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凛の最後の話2

帰宅とお願い

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家に着いて、私と龍ちゃんは車を降りる。

「あらー。二人でお出かけですか?仲いいですね」

「あっ、はい。こんにちは!」

近所の長野さんに声を掛けられた。長野さんは、頭を下げていなくなった。龍ちゃんは、玄関の鍵を開けてる。

「凛」

玄関に入ると龍ちゃんが名前を呼んできた。

「何?」

「二人だから、ここに一生住むってこだわらなくていいんだよ!定年したら、別の場所に引っ越してもいいんだよ」

「今は、何も考えてない」

「そうか」

私は、鍵を閉める。確かに、龍ちゃんが言うようにこの場所に拘る必要なんてないよね。でも、まだ今はこの場所にいたい。家に上がると龍ちゃんは、冷蔵庫に向かった。食品をなおしている。

「龍ちゃん、珈琲いれて」

ワガママを言ってみた。

「いいよ」

龍ちゃんは、そう言って笑ってくれた。私は、電気ケトルにお水をいれて、スイッチを押した。
龍ちゃんは、珈琲の用意をする。

「龍ちゃん、明日ね」

「うん」

「昨日の夜、会った子の彼氏がバンドマンでね!ライブついてきてって頼まれたの」

「うん」

「朝から並んで、当日券とるみたいなんだ」

「ライブは、何時?」

「6時」

「確かに、当日券って早く並ばないといけないよな!昔、まこに連れられた事あるから知ってるわ」

カチッとケトルの音がして、龍ちゃんは珈琲にお湯を注いでる。

「行っちゃダメかな?」

「いいよ!でも、6時だったら…。帰ってくるの9時過ぎるかもだろ?もっと遅いか!俺、寝てるけどいい?」

「それは、大丈夫」

「じゃあ、適当に何か食べとくわ」

「わかった」

龍ちゃんは、そう言うと珈琲に向き合っていた。私は、龍ちゃんが珈琲をいれおわるのを隣で見つめていた。

「飲もうか」

「うん」

龍ちゃんは、砂糖や牛乳をいれて、私好みの珈琲を作ってくれた。二人で、ダイニングテーブルに行く。並んで、珈琲を飲む。

「龍ちゃんがいれる珈琲美味しいねー」

「ありがとう」

「明日、龍ちゃんは何するの?」

「何しようかな?適当に過ごすよ」

「そっか」

「凛は、気にせず楽しんでおいでよ!俺の事は、気にしないで」

「ごめんね。ワガママ言って」

「別に気にしてないよ」

龍ちゃんは、そう言って笑ってる。私と龍ちゃんは、仲良く過ごした。夜まで、映画の話をして晩御飯にしゃぶしゃぶを食べて、龍ちゃんはいつもの時間に寝に行った。私は、龍ちゃんがいなくなったリビングで、拓夢に何て連絡をしようかと悩んでいた。拓夢の邪魔しちゃ駄目だよね。そう思うとメッセージを送る事は出来なかった。
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