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カラオケBox

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その後、しばらく泣いてる俺を抱き締めてくれてカラオケに三人で入った。

持ち込みできるカラオケBoxで、コンビニで昼御飯も買って入った。

ドリンクを店員さんが、もってきた後で秋帆が、「美月、今日でちゃんと終わらせような」って言いながらコーヒーを飲んでる。

「どうやって、殺そうかな」心春は、スマホで何か調べてる。

「ずっと、心(ここ)が重いねん」

「岩みたいになってるもんな」

「溶けないから、退かすしかないね」

そう言って二人は、俺を見てる。

「こっちゃんが、いなくなってから心(ここ)が欠けてるねん」

「そやろな、双子ってテレパシー感じるって言(ゆ)うもんな」

「欠けてしまうよね。オセロみたいな感じでしょ?2つで1つって感じでしょ?」

「そんな感じ。こっちゃんは、ずっと一緒におるって思ってたわ。お婆ちゃんとお爺ちゃんになっても、その絆はかわらんって信じてたから…。こっちゃんいなくなって、欠けたもん補う方法が見つからんかった。」

「そうか」

「仕方ないよね」

そう言って悲しそうに、コンビニの袋を開けてる。

「二人に会うまではって意味やで」

俺の言葉にあからさまに心春と秋帆の表情がかわった。

「喜んでるん?」

「喜んでる」

「嬉しい」

ニコニコ笑ってる。

「よかったわ。喜んでくれて」

「どんな風に補ってるん?俺と心春は」

「何てゆうか、心(ここ)が暖かくなって、二人がおらんかったらうまく笑えへん。頭の中は、復讐でいっぱいになってまう。」

「何かよーわからんけど、俺と心春が役に立ってるならいいわ」

「立ってるよ。灰原(あいつ)ん時、ガラス割った秋帆はこっちゃんやった。俺を見つめてた心春もこっちゃんやった。俺、二人がおるからまともな人間(ひと)でおれんねやって思ったんや。」

「へー。スゴいな」

そう言って秋帆はおにぎり食べてる。

「そうなれるなら、嬉しい。僕は、美月のこっちゃんのかわりになりたいよ。」

そう言って心春もおにぎり食べてる。

「ええやん、ええやん。心春やからこっちゃんや。ハハハ」

「そんな話?」

「そやろ、名前もいけるやん」

秋帆が、笑ってる。

「こっちゃんのかわりやないよ。二人は、俺の特別(おうじ)やんか。誰かのかわりやない。俺は、二人と幸せになりたい。でも、終わらせな前に進まれへん。全力で甘えてまう自分が許されへん。」

「甘えたらええやん。幸せになろうや。幸せにしたるなんて、ゆわれへんで!みんなでなるんや。その為にも、佐々木(そいつ)におうて終わらせよう。それが、どんな形でも俺と心春は最後まで見届けたるから」

「うん、わかった。」

「殺るのは、僕だよ。ナイフ渡してて」

そう言われて心春にナイフを渡した。

「なんで、心春が殺るん?」

「僕には、心配してくれる家族も泣いてくれる家族もいないから。だから、大丈夫」

「秋帆と俺が、心春を心配するで。泣くねんで」

「そんな事は、わかってるよ。でも、それ以上に二人は心配してくれる人がいるでしょ。」


「ごめん、綺麗な顔しとる心春にこんな恐ろしい言葉言わせて、こんな汚い感情(おもい)もたせて」

「別にいいよ。たいしたことじゃないよ。」

そう言って心春は、笑った。

「美月に幸せになってほしい」
(みっくん、幸せになりよ)

なんや今、こっちゃんの声と心春の声が重なって胸(こころ)ん中に
落ちてきた。

「俺と心春は、美月の為ならなんでも出来るねんで」
(みっくんの為なら死ねるねんで)

またや、こっちゃんの声と秋帆の声が重なって胸(こころ)ん中に落ちてきた。

もしかしたら、俺大丈夫かもしれへん。

佐々木(あいつ)目の前にしても、大丈夫かもしれん。

そんな気がした。

そんな風に思えた。

俺は、二人が居るだけで大丈夫な気がする。

こっちゃんが、やっぱり会わせたんよな。


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