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エピローグ【拓夢の話1】

綺麗にして欲しい

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「その方は、大丈夫でしたか?」

「はい。管理人さんが、連絡を早くしてくれたお陰で…。大丈夫でした」

管理人さんは、ホッとした顔をして、「よかった」と呟いていた。

「すみません。では、失礼します」

「はい。あの、星村さん」

「はい」

「彼女が嫌がるかもしれませんが、なるべく早く警察には届けた方がいいですよ」

「わかりました」

俺は、管理人さんと隣人に深々と頭を下げて扉を閉めた。鍵を閉めて、凛の元に戻る。

「ごめんな」

凛は、ボロボロと泣いている。俺は、ベッドに座って、凛の髪を撫でる。

「ごめんな、俺のせいで」

凛は、俺を見つめる。

「歯磨きしないと、体洗わないと…」

そう言って泣いてる。

「連れてこうか?」

凛は、ゆっくり頷く。俺は、凛を引き寄せる。

「守ってやれなくて、ごめんな」

「守ってくれたよ」

「でも、キスされた」

「それは…」

「胸だって舐められたんだろ?」

「それも、仕方なかったから」

「凛、キスしたら嫌?」

凛は、首を横に振る。

「俺が、綺麗にしてやるから」

「拓夢……」

ボロボロと凛の目から涙が流れ落ちる。

「ズボンだったから、まだそれをされなかったから…」

俺は、凛の涙を拭う。

「凛、ごめんな」

「んんっ、んっ」

「凛、俺が何とかするから」

蓮見への怒りが沸々と込み上げてくるのを感じる。凛は、胸を手で隠そうとする。

「駄目…汚い」

「汚くない。凛の体は綺麗だから」

俺は、凛の手をのけて胸にキスをしていく。

「んんっ」

例え、蓮見がそうしていても…。関係なかった。だって、ここは凛の一部だ。

「拓夢、駄目」

「女の人は、怖くてもこうなるのを俺は知ってる」

俺は、凛のズボンに手をいれる。

「私……」

「凛は、何も悪くない。体が正常な働きをしてるだけだ。だから、気にしないでいいんだよ」

俺は、凛の敏感な場所を撫でるように触る。

「拓夢、愛してる」

そう言って、凛は俺の首に腕を回してくる。

「凛、愛してる」

俺は、凛の唇に唇を重ねる。凛の敏感な場所を触りながら、舌を絡ませていく。

「んんっ、んんっ」

俺は、ベッドの引き出しから避妊具を取り出していた。もう、体がこの流れを覚えている。

「凛…」

「もっと、綺麗にして欲しい」

俺は、頷いて凛のズボンを脱がす。凛は、俺のスーツのズボンを脱がしていく。俺は、避妊具をつけて凛の中にゆっくりとはいっていく。

「拓夢……言わないで!この事は…」

「墓場まで持っていく」

「うんんっ」

俺と凛には、新たな秘密が生まれる。

「凛、綺麗だよ」

「拓夢…」

俺は、どんどん腰を早く動かしていく。

『ァァッッー』

俺達は、同時に果てていた。

「ハァ、ハァ、ハァ」

流れ作業みたいに、避妊具(それ)をゴミ箱に捨てる。

「拭いてあげる」

凛は、そう言ってティッシュを取って拭いてくれる。

「凛、蓮見が誰に雇われたか、俺が調べるから」

「もう、いいの」

「駄目だよ。また、来たらどうする?」

「そうだよね」

凛は、困った表情をしながらも頷いてくれた。俺は、絶対に蓮見を許さない。凛の人生を壊すあいつを…。

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