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新しい未来へ~互いを救ってくれた愛と共に…。~【凛と拓夢の話3】

また、会おう【凛と拓夢5】

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拓夢に伝えようとして止められた。きっと、私が言いたい言葉をわかっていたんだと思った。

「私も拓夢を失いたくなかった」

失望したくなかったのは、拓夢を失いたくなかったから…。嫌いになどなりたくなかった。出会えたのに、愛し合ったのに、絶望を拭ってもらえたのに…。

「凛、これからは違う形で関わっていきたい」

「うん」

「ハグは、ありかな?」

「ありでしょ?」

拓夢が開いた両手に私は、抱きついた。

「凛、幸せになって。今よりもっと…。俺が、悔しがるぐらい」

「わかった。拓夢もね」

拓夢の言葉に私は、そう言った。

「わかってる」

拓夢もそう言ってくれた。

「凛をずっと愛してる。さっきの歌みたいに、俺は…」

「私も、さっきの歌みたいに生きてくから」

「お互いに…」

「うん」

私と拓夢が、あんな風に抱き合う事はもう二度とない。

あの時は、互いの絶望を、悲しみを、苦しみを、拭い合えた人。
でも、もうそれは過去の事で…。
今、私達は特別な友達になろうとしていた。

「いつでも、連絡してきて!返事を返せる時はする」

拓夢は、私から離れてそう言って笑ってくれる。

「わかった」

「じゃあ、握手する?」

「そうだね」

差し出された右手に右手を重ねて握手をした。

「帰らなきゃ!旦那さんが心配する」

「うん」

私と拓夢は、立ち上がった。

♡♡♡♡♡

凛に失いたくなかったと言われて、俺は全て理解した。
やっぱり、あの最後の日々の凛の絶望は拭えなかったんだと…。
そして、今の凛に必要なのは寄り添ってくれる愛なんだと…。
それは、俺には出来なかった。勝ち負けがあるのなら、完全なる敗北だ。

俺と凛は、服についた砂を払った。

「月坂梨花のニュースみたよ」

「うん」

「凄いね!よかったね」

「そうだな!あの人のお陰で、まっつんが結婚出来るから」

「そうだよね」

俺は、そう言って凛を見つめていた。

「結婚式には、呼んでもらえるかな?」

「当たり前だろ?凛は、理沙ちゃんの友達なんだから!」

「それなら、嬉しい」

砂を払い終わった俺達は、笑い合っていた。

「次に会うのは結婚式だな」

「そうなるね」

「その時に、またこうやって話さないか?」

「うん、わかった」

「約束」

俺は、右手の小指を凛に差し出した。

「約束」

指切りを交わした。

「帰ろう」

ちょうど、理沙ちゃんとまっつんがやってきた。

「行こう、凛」

「うん」

俺と凛の短い不純異性行為は、本当の終わりを告げた。

「じゃあ、送るよ!凛さんと理沙ちゃんは、家まで送る?」

「駅まででいいです」

待っていた相沢さんに、理沙ちゃんはそう言った。

「じゃあ、駅まで送るよ」

三人は、スッキリした顔をしていた。きっと、俺もそうだ。車に乗り込み、相沢さんが車を出して駅に着いた。

「じゃあ、また」

「また、SNOWROSEのPV
撮影に女の子を使う時はよろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

凛と理沙ちゃんは、相沢さんにそう言って笑っていた。

「バイバイ」

「気をつけて」

俺とまっつんは、二人に手を振った。二人は、車から降りて行った。

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