592 / 646
エピローグ~月と星の交わる場所へ~【凛と拓夢の話2】
次に会う時は…【凛】
しおりを挟む
掬ったお湯が全て湯船に落ちたのを確認して私は、シャワーを捻った。拓夢と出会ったのは、運命だったんだと思う。そして、別れるのも運命だったんだと思う。
シャワーのお湯が出たのを確認して髪の毛を洗う。拓夢と同じ香りがしていた髪の毛は、私の香りに変わっていく。さよならを言わなかったのは、拓夢を失いたくなかったからだよね。
私は、きっと誰よりもズルい。世間は、私を許さないと思う。それでも、龍ちゃんだけはいつだって許してくれた。私は、体を丁寧に洗った。もっと、拓夢と一緒に居たかった気持ちとここで終われてよかった気持ちが心の中に同居していて、これはきっとなくならないのがわかる。
シャワーで体を流してから、お風呂を出る。いつもの場所のバスタオルを取って体を拭く。下着を履いて、ロングTシャツを着て上がる。
「明日、洗濯しよう」
私は、キッチンに向かった。お水を飲む。
「龍ちゃん、お皿洗うのうまくなったね」
私は、お皿を見つめながらそう言った。
私は、龍ちゃんの良さに気づいてなかったんだね。洗面所に戻って、歯を磨いた。
「さてと、明日から私も主婦だね」
私は、そう言って寝室に向かった。パジャマを取り出して着替える。
「龍ちゃん」
私は、何事もなかったみたいに龍ちゃんの隣に寝転がった。
「うーん。ありがとう」
龍ちゃんは、寝言を言って私を抱き締めた。
「愛してるよ、凛」
その言葉に嬉しくて抱きついた。龍ちゃんがいれば何もいらないって思っていたのを私は長い間忘れてしまっていた。
「龍ちゃん、愛してる」
「もう、食べれないよ」
龍ちゃんは、よくわからない事を言って私をさらに引き寄せる。
暖かくて幸せ。もう、何も望まない。
だから、龍ちゃん。私とずっと生きていて
私は、ゆっくりと目を閉じた。
◆
◆
◆
目覚ましをかけ忘れたのに、私は、龍ちゃんが起きる前に目覚めていた。
「おはよう、龍ちゃん」
小さな声で呟いてから、私は起き上がった。洗面所に行って、うがいをして顔を洗ってルームウェアに着替えた。キッチンに戻って水を一杯飲んでから、冷蔵庫を開ける。
「卵とハム発見。お味噌と豆腐があるね。それとワカメにしよ」
私は、そう言いながら朝御飯を作る。お米炊かなきゃ、お弁当に間に合わないよね。
「おはよう」
「龍ちゃん、おはよう。お弁当は?」
「あぁ。お弁当は、今日は大丈夫」
「本当!じゃあ、お米炊かなくていいね」
「うん。食パン買ってるから」
「バター塗っとく?」
「よろしくー」
龍ちゃんは、そう言って洗面所に行った。あんな事があったのに、すぐに元に戻れるってやっぱり年数なのかな?
私は、食パンを二枚取り出してトーストで温める。
「味噌汁は、いらないね」
味噌汁の用意を冷蔵庫に戻した。
「スープぐらい必要だったかなー」
私は、買い置きをストックしている箱を探す。
「あった!カップで出来るの」
私は、ケトルにお水を入れてスイッチを押した。
「ハムエッグにしよう」
フライパンを取り出して、ハムエッグを作る。
「コーヒーいれようかな」
龍ちゃんは、シャキッとした顔で戻ってきた。
「うん、いれて」
「カフェオレにする?」
「うん、甘いのがいいかな」
「了解」
何もなかったみたいに今日が始まっていくんだね。
シャワーのお湯が出たのを確認して髪の毛を洗う。拓夢と同じ香りがしていた髪の毛は、私の香りに変わっていく。さよならを言わなかったのは、拓夢を失いたくなかったからだよね。
私は、きっと誰よりもズルい。世間は、私を許さないと思う。それでも、龍ちゃんだけはいつだって許してくれた。私は、体を丁寧に洗った。もっと、拓夢と一緒に居たかった気持ちとここで終われてよかった気持ちが心の中に同居していて、これはきっとなくならないのがわかる。
シャワーで体を流してから、お風呂を出る。いつもの場所のバスタオルを取って体を拭く。下着を履いて、ロングTシャツを着て上がる。
「明日、洗濯しよう」
私は、キッチンに向かった。お水を飲む。
「龍ちゃん、お皿洗うのうまくなったね」
私は、お皿を見つめながらそう言った。
私は、龍ちゃんの良さに気づいてなかったんだね。洗面所に戻って、歯を磨いた。
「さてと、明日から私も主婦だね」
私は、そう言って寝室に向かった。パジャマを取り出して着替える。
「龍ちゃん」
私は、何事もなかったみたいに龍ちゃんの隣に寝転がった。
「うーん。ありがとう」
龍ちゃんは、寝言を言って私を抱き締めた。
「愛してるよ、凛」
その言葉に嬉しくて抱きついた。龍ちゃんがいれば何もいらないって思っていたのを私は長い間忘れてしまっていた。
「龍ちゃん、愛してる」
「もう、食べれないよ」
龍ちゃんは、よくわからない事を言って私をさらに引き寄せる。
暖かくて幸せ。もう、何も望まない。
だから、龍ちゃん。私とずっと生きていて
私は、ゆっくりと目を閉じた。
◆
◆
◆
目覚ましをかけ忘れたのに、私は、龍ちゃんが起きる前に目覚めていた。
「おはよう、龍ちゃん」
小さな声で呟いてから、私は起き上がった。洗面所に行って、うがいをして顔を洗ってルームウェアに着替えた。キッチンに戻って水を一杯飲んでから、冷蔵庫を開ける。
「卵とハム発見。お味噌と豆腐があるね。それとワカメにしよ」
私は、そう言いながら朝御飯を作る。お米炊かなきゃ、お弁当に間に合わないよね。
「おはよう」
「龍ちゃん、おはよう。お弁当は?」
「あぁ。お弁当は、今日は大丈夫」
「本当!じゃあ、お米炊かなくていいね」
「うん。食パン買ってるから」
「バター塗っとく?」
「よろしくー」
龍ちゃんは、そう言って洗面所に行った。あんな事があったのに、すぐに元に戻れるってやっぱり年数なのかな?
私は、食パンを二枚取り出してトーストで温める。
「味噌汁は、いらないね」
味噌汁の用意を冷蔵庫に戻した。
「スープぐらい必要だったかなー」
私は、買い置きをストックしている箱を探す。
「あった!カップで出来るの」
私は、ケトルにお水を入れてスイッチを押した。
「ハムエッグにしよう」
フライパンを取り出して、ハムエッグを作る。
「コーヒーいれようかな」
龍ちゃんは、シャキッとした顔で戻ってきた。
「うん、いれて」
「カフェオレにする?」
「うん、甘いのがいいかな」
「了解」
何もなかったみたいに今日が始まっていくんだね。
0
あなたにおすすめの小説
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
偽りの愛の終焉〜サレ妻アイナの冷徹な断罪〜
紅葉山参
恋愛
貧しいけれど、愛と笑顔に満ちた生活。それが、私(アイナ)が夫と築き上げた全てだと思っていた。築40年のボロアパートの一室。安いスーパーの食材。それでも、あの人の「愛してる」の言葉一つで、アイナは満たされていた。
しかし、些細な変化が、穏やかな日々にヒビを入れる。
私の配偶者の帰宅時間が遅くなった。仕事のメールだと誤魔化す、頻繁に確認されるスマートフォン。その違和感の正体が、アイナのすぐそばにいた。
近所に住むシンママのユリエ。彼女の愛らしい笑顔の裏に、私の全てを奪う魔女の顔が隠されていた。夫とユリエの、不貞の証拠を握ったアイナの心は、凍てつく怒りに支配される。
泣き崩れるだけの弱々しい妻は、もういない。
私は、彼と彼女が築いた「偽りの愛」を、社会的な地獄へと突き落とす、冷徹な復讐を誓う。一歩ずつ、緻密に、二人からすべてを奪い尽くす、断罪の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
【完結】指先が触れる距離
山田森湖
恋愛
オフィスの隣の席に座る彼女、田中美咲。
必要最低限の会話しか交わさない同僚――そのはずなのに、いつしか彼女の小さな仕草や変化に心を奪われていく。
「おはようございます」の一言、資料を受け渡すときの指先の触れ合い、ふと香るシャンプーの匂い……。
手を伸ばせば届く距離なのに、簡単には踏み込めない関係。
近いようで遠い「隣の席」から始まる、ささやかで切ないオフィスラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる