

「離婚しようって、言わないの?龍ちゃんからは…」

涙が込み上げてくる。龍ちゃんは、ニコッと笑って私の涙を拭ってくれる。

「馬鹿だなー。言うわけないだろ!俺は、凛に惚れてるんだから」

私は、その言葉に龍ちゃんの唇を食べるいきおいでキスをしていた。

    
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