君の傷つけ方なら知っている

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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結末なら知っている

亮の話②

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「何で?」

「告白できないって言ったでしょ?」

「うん」

「幼馴染みだったんだって!7歳からずっと好きで、20年間傍にいて!25歳で、癌になって彼には結婚して子供もいて…。幸せが壊れないように、ずっと見守ってきたんだって」

「自分の気持ち押さえて、友達として一生居たのか?」

「そうなんだって…。言いたくても、言えなかったって。それを聞いたら、私。凄く贅沢だなって思った。だって、私は亮ちゃんに好きだとか愛してるよとか言える。こうやって、お風呂にも入って、キスだって、その先だって進める。だけど、彼は出来なかった。それどころか、一生会えなくなっちゃった」

俺は、その話を聞いて泣いていた。

会ってもない赤ちゃん何かより、もっともっと葉月を大切にしなくちゃいけなかったんだ。

どうして、それに気づかなかったんだろうか?

今まで、どうして必死に赤ちゃんを望んだのだろうか?

ずっと必要だったのは、お互いを傷つける事じゃなくて手を取り合う事だった。

「亮ちゃん、しわしわだよ。指が!上がろうか?」

「うん」

俺達は、お風呂から上がった。

葉月は、バスタオルを巻いて髪を乾かそうとしてる。

「俺がやる」

「いいの?」

「うん」

鏡越しに、葉月を見つめていた。

必死になって、葉月に酷い事を言った未来に、待っていたのが離婚だった。

「葉月、愛してるよ」

「何?」

「何でもない」

「んっ?」

「俺、葉月を守るから!一生」

「だから、何?」

「何でもないよ」

葉月は、困った風に眉を寄せていた。

可愛いな、葉月。

「終わったよ」

「ありがとう」

俺も、髪を乾かした。

「さっきの何だったの?」

「葉月の髪、さらさらだなって言ったの」

「何、それ!」

俺は、葉月にちゃんと伝えなくちゃならないよな。

キッチンに行くと、葉月は水をくれた。

「ありがとう」

「うん」

晩御飯を食べて、俺達は晩酌をする。

「さっきの彼ね」

「うん」

「お墓参りで、やっと気持ち言えたって昨日言ってたの」

「よかったな」

「でしょ?私も泣きながらよかったねって言ったよ」

葉月は、そう言って笑っていた。

「あのさ、葉月」

「何?」

「俺、治療するつもりはなかったんだ」

「不妊治療?」

「うん、原因を見つけて。あれ以上に葉月に酷い事言ったらって思ったら、しないでいいかって思ってたんだ」

「うん」

「それと、俺。ずっと赤ちゃんがいるのが正解だって思ってたんだ」

「うん」

「でも、それは違ったよ」

「違った?」

「葉月がいるのが、正解だったんだ」

「何、それ?」

葉月は、そう言って笑っていた。

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