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凛の最後の話
こっちこっち…
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駅につくと、理沙ちゃんが私をすぐに見つけてくれた。
「こっち、こっち」
手を左右に大きく振って理沙ちゃんは、私を呼んでくれる。
「ごめんね、待たせちゃった」
「全然!でも、よく出れたね」
「理沙ちゃんが、彼氏と喧嘩しちゃったって嘘ついちゃった」
「あー、いいよ!いいよ!それぐらい」
そう言いながら、理沙ちゃんは笑ってくれてる。
「で、何だったの?」
「あー。まどろっこしいのは嫌いだから言うけど!ほら、あの子。平田君」
「うん」
「それが、美沙ちゃんの協力者じゃないかって話で!あっ、そっち座らない?足痛くて」
「うん」
理沙ちゃんは、駅前の花壇を指差した。そっちに並んで歩き出した。冷たいコンクリートに腰かける。
「ごめんね!冷えるよね」
「大丈夫」
「バイト終わりで、足がダルくて!って、話それちゃったねーー」
理沙ちゃんは、ニコニコ笑ってる。それを見てるだけで何だか私は幸せな気持ちになった。
「あー、それで!美沙ちゃんが、何か仕掛けたんじゃないかってたくむんが心配してて!で、理沙が来たの」
そう言った理沙ちゃんに私は、さっき写真に撮ったものを見せた。
「これ、何?」
「夫が慌てて隠したメモ。もう一枚ある何かは見れなかった」
「接触してきたのかな?これだけじゃわからないよね。旦那さんは、何て?」
「何も知らないって」
「そっかー。難しいね」
理沙ちゃんは、そう言って顎に手を置いていた。
「誰にも言わないで欲しいの。今は、何も起きてないから」
私は、拓夢に心配かけたくなくて理沙ちゃんにそう言った。
「もちろんだよ」
「よかった」
私は、理沙ちゃんに笑った。だけど、それがぎこちなかったのか理沙ちゃんは私の顔を見つめてこう言った。
「気になる?」
「うん」
「じゃあ、明後日!ライブ終わったら連絡しようか?理沙がかけるから」
「ライブ?」
「そう!優太達がシークレットで出るんだって!凛ちゃんも行かない?」
私は、理沙ちゃんの言葉に頷いていた。ライブでシークレットって事は、拓夢の絶望した夢が叶うかも知れないって事だってわかった。
「じゃあ、また連絡するね」
「うん」
「早く帰った方がいいね!優太には、大丈夫だったって伝えておくから」
「よろしくね」
「うん!じゃあ、明後日ね」
「うん!気をつけてね」
「ありがとう!凛ちゃんもねー」
私と理沙ちゃんは、バイバイをして別れた。私は、振り返らずに真っ直ぐ前だけを見て歩いて行く。拓夢が夢に一歩近づけるなんて!本当によかった。自分の事のように嬉しい。顔がにやけそうになるのを堪えながら私は家に、急いで帰っていた。
「こっち、こっち」
手を左右に大きく振って理沙ちゃんは、私を呼んでくれる。
「ごめんね、待たせちゃった」
「全然!でも、よく出れたね」
「理沙ちゃんが、彼氏と喧嘩しちゃったって嘘ついちゃった」
「あー、いいよ!いいよ!それぐらい」
そう言いながら、理沙ちゃんは笑ってくれてる。
「で、何だったの?」
「あー。まどろっこしいのは嫌いだから言うけど!ほら、あの子。平田君」
「うん」
「それが、美沙ちゃんの協力者じゃないかって話で!あっ、そっち座らない?足痛くて」
「うん」
理沙ちゃんは、駅前の花壇を指差した。そっちに並んで歩き出した。冷たいコンクリートに腰かける。
「ごめんね!冷えるよね」
「大丈夫」
「バイト終わりで、足がダルくて!って、話それちゃったねーー」
理沙ちゃんは、ニコニコ笑ってる。それを見てるだけで何だか私は幸せな気持ちになった。
「あー、それで!美沙ちゃんが、何か仕掛けたんじゃないかってたくむんが心配してて!で、理沙が来たの」
そう言った理沙ちゃんに私は、さっき写真に撮ったものを見せた。
「これ、何?」
「夫が慌てて隠したメモ。もう一枚ある何かは見れなかった」
「接触してきたのかな?これだけじゃわからないよね。旦那さんは、何て?」
「何も知らないって」
「そっかー。難しいね」
理沙ちゃんは、そう言って顎に手を置いていた。
「誰にも言わないで欲しいの。今は、何も起きてないから」
私は、拓夢に心配かけたくなくて理沙ちゃんにそう言った。
「もちろんだよ」
「よかった」
私は、理沙ちゃんに笑った。だけど、それがぎこちなかったのか理沙ちゃんは私の顔を見つめてこう言った。
「気になる?」
「うん」
「じゃあ、明後日!ライブ終わったら連絡しようか?理沙がかけるから」
「ライブ?」
「そう!優太達がシークレットで出るんだって!凛ちゃんも行かない?」
私は、理沙ちゃんの言葉に頷いていた。ライブでシークレットって事は、拓夢の絶望した夢が叶うかも知れないって事だってわかった。
「じゃあ、また連絡するね」
「うん」
「早く帰った方がいいね!優太には、大丈夫だったって伝えておくから」
「よろしくね」
「うん!じゃあ、明後日ね」
「うん!気をつけてね」
「ありがとう!凛ちゃんもねー」
私と理沙ちゃんは、バイバイをして別れた。私は、振り返らずに真っ直ぐ前だけを見て歩いて行く。拓夢が夢に一歩近づけるなんて!本当によかった。自分の事のように嬉しい。顔がにやけそうになるのを堪えながら私は家に、急いで帰っていた。
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